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NFT(仮想通貨)に関わる税金について

最近流行りのNFT

・名前は知っているけど、何のことなのかよく分からない
・触ってみてはいるけれど、実はよく分かってない

という方も多いかと思います。

そんな状態で一儲けしてしまった場合、税金を払わないといけないことは分かるけれども、何をどう計算したら分からないなぁということで調べてみました。

【注意書き】
私自身は税理士でもなく、自分で色々と調べた上で解釈したことを書いているため、実際には間違っていることが書かれている可能性もございます。
その際はご指摘いただけますと幸いです。

まだ明確に法律が定まっていないところもあり、税理士さんによっても意見が違っている部分もございますので、新たな情報が入ってきましたら、記事を更新することもありますので、ご了承ください。

先に結論から書くと

・NFTを「買う」「売る」どちらの場合も課税対象
・NFTの売買時に使う仮想通貨を日本円にする時も課税対象

となります。

NFT以外に、給与以外の雑所得の利益と合わせて年間20万円以内で収まっていれば、確定申告の必要はありません。
(※仮想通貨の損益は「雑所得」になります。)

※2021/10/19追記
仮想通貨自体の損益は「雑所得」ですが、NFTの売買は仮想通貨そのものではないため、「譲渡所得」などその他の所得となる可能性があります。
この辺りはまだ法整備されていないため、誰も正確な答えを持っていない状況です。

また、年をまたいでしまうと、いろいろと計算がややこしくなってきます。
それについては、こちらのbitFlyerの記事が分かりやすいので、詳しくはそちらを参照ください。

ここからは税金をどう計算すればよいかについてを説明していきます。


前提のお話

ここからの情報は基本的に、国税庁から出ている「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)」に書かれていることをベースにしています。
(「暗号資産」=「仮想通貨」と考えてもらってOKです)

まず、仮想通貨に関わるやり取りをした際に関係してくる税金としては、大きくは

所得税
法人税
相続税・贈与税
源泉所得税
消費税

の5つになります。

法人に関わることは置いておいて、今回は個人が仮想通貨を買ったり、NFTの売買で仮想通貨をやり取りすることだけを考えると、所得税のことだけを考えればよいです。

税金が発生するのは利益が発生した時になります。

では、「暗号資産で利益が発生した」とはどのような状況を指すのでしょうか?

課税対象となるもの、ならないものの例を挙げると、

■課税対象となるもの
・仮想通貨を売却した時
・仮想通貨で商品を購入した時
・商品を売却して仮想通貨を手に入れた時
・仮想通貨同士の交換・売買を行った時
・仮想通貨をマイニングにより取得した時

■課税対象とならないもの
・仮想通貨を購入した時
・仮想通貨の分裂(分岐)により仮想通貨を取得した時
・仮想通貨を保持していて含み益が発生している時

などが考えられます。

要するに、仮想通貨をやり取りする際に、その仮想通貨の価値を再計算したタイミングで発生します。

仮想通貨の価値を再計算する際に、その時点のレートで日本円換算した金額で利益が出ていれば課税対象となる、という形です。
(仮想通貨を日本円で購入する時などは、その時点の価値で購入する=利益も損失も発生しないため、課税対象とはなりません)

取引所でやり取りしている場合は、取引所側で記録されているレートを参照すればよいのですが、現状の多くのNFTのように、NFTという商品仮想通貨をやり取りする場合、その時点のレートがいくらだったのか明確には分かりません。

これについては調べてみても、「その時点のレートで計算する」という回答しか見当たらず、どのレートで計算するかはよく分かりませんでした。

まだきちんと法整備されていない部分なのか、税理士さんも断言できない部分なのかもしれません。

ただ、年内に日本円に戻してしまえば、どのレートで計算していても差引の計算は同じになるため、まずはよく利用する取引所のこのレートを使う、などを決めて自分で記録しておくのがよいと思われます。
(NFTは仮想通貨以上に自己責任の割合が高いので要注意です)

