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前代未聞のアイドルに出会ってしまった話

2024年2月28日 ダイバーシティ東京
真冬とは思えないほどの晴天の中で、はじめて歌って踊る彼女たちを見た。
実はこのリリイベの1ヶ月ほど前に私は彼女たちの事務所の先輩である「BOYS AND MEN」に出戻りをしたばかりだった。

ボイメン兄さんたちがリリイベに参加することが発表され、本当にたまたま用事があって東京にいたこと、なおかつ夕方まで暇だったことなど色んな偶然が重なり、ダイバーシティで開催されていたデビュー当日のフリーライブへ参加することにした。
といっても、ダイバーシティのシンボルであるガンダムの足元のあたりからこっそり眺めていただけなので初現場とは言えないのだけれども。お金払ってないし。

「3年後、桜が咲く季節にSAKURA GURADUATIONを卒業する」
社長の口からそう発表された瞬間の静まり返った会場の空気を私はきっと一生忘れることは出来無いだろう。
前代未聞なんて銘打たれた詳細がそれか?
その場にいた全員が言葉を失うなかで、司会をしていた本田くんがゆっくりと言葉を選んで社長へ今後の展開を聞いていたのがあまりにも印象的だった。
ボイメンのオタクならばきっと分かるだろうが、元リーダーの黄金柱にはおしゃべりクソピンクだなんて呼ばれるほど弁が立ち、いつだって「1」を問えば「10」で返ってくるあの本田くんが、である。
そりゃそうだ。こんな発表、言葉1つの取り違えで彼女達の未来への希望が潰えることだって有り得るのだから。
そんな中で社長が紡ぐ言葉は、彼女達のことを何も知らない私ですら衝撃のあまりどこか上の空でしか聞けなくて、正直何を話していたか全く覚えていない。

さて、これが私とクラグラことSAKURA GURADUATIONとの出会いなのだけれどこんなにも衝撃的なことある?というのが本音である。

フォーチュンの女性アイドルグループといえば頭に浮かぶのはおとめボタン(小野小町)の姿。
おとボちゃんの現場には結局足を運ぶことが出来なかったけれど、彼女たちのことを考えると今も胸がチクリと痛む。2月28日の彩菜ちゃんのツイートを見て尚更にその思いは強くなった。

かれこれ人生の半分をドルヲタとして過ごしている身として、今までたくさんの卒業、解散、脱退を目の当たりにしてきた。

「永遠なんて存在しない」
私が人生ではじめてオタクと呼べるほど好きになったとあるグループで、初めてメンバーが脱退したときに、残されたメンバーがそんなことをポロリと零した。あまりにも衝撃的だったのを覚えてる。
そこで初めて自分が彼らに永遠という夢を押し付けていたことに気がついた。
始まりがあれば終わりが来ることなんて分かりきっている。当たり前だ。それでも、その時の私は永遠を本気で信じていた。
そんなオタクの願いも虚しく「大切なお知らせ」はある日突然やってくる。
その後も幾度となく解散や脱退を見届けてきたが何度経験しても「大事なお知らせ」の文字には慣れない。手は震えるし目の前は真っ暗になる。

この「大切なお知らせ」文字を見た時にオタクはいつだって無力だと痛感させられる。
私たちオタクに与えられている選択肢はいつだって2つしかない。
ステージに立つ彼ら・彼女らを応援するか、離れるか。ただそれだけなのだ。
彼ら・彼女らがステージを降りた時点で私たちには応援の手立てすら無くなる。
この先、目の前にいるこの人達がもう一度ステージの上に立つかすらも分からない。戻ってきたところで見たいと願っていた姿である保証は1ミリもない。大好きなあの曲もあのダンスもきっともう二度と見れない。
それどころかこれが最後だということすら知らされず「お知らせ」と共に突然ステージの上から忽然と消えることもあるんですよ、この世界。
この人たちがもっと大きなところに立つ姿を見たいと本気で思った最高のアリーナツアーの約10日後に突然メンバーの1人が脱退発表し、二度と全員揃った姿を見れないまま退所されたのが私のオタク人生最大のトラウマ。(界隈バレ)

