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invaluable to each otherシリーズ短編

アトリエ部文芸展から
お題:敵
「かくれんぼ」(アミール視点)
ワンミシシッピ
隠れんぼのカウントはみんなこれ
楽しい筈なのに怖いんだ
ファイブミシシッピ
その頃には暗闇がだんだん迫ってきて
僕の耳に何かを囁きかける
お化けじゃない知らないもの
いつもは同じ場所に隠れるのに今日は違う場所に隠れたからいけないんだ
ねぇ、早く早く見つけて
テンミシシッピ
「見つけた」
僕はありったけの力を使って泣いた
「ごめんね、大好きだよ」
額にキスをされて抱き締められるまで安心出来ない。でもこうやって甘やかしてくれるなら見えない物に耐えるのもたまにはいい
見えない敵に打ち勝った代償として

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優しい言の葉から
お題:散
「夢は夢のままがいいなんて」(アミール視点)
口には出さないけど
この想いが散るのが
とても怖くてたまらなかった
君との繋がりが散ってしまう位なら
自分の想いなんて
この桜の花弁に混じって
消え去ればいいと思った
あと何回桜の季節が過ぎれば
本当の想いを君に吐き出せるだろうか
せめて今は君の唯一の理解者として
一番隣で寄り添っていたい

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創作主義から
お題:あなたの世界線で
「来世もまた二人で……」(レン君視点)
優しい人なんてこの世に何億人もいる
似ている人なんてこの世に何人かはいる
なのにどうして
貴方を選んだんだろう?
貴方は冗談っぽく笑いながらもしかしたら前世からの繋がりかもしれないよって言う
初めは信じなかったけど
これだけ結び付きが強い自分達はもしかしたら
『いつの時代でも離れる事のない運命の相手』
なのかもしれないって心がムズムズする
自分がもっと大人になったらこの複雑な感情は理解できるのだろうか?
好きだと言われて数年経過してもまだよく分からない

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