泣きわめく子ども
結婚して8年経つが、私たち夫婦には子供がいない。
自分の甥っ子二人と夫の甥っ子姪っ子と関わるくらい。
全て自然の流れに任せてできたらできたで、できなかったらできなかったでいいなと考えている。
よって、普段あまり子どもと関わる機会が多いわけではない。
昨日、同じマンションの玄関で泣きわめいている子どもがいた。
恐らく、イヤイヤ期真っ盛り特有の、何を言ってもダメな感じ。
こりゃこりゃ親は大変だと思って私は自室に向かった。
そして、帰りながらふと気づいたのだ。
これ、私も同じことやってた。
お母さんに嫌だ嫌だと泣きわめいていたと。
私の過去記事を読んでお気づきの方もいるかもしれないが、私は亡くなった母に対し複雑な感情を抱いている。
もっとこうして欲しかった
家族間の争いに巻き込まないで欲しかった
隠し事をしないで欲しかった
感情的にならないで欲しかった
突然いなくならないで欲しかった
数を上げればきりがない。
しかし、昨日の泣きわめく子どもを見て様々な記憶が蘇った。
私の母は20歳の成人式を迎えてすぐに婚約し、その年の6月に10歳年上の父と結婚。
22歳で長男、23歳で次男、26歳で長女の私を産んだ。
途中から父の父母・祖母と同居して7人家族を切り盛りしていた。
嫁姑関係は最悪で、いつも何かお小言を言われていた。
うちは兼業農家かつ畜産もしていたから、牛の世話、稲作、みかん畑、茶畑、畑での野菜栽培をしながら平日はパート勤務もしていた。
家族でどこか行楽地へ出かけたことはほとんどない。
土日遊んでいる暇はほとんどなかったのだ。
父の祖母(私からすれば曾祖母)はとても長生きだったので、その介護もあった。
母はそんな中でやんちゃ盛りの3人の子どもを育て上げたのだ。
プライベートな時間もない。
心休まる時間もない。
体力的にも精神的にもハード。
今の私にはとてもとてもできない。
私は母に対して、恨みがましいことを色々思っていたが、母もいっぱいいっぱいだったのだ。
若くて何も知らないまま嫁いで、様々な困難と対峙し、その時その時を精一杯生きたのだ。
子ども達3人はもう立派に大人と言える歳まで成長した。
ここまで私たちがこれたのも、庇護が必要な時に、母が、そしてその周囲の人が安全に育ててくれたから。
泣きわめく子どもを見て、親への感謝の気持ちと尊敬の念が自然と湧き上がってきた。
大切なことに気づかせてくれてありがとう。
名も知らない泣き虫ちゃん。