では次は実際のNFTの売買の流れに合わせて説明していきます。

NFTを売る側の場合

基本的には次のような流れになると思います。

1.NFTを作成する
2.NFTを売る(買ってもらう)ことで仮想通貨を受け取る
3.仮想通貨を日本円にする

この場合、2と3が課税対象となります。

2は単純に受け取った仮想通貨のその時のレートで計算した金額が利益となるので、これが課税対象となります。

3は2で計算した時のレートとの差分が課税対象となってきます。

2と3を同じ年で行った場合は、3で得た日本円が課税対象となるので分かりやすいです。

実際はガス代などで売却額ぴったりを日本円にすることは少ないと思いますが、2の時と3の時のレートが違ったとしても、2と3を足し合わせた時の利益は3で手に入れた日本円分になる、という考え方になります。
(ただ、年内で完結しないことも考えて、都度計算しておいた方がよさそうです)

NFTのプラットフォームによっては、もう何種類か仮想通貨が間に入って変換させる必要があるパターンも考えられます。

その場合は、仮想通貨の変換の部分も課税対象となってくるので要注意です。


NFTを買う側の場合

買う側は売る側よりもややこしいです。
最終的に日本円にする流れだと、

1.仮想通貨を購入する
2.仮想通貨でNFTを購入する
3.NFTを売る(買ってもらう)ことで仮想通貨を受け取る
4.仮想通貨を日本円にする

のようになり、2~4が課税対象となります。

まず、2のタイミングでは、この仮想通貨の1時点のレートと2時点のレートの差分が課税対象になってきます。

3のタイミングでは、仮想通貨のレートとNFT自体の価値の変動を考える必要があります。

なかなかややこしくなってくるので、具体例を挙げます。

1時点で1ETH=20万円で3ETH購入しました。
2時点で1ETH=30万円になっていて、NFTを3ETHで購入しました。

1時点の3ETHは20万円×3=60万円の価値でしたが、
2時点の3ETHは30万円×3=90万円の価値になっているので、この時点で90万円ー60万円=30万円の利益が発生していることになります。
(日本円で考えると、60万円で90万円のNFTを購入したことになる)

3時点で1ETH=40万円になっていて、NFTを5ETHで売却したとします。
3ETHで購入したNFTを5ETHで売却したので、差引2ETHの利益、つまり40万円×2=80万円の利益のように思えますが、

2時点のNFTは円換算だと90万円
3時点のNFTは円換算だと40万円×5=200万円

なので、200万円ー90万円=110万円が利益になります。

4時点で1ETH=50万円になっていて、NFT売却で得た5ETHを売却すると、
4時点の5ETHは50万円×5=250万円の価値になっているので、250万円ー200万円=50万円の利益となります。

なので、全部の利益を足し合わせると、
 2時点で30万円
 3時点で110万円
 4時点で50万円
で、30万円+110万円+50万円=190万円となります。

実際、最初に3ETHを60万円で買って、最終的に250万円を手に入れているので、250万円ー60万円=190万円とも計算が合いますね。

これに、仮想通貨の変換も関係してくると、買う側はなかなかに大変です・・・


経費はどうなるの?

NFTや仮想通貨を売買することにかかってくるコストは、基本的に経費として計上できます。

NFTのやり取りのメインである、Ethereumはガス代がかなりかかってきますが、これも経費計上できるのは助かりますよね。
※ガス代が何故必要なのかについてはこちらの記事にまとめています。

ということで

税金の計算をするのはなかなか大変ですね・・・(特に買う側)

これだけNFTが盛り上がっていると、税務署側のチェックも厳しくなることも予想されるので、確定申告の対象になりそうなぐらいの利益が出ている方はお気を付けください。

この辺りの計算はなかなか大変だと思いますので、今後OpenSeaでNFTを販売されている方向けに、諸々まとめるためのスプレッドシートでも作ってみようかなと考えています。

自分自身は確定申告の対象になるようなことはなさそうなのですが、気になる方はご連絡いただければお手伝いさせていただきますので、お気軽にご連絡いただければ幸いです。

それではよいNFTライフを!

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