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いとしき“モスカートダスティ”の魅力。春の宵にこそ、この甘美な味わいを。

上品な甘みと低アルコール、泡も優しく軽やかな口当たりでありながら、初心者も上級者も唸らせるモスカートダスティの魅力を、あなたはご存じだろうか。

「アルコールがそこまで強く無いんですけど…」とご相談にいらっしゃるお客様に、まずオススメしているのが「モスカート・ダスティ」
DOCG制定は1993年で割と若めなのかな?元々は地元での消費が中心で、徐々に国際的に人気になって今があるようです。
日本だと「天使のアスティ」が有名で、よく在庫を聞かれます。これは「アスティ・スプマンテ」という別の種類のスパークリングワインで、まぁほとんど同じようなモノなんですけど、比べるとこちらの方がガス圧・アルコール度数ともに高め。どちらも北イタリア、ピエモンテ州でモスカート・ビアンコ種を使って作られる甘口のスパークリングワインです。

どちらも、ほんのり~しっかりめの甘口ぐあい。フレッシュフルーツはもちろん、ケーキやアイスクリームなど甘い食べ物との相性がバツグン。チーズと一緒に飲んでも、引き立ててくれてとっても美味しいです。
お食事と一緒にいただくなら、エスニックやドライカレーなんかが良いのではないでしょうか。私は豚キムチと合わせたこともあります◎
今回は、そんな「モスカート・ダスティ」のオススメをご紹介します。

【サラッコ】モスカート・ダウトゥンノ
私がモスカート・ダスティ好きになったきっかけの1本です。
つづりは「MOSCATO D’AUTUNNO」と書くんですが「AUTUNNO=秋」の名の通り、通常よりも遅めに収穫することで、ブドウは程よく完熟。サラッコはコレとは別に普通のモスカート・ダスティもリリースしているんですが、こちらの「ダウトゥンノ」は上級キュヴェにあたります。
サラッコはモスカート・ダスティの最高峰とも言える生産者で、名だたる評価誌でも素晴らしい評価を受けています。
酸と果実味のバランスが取れていて、甘さはとても上品。熟れたフレッシュフルーツをそのままかじっているかのような美味しさがあります。


【プルノット】モスカート・ダスティ
プルノットは、イタリアの大手ワインメーカー「アンテイノリ」がピエモンテに持っているワイナリーで、バローロやバルバレスコも作っている老舗。初めて見たとき、プルノットはモスカート・ダスティも造っているのか、と驚いたのをよく覚えています。バルベラやドルチェットも美味しいので、それはまた別の機会にぜひ書こうかな。
このモスカート・ダスティに強く感じたのはエルダーフラワーの香り。人工的な何かが入っているのでは?とすら思ってしまう程に、強い華やかな香りを楽しむことができます。しっかり冷やしていただければ爽やかな甘さで、飲みやすく心地よい印象。1本目に挙げたサラッコのものよりも、甘みは強く感じました。コクがあるので、焼き菓子系の甘さと相性が良さそうです。

いかがでしたでしょうか。食後の優雅なひと時、甘いデザートにモスカート・ダスティを添える。それだけでワンランク上の素敵ワイン時間を楽しめるはず。お風呂上りのアイスに合わせるのもまた粋かもしれないですね。
度数が低いのでワイン初心者にはもちろんオススメですが、真のワイン好きにこそ楽しんでいただきたいワイン「モスカート・ダスティ」
2020年の春の終わりに、心地良い夜のひと時に、ぜひお試しください。

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