なので正直、卒業とか解散の発表ってすごく優しいなぁとは思う。ちゃんと心の準備をさせてくれて、区切りを与えてくれるだけで全然違うじゃないですか。
でもね、桜は散るから美しいなんて言うけれど、散ることを最初から望む人間なんてどこにいるの?
永遠なんて存在しないと頭では分かっていても、結局私はいつまでもアイドルに“永遠”を夢見ているのだろう。

さて、そんな風に何度も卒業や脱退、解散を見届けても凝りもせずにアイドルを好きになり、アイドルを追いかける日々を送っているのは何故かと言われたら答えは出ない。
もはや病気。オタクって何をどう足掻いてもオタク以外になれないらしい。

話は逸れてしまったけれど、クラグラを知ったその時点で、私がこの子達を応援するのに残された時間はきっかり3年だと分かった。
それなりに長くなったオタク人生でも“卒業”が見えた状態で始まるオタ活は初めてだ。
「いつか行きたい」なんて悠長なことは言ってられない。
そんな気持ちに後押しされ、行けると分かった時点で7大都市ツアーのチケットを取った。

夜勤明けの身体に鞭打って電車に揺られいざ福岡!
正真正銘ぼっち現場。そもそも女子ドル現場いつぶりだ?
たぶんコロナ前のLinQ(福岡のご当地アイドル)のライブぶり。
諸事情あって開演に間に合わず、S席のチケット取ってたけど後ろで見てました。
勢いに任せてチケット取ったので正直なところ1人で現場に行くのめちゃくちゃ怖かったです!!
ただでさえ初現場ってどこに行っても緊張するのに、普段が客層の9割女性の現場に通っているもので……
でもいざ入ってみたら意外と女性の方も多くてこれまたびっくり。

初っ端のカバーソングメドレーで一気にグッと心を掴まれました。
どの年代の人も慣れ親しんだアイドルソングが次々に飛び出して自然と身体が揺れてしまう。
個人的にスタダとハロプロを通ってきたオタクなので怪盗少女と抱いてHold on meで崩れ落ちた。
イントロで全てを察して身体が固まった。どうしてもオタクのDNAに刻み込まれてるから……こればっかりは仕方ない

もっとちゃんと見たくて気がつけば空いている合間を縫って立ち見の最前あたりまで進んでいた。
SHISHAMOか?君と夏フェスなのか?(違うよ)
あの曲の歌詞で「随分前の方に来ちゃってたみたい~🎶」ってあるけど、ライブ見ててそんなことあるか?って思ってたんだよなぁ。でもあれはガチ。気づいたら最初に見てた位置よりもめっちゃ前の方に居た。身をもって体験しました。

ムーンライト伝説でコスプレして出てきた瞬間本ッッッッ当に心の底から「好き」が漏れ出た
魔法少女が嫌いな女の子なんて居るわけないじゃん!
もちろんおジャ魔女どれみもふたりはプリキュアもド世代ですからね……。年齢バレちゃうな笑
はなちゃんになりたかった幼少期でしたね。
ピーリカピリララポポリなぺーぺると!って言ってたね。
プリキュアの「女の子だって暴れたい!」がキャッチコピーなの絶対に今の20代の女の子たちの潜在意識に大きな影響与えてるからね。
関係ないけどおジャ魔女カーニバルとプリキュア5GoGoが私のカラオケの十八番です(?)

あとコスサミの映像でオリジナル版のWe can startが使われていたけど平松さんの声が聞こえた瞬間に息を飲んだ
こんなとこで平松さんの声聴くと思わないじゃん
かと思ったら、平松さんの振り付けをクラグラちゃんが踊っててオタクは撃沈した
絶対にあの会場で私が誰よりもあの曲で取り乱してた自信ある
本当にめちゃくちゃ嬉しかったです。
だからWe can start!!のダンプラ上がった時、クラグラちゃん専用の振り付けに変わってて本当はちょっぴり寂しい気持ちだった。
でもあれはあれでめちゃくちゃ可愛いんだよな~~~!!
誰でも真似しやすいし、ターンがたくさん入ることでコスプレで踊ったら衣装のひらみとか絶対に映える振り付けになっててさ。
元々がニコ厨なので踊ってみたという文化が好きでして。コスプレも見るの好きだから、コスプレの踊ってみた動画とかもめちゃくちゃ見てた。あとMMDとかも大好き。
来年もコスサミのアンバサダーやってくれますか……?来年は会場で見たいです( ߹ᯅ߹ )‪

