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変わらないもの

いつもの道に 急にぽっかりと切り取られた空
建物と建物の間をすまなそうに
夕日が沈んでいく
ここに何があったのか
いつも見ていたはずなのに
全然思い出せなくて

きっと誰かの生活があって
喜びや悲しみやいろんな思い出が
詰まっていたんだろうけれど
それを覚えてる人は
どれくらいいるんだろう

きっともうすぐ新しい何かが
さも初めからそこにあったように
新しい思い出を生み出していく

変わらないものなんてひとつもなくて
この瞬間にも失われるものと生まれるもの
キミの気持ちも ボクの想いさえも
ずっとは続かない
わかってるけど 続けたくて
あがいて もがいて 空回り

キミがどんなふうに笑っていたか
ボクの心がどんなふうに跳ねていたか
あんなにくっきりしていた手触りが
あっという間に遠くなる
できることなら消えないように焼き付ける魔法を
誰かボクに教えてくれよ

あの空き地もきっとすぐにみんな忘れて
街は何もなかったように新しい日々を紡いで
夕日が毎日空を染め変えても
世界はたんたんと前に進んで
それでも変わらず残るものがあるって
誰かボクに信じさせてよ


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