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【#01】色んな大人の話を聞いて、自分の選択肢を増やそう!

起業家インタビュー第一弾!
今回は、姫路にある「株式会社マルセイ」取締役の木元 仁玉 さんにお話を伺いました。
(以降「仁さん」と表記します。)

株式会社マルセイ 取締役 木元 仁玉 さん
きもと・じんぎょく/同志社大学商学部、メイクアップ専門学校を卒業し、NYでメイクアップアーティストとして活動。大学在学中に起業家コンテストで[優勝&オーディエンス賞]史上初のW受賞を果たして23才で起業し、株式会社J LINK INTERNATIONAL代表取締役に就任。32才の時に両親の会社である株式会社マルセイの後を継ぐことを決意し同取締役にも就任。現在両社を運営している。

ーはじめに、株式会社マルセイさんの事業内容について教えて下さい!
株式会社マルセイは、健康に悩みのある方のために漢方・発酵食品や化粧品を製造しているメーカーです。業務形態としてはファブレス(生産を外部の企業に委託するモデル)ではなく、自社工場で製造しています。


ダンスも恋も全力で!
アメリカで夢を追いかけた青春時代

ー中国出身の仁さんは、発酵の研究員として働くお母さんの関係で5歳の頃に日本に移住。当時は外国人移住者が少なく、差別的な経験をしたこともあったとお聞きしました。
そうですね。小学校では名前が珍しいことや、日本語に慣れていなかったことから多少嫌な思いもしました。日本語は移住してから学んだので言い返せず、その悔しさの分勉強に励みましたね。
初めはまわりを見返すために始めた勉強でしたが、やればやるほど結果が出るので楽しく学んでいた記憶があります。母は日本に来てからもとてもいきいきと働いていて、仕事って楽しいんだと思っていました。

ー通っていた中学校で初の女性生徒会長を務めるなど、活躍していた仁さん。その頃、今の仕事に繋がる経験をしたそうですね。
はい。実は1年生のときにある男の子に恋をしました(笑)
それまでは勉強ばかりでおしゃれをする機会はなかったんですが、その時に初めて可愛くなりたいと思ったんです。それから自分磨きをしていくと、可愛くなったねって友達に言われるようになって。恋は実りませんでしたが、今まであまり日本に馴染めなかった自分がきれいになる努力をすることで、初めて受け入れてもらえた瞬間でした。そこから、私のような女の子を綺麗にできるメイクアップアーティストになりたいと思うようになりました。

ー高校生の頃は、どんな学生でしたか?
高校時代は「人生イチ」の青春時代でしたね。
ダンスが好きだったこともあり、一目惚れしたチアダンス部に入部しました。部員同士とても仲が良くて、楽しすぎて勉強が疎かになった時期もありましたね(笑)勉強より、とにかく部活に全力な高校生だったと思います。

ー大学生での生活や印象的な経験を教えて下さい。
大学は第一志望校には受からず、同志社大学とメイク専門学校の2つに通いました。大学生活も楽しんでいましたが、ある日バスの中で「そうだ、ニューヨーク行こう。」と突然ひらめいて。京都ではなく(笑)本場のメイクを学びたいと自分で語学学校を決め、20歳の頃に一年間留学しました。
現地へ渡るとすぐ現地の著名なメイクアップアーティスト、Lindaのもとに飛び込みました!無謀な挑戦だと思っていましたがさすがNY。見ず知らずの私を受け入れてくれNYコレクションのショーでメイクを担当するという貴重な経験をすることができました。

Lindaさん(中央)と仁さん(右)📸

内定獲得したものの起業の道へ

ー大学卒業後、就活などはどのようにされましたか?
自分のメイクスキルを活かせる仕事がしたくて、化粧品会社にいくつか応募しました。その中でオーガニックハーブを使ったコスメを販売するベンチャー企業に内定をいただきました。
でも、思いがけないことがあってその会社には入社しなかったんです。

実は内定後に、友人からの紹介を受けて起業家コンテストに出場しました。
それまではプレゼンの経験もまったくなかったので、練習も兼ねてやってみようかなと。独学で調べながら準備を進め、東京都庁での最終審査を経て、観客賞と審査員投票の2つをいただきました。そこで都庁に来られた起業家の方などから起業を勧められたのですが、既に入社時期が迫っていて。親しい大人には起業はまだ早いと止められましたね。でも両親は、「後で後悔するくらいなら、失敗してでも今挑戦するべき」と背中を押してくれました。そこで決心がつき、起業することにしました。

ー起業されてから現在に至るまでの道のりを教えて下さい!
やはり美容業界で働きたかったので、まずは美容師の方に沢山会うことを目標にインタビューを始めました。その頃お客さんはお店に目を向けがちで、美容師さん個人にはあまりフォーカスされていないと感じていました。自分の記事を通して、美容師さん自信の魅力やスキルを知ってもらいたいという思いが大きかったです。段々美容業界の中でも知ってくださる方が増えて、嬉しかったですね。

自分がやりたい方向に進んでいる実感はある一方、課題もありました。当時インタビュー記事はWebサイトを通して投稿していましたが、メディアは形がない分お金にするまでが遠くて。資金がだんだん足りなくなっていきました。

そんな中、母の発酵技術を化粧品に応用することを思いつき、100%食材由来の「OMNIST-オムニスト」というスキンケアブランドを立ち上げました。現在はそれらの(株)JLINKの仕事をしながらも両親の会社である(株)マルセイの後を継ぐべく取締役として仕事をしています。

ー起業するうえで、大変だったことはありますか?
私は起業する前に組織には務めておらず、バイトの経験のみでした。なので初めの頃はお取引先に相手にされないことが多かったですね。女性社長もまだまだ珍しく、起業後も他の社長さんに過度な心配や反対をされました。しかしその中でも私の熱意ややる気を評価し応援してくださる方々もいて、そのおかげでお仕事をいただくこともあり、とても感謝しています。

株式会社マルセイさんのハーブティーを頂きました✨️

最後に

ー読者に向けてアドバイスやメッセージをお願いします!
自分の高校時代を振り返ると、両親と学校の先生以外の大人と触れ合う機会がなかったなと感じます。どんな形であれ、色んな大人の話を聞いたり、自分の意見に対してアドバイスを貰ったりすると、世の中に向ける視線が増えていくはずです。

学生時代は、自由を一番謳歌できるとても貴重な時間です。やりたいことはどんどんやってみるべきだと思います。学生であるうちは、周りの環境を変えることは中々難しいので、配られたカードで勝負するしかないんです。社会人になると、自分でカードを選べるときは来ます。それまでは、持っているカードを使えるだけ使って、後悔のないようにチャレンジしていってください!


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