さて、隅から隅まで致死量のカワイイを摂取して瀕死だったんですがひとりひとりの感想も少しだけ。

Liliちゃん
りりちゃんの魅力をギャップだなんて一言で表すにはさすがに言葉が足りなさすぎる。あんなにもそれぞれの曲でガラリと雰囲気が変わるのも、お話しだしたらまわりにぽわんとお花が咲くみたいな可愛らしい一面も素敵だった。
ところで抱いてHold on meで16ビート刻んでました?ハロプロを通った女としては外せない視点なんですが……

Airaちゃん
本当に最年少かと疑うほどにステージングが堂々としてるから思わず目が奪われる存在。
あと、あいらちゃん本当にスタイル良すぎてビビる。手足が長いからきっと余計にダンスのダイナミックさが映えるんだなぁ。
10代のしゃかりきさが眩しくてアラサーオタクは悶えています。

Aoiちゃん
本当に最年少か?って多分これから何度でも言う(確定事項)
あの小さな身体からパワフルな歌声が響き渡るの本当に見てて元気になる
抱いてHold on meの「ねぇ笑って?」があまりにも無邪気で思わずこちらがにっこり( ◜ᴗ◝ )なるほど、これはハロプロには絶対出せない色だ……。
あと、めちゃくちゃ顔がタイプです

Anonちゃん
端正なお顔と曲によって印象が変わる歌声がとっても魅力的!
元バンドマンで尚且つ民謡が得意というだけあって表現の引き出しが豊富だなぁという印象。まじでこれはめちゃくちゃ武器だと思います。
たぶんもっとたくさんの曲が増えていったら絶対にもっと違う魅力が現れるんだろうなぁ。これからが楽しみだね!

Hitomiちゃん
今回、いちばん印象が変わったのがひとみちゃんかもしれない。
めちゃくちゃ「艶」を感じた。シゲキテキとかの印象が強かったせいかクラグラちゃんってみんな元気で活発なイメージ強くて……。
フラダンスが得意なだけあってしなやか動きがめちゃくちゃ綺麗。かわいさとか っこよさの中にそこはかとない「艶」が 見え隠れしてて見惚れてしまった。

Mireiちゃん
The正統派アイドル!この一言に尽きる。
一挙手一投足すべてがアイドルすぎる。自分の魅せ方や武器をすごくよく分かってるなぁって印象
アイドルになってくれて本当にありがとう。絶対に天職だと思います。
にしても、あそこまで的確にレスで人を打ち抜ける人なかなか居ないよ!?マジですごい。

さて、ここからはめちゃくちゃ個人的な話。
オタクの自分語りなんて見たくないと思うので、興味のない方は回れ右してください。
興味のある方は私の脳内覗いてキモイな~って思ってください。

クラグラちゃんのライブを見ていると、何故か泣いてしまうんですがどうしてなんだろうか。
ここだけの話、実は初めて見たダイバーシティでもう既に泣いていたのだけれどさすがにキモすぎるのでこれは私とこれを読んでるあなただけの秘密にしてくださいね?絶対内緒です。

私は最近話題のオーディション番組がどうしても苦手だ。プデュ系なんかは特にそう。日プ2だけはとある推しと仲良しのダンサーさんがメンバーに選ばれたことを知り、結果が全て出てINIとしてデビューしたあとに見ました。
見たからこそ言えるけど、リアルタイムで投じる私の1票がその場にいるあの子達の未来を決めてしまうことが本当に怖くて仕方ない。
なのでクラグラの結成のきっかけとなった「今日でアイドル辞めます」も実はまったく見たことがない。
どんな形式のオーディションだったのかはふんわりと聞いたことがあるからプデュとは違い私たちに裁量がないことも分かっていたし、そもそもいま私が見たってオーディションは終わっているのだから結果は変わらないのだけれど、それでも見ることが出来なかった。
だから、正直なところ曲はおろか名前や顔も分からずリリイベに参加した。今考えればめちゃくちゃ失礼で本当に申し訳ない。
その時の私は彼女たちがどんな道を歩んで、どうやってオーディションを勝ち上がり、どんな思いでそこに立ってるかなんて何にも知らないままダイバーシティの踊り場で作られたステージをぼんやりと眺めていた。
それなのに彼女達のパフォーマンスを見てボロボロと涙が溢れて止まらなくなったのだ。年々涙腺がゆるくなっている自覚はあるがさすがにキモオタムーブすぎる。

