『人は中身が大事』というラブコメの教訓は、リアルな世界を生きる私たちに本当に役立つのか?
もしも運命の人が予想外な見た目をしていたら、私たちは永遠に運命の人でさえ気づくことができないのかもしれない。
最近、私は洋画のラブコメ映画にハマりNetflixの作品を漁って過ごしていました。
古い映画から最新の作品まで、ここ数日ずっと人の恋愛模様を観賞しています。私の暇人度がわかりますね。
昔のラブコメは「いかに男性に選ばれる女になれるか。男性が女性にコーチングする」みたいなものが私の印象に残りました。
男性が好きな見た目、仕草、振舞い方等、ラブコメ映画のターゲット層が若ければ若いほど刺さった内容なんだろうなと思います。
そこからもう少し時代が新しくなると、「ありのままの私でいる」ことがテーマになっている感じです。
どんなに気が強かろうと、自信がなかろうと、最後は素直になって一歩踏み出す勇気があればそれでよし。みたいな作品が多いイメージ。
で、時代はさらに進み、価値観も変わり、最近のティーンエイジャー向けのラブコメ作品のテーマは「人は中身が大事」が前面に出ているな、という印象を私は受けました。
あくまで個人の感想ですけどね。
ということで、今回の私の記事のテーマは
「『人は中身が大事』というラブコメの教訓は、リアルな世界を生きる私たちに本当に役立つのか?」です。
人は見た目じゃない
私が見た作品で印象深かった設定が「なりすまし」です。
まずは、観た映画の紹介を。
これらの作品の大きなテーマが「人は見た目じゃなく中身が大事」だと思います。
シエラに間違えて送られてきたテキストメッセージ。その送り主はアメフト部のイケメンエースだった。彼はチアリーディングをしている美女にメッセージを送っていると思い込んでいた。頭は良いけど、見た目には自信のないシエラ。そこでその美人チアリーダーと交渉し、シエラは彼女になりすまし、彼と連絡を取り続ける。『シエラ・バージェスはルーザー』
マッチングアプリで完璧な理想の相手と出会ったニーナ。彼に喜んでもらおうと、クリスマスに内緒で彼に会いに行くことに。でも、彼女の前に現れたのは全くの別人だった。『ラブ・ハード』
アメフトをしているちょっとおバカな男の子のラブレターの代筆をすることになった、成績優秀なエリー。相手は美人で頭のいいアスター。エリーとアスターは手紙やテキストで繋がっていく。『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』
なりすます側が、なぜ「なりすまし」をしているのかは様々な理由があるにせよ、テキストメッセージや手紙のやり取りなどで、裏に隠れている彼ら彼女らの魅力を恋の相手の美男美女、そして視聴者にも紹介してくれます。
ネタバレってわけじゃないですけど、ラブコメ映画なので「なりすまし」が途中でバレることは想定済みということで。そこからが本番なんですから。
で、騙された美男美女は「騙された!傷ついた!」って当然の反応をします。だって好きになった相手が別人なんですから。
好きになった気持ち、騙された怒り、悲しみ、羞恥心、嫌悪、期待外れ。
騙された側の感情はぐちゃぐちゃでしょうね。
騙された人が傷ついていることで、視聴者は「そりゃ、その反応になるよね」と共感できます。
そして同時に、「でも、あなたが好きになったのは中身の彼or彼女だよね?」と私たちに人は見た目じゃなく中身が大事とすんなりと思わせてもくれます。
さて、ここからは個人的な意見です。
これで上手にカモフラージュされていますが、これってもう少し解釈を広げてみると、
タイプじゃない見た目の人をあなたは愛せますか?
っていう投げかけだと思うのです。
ぶっちゃけ、これに答えはありません。
恋愛の価値観は人それぞれだし、好きになるタイプも人それぞれですから。
人が人を好きになる理由に、あーだこーだととやかく言えません。
ただ、映画を観ているときの私たちって客観的で道徳的に見ることができているので、「やっぱり中身が大事」とその時は強く思えるんです。見た目に自信がなくても、中身を磨けばいいんだよ!と。
しかし、リアルな世界ではマッチングアプリやSNS、モテることを重視するなら、どうしても外見に重きを置いてしまう現実も知っています。
見た目がタイプじゃないと判断したとたん、相手に興味を持てなくなってしまう人は少なくないはず。
でも、もしも見た目がタイプじゃない人の中で中身がドンピシャでタイプの人がいたら、あなたはどうします?
あるいは、自分とは不釣り合いの美男美女を好きになってしまった場合、やっぱり見た目を良くする努力をするのでしょうか?
それとも、中身を磨くのでしょうか?
あるいは、見た目も中身も両方そこそこを目指しますか?
中身が大事の中身とは?
さっきから中身が大事と抽象的なことを言っているけど、中身が良いっていったい何?の話です。
そして映画の話に戻ります。
映画に出てくる「なりすまし」をした見た目に自信のないキャラクター達は、言うまでもなく中身が魅力的です。
これが不思議なもので、そのキャラクターを知れば知るほど中身の魅力が溢れ、何故か見た目もよく見えてきます。俗にいう「ハロー効果」ってやつでしょうか。
そんなキャラクター達が共通して持っていた特性がいくつかありましたので紹介します。
・知性がある
みんな成績優秀かつ、頭の回転が速い傾向にある。読書家で文章力もたけていてる。
・話が上手
陽キャのようなコミュニケーション術は持ち合わせてはいないけど、一対一のコミュニケーションは抜群に上手い。
・相手を尊重できる
あなたはどう思う?どうしたい?と相手の考えや気持ちを聞き、その理想に近づくように協力してくれる。
・ユーモアがある
笑いの価値観が似ている。みんなが面白いと思うものではなく、二人だけがわかっていて面白いと思える世界観のやり取りがある。
・寛容である
もちろん、思ったことははっきり言う。だから時には相手を傷つけてしまうこともあるけど、基本的には優しくてめちゃくちゃいい人。
これだけの中身の良さを持っていたら、見た目が不釣り合いでも美男美女を落とせますよ。と、この映画では教えてくれています。
とは言ってみたものの。こんなに中身が完璧な人が実際にいたら、美男美女以上にレアキャラなのかもしれませんけどね。
結論
ラブコメ映画の「人は中身が大事」という教訓は道徳的で役にも立つ。
ただし、数ある判断基準のひとつとして絶対的でなく相対的でしかない。
見た目に自信のない人は、知性とユーモアと寛容さ、そして相手を尊重し成長を手助けできる力があれば、人としてとても魅力的である。
ていうか、恋愛とかジェンダー関係なく、人として魅力的であれ!!ってことが伝えたいのでしょう。
けれど、映画に出てくるような人は現実にはなかなかいません。我が身を振り返ってみても、どの口が言っているのかと思うと恥ずかしくなります。
やっぱりラブコメ映画はハイスペックな人同士の恋愛でできあがっているんだな。
が、私のまとめです。
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