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ハワイが好きなんです

遠足の前の日みたいにそわそわして、深い眠りにつけぬまま機内で夜を過ごすのはいつものこと。

身支度を整えたあと、窓から見下ろすコオリナビーチを見て「ついに来た」と気持ちが高ぶる。

飛行機から降りて開放的な空港を吹き抜ける、柔らかくて爽やかな風。

入国審査を終えてスーツケースを受け取り外に出ると、甘くて柔らかいプルメリアの香りが
「おかえり」と言わんばかりにそっと体を包み込む。

チャーリーズタクシーに乗ってハイウェイから眺める、建物越しに見るハワイの海。

カラカウア大通りを走り、デュークカハナモク像から見えるビーチ。

陽気に歌いながら楽しそうに運転する、JALのトロリードライバー。

東海岸をドライブしたときのカーブ越しに見る、より深みがかかった青い海。

カハラの高級住宅街を車で下るときに一瞬見える、ぶわっと広がった景色。

ワイケレアウトレットに行って衝撃的なかわいさと安さに興奮して両手いっぱいにお買い物を楽しむ満たされる気持ち。

ホテルのラナイから見える、生命の息吹を感じる朝一番のダイヤモンドヘッド。

日差しは暑いのに日陰に入った瞬間、冷んやりと涼しくすっと落ち着く感覚。

エネルギーいっぱいの日差しを受けながらカピオラニパークを走り回って笑い転げる真っ黒に日焼けした息子。

数年前に1度ふらっと立ち寄った小さな雑貨屋さんに再び入ったとき、私の名前を叫びながら満面の笑みと両手を広げて迎えてくれる、ママの温もり。

赤ちゃんだった息子を見て「天使のようだわ。なんて愛らしいの」と

しわくちゃだけど柔らかい小さな手で頬を何度も何度も撫でてくれたファーマーズマーケットで出会ったグランマ。

2日連続で食事を楽しんだレストランのスタッフさんに、日本に帰ることを伝えたとき、私をぎゅっとハグをして涙を流して、別れを惜しんでくれる人々の優しさ。

「さよならなんて絶対に言わない。だってまた会えるから。Cham、いってらっしゃい」

涙をいっぱい溜めて微笑みながら私を見送るAunty。

ここに行けば行くほど

ぎゅっと凝り固まった私の頭も心も体が、とろっとろに溶け出してしまいそうなくらい流れ出して

ふんわりと優しくなって日本に帰ってこれるの。

ハワイ好きは、ミーハーなんかじゃない。

「〇〇だから好き」「○○があるから」
そんなチープな理屈じゃなくて

人が求める温もり・優しさ・愛に自然に触れたくなるのだと思う。

何度行っても、帰りたくなる場所

それが私にとってのハワイです。

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