でも今なら分かる。きっと彼女たちがあまりにも眩しかったから。私の目には夢を追いかける姿があまりにも一生懸命でキラキラと輝いて見えたから。
私には、6人の全てが眩しすぎた。

私はアイドルに“夢”を見ている。
これについては前にほんのちょこっとだけ書いたことある。このnoteのどこかに推しに向けた感情を紐解きたくて書いた激重キモオタ文学があります。自分で言っといてなんですが全然読まなくて大丈夫です。探さないでください(?)

その時にも書いたけれど、たぶんこれは一種の自己投影なんだと思う。
私に無いものをたくさん持っている“アイドル”という存在に、自分が手を伸ばすことすら諦めたものや未練、一生懸命にひとつの目標を追うひたむきさ、そういうキラキラした感情も、ここには書けないもっと複雑で自分勝手な感情も全てを勝手に託して応援してる。
オタクとは身勝手な生き物だというのが私の持論。
もしかしたらこの感情は本当は純粋な応援でもなんでもなくて、「依存」に近いのかもしれない。

何者にもなれなかった自分が誰かを応援することで何者かになったつもりになりたかったのかも、なんてことを考えしまったり。
大人になればなるほどアイドルをアイドルとして“消費”することの怖さなんかも考えちゃったり。
ただまっすぐに受け取ればいいだけなのに本当に余計なことばっかり。

でも、クラグラの6人を見ているとそんな私の中の薄暗い感情なんて全てが無意味に思えてくる。
彼女たちが振りまくキラキラをただ眺めているだけで全てが満たされていくような気がするのだ。

CANDY TOWERを初めて歌詞も含めてしっかりと聞いたとき、ボロボロと涙が溢れて止まらなかった。泣きすぎじゃない?って私も思うけど勝手に涙が零れるんだから仕方ないじゃん?

キャンタワの歌詞をひとつひとつ拾いあげて大事に胸の中にしまっていく度に、たくさんの感情が巡った。
私はたぶん自分を好きになりたかったんだなぁ
たぶんね、認めてあげたかった。
歪で不完全で大嫌いな本当の自分を丸ごと肯定してあげたかったのかもしれない。
かわいい女の子になれなくても、しっかりとした大人になりきれなくても、今までたくさん否定して、今までたくさん自分で傷つけてきた自分自身を本当は抱きしめてあげたかったのかなぁって。
この曲を聴く度にほんの少しだけ、大嫌いな自分を認めるための背中を押して貰えるような気がしてる。

さて今回のツアー福岡で「オタクもメンバーもお互いにクラグラを知らなかった頃には戻れない(意訳)」とみれいちゃんが言っていた
私はこの言葉を聴きながらa kind of loveという曲の歌詞を思い出していた。

タイトルからわかるようにこれは「ある種の愛」の歌なのだけれど、私は初めてこの曲を聞いた時からずっとこれをオタクとしての信条としていたりする。
この曲の歌詞にもある通り、きっと私がファンとしてそこに居ても居なくても推しの世界は変わらずに回り続けるし、逆に推しを知らない世界線でも私はそれなりにハッピーに生きてるんだろうけど、それでも私は貴方達を知ったこの世界がなによりも愛おしくて大好きなのだ。
ほんの少しでもタイミングが違えばもしかしたら出会えなかったかもしれない。
きっとこれは何かの縁。

それにしても、みれいちゃんの言葉ってどうしてこんなにもまっすぐに響くんだろう。
それはたぶん彼女がその場にいるひとりひとりに向けて言葉を投げかけているからなんだと思う。
その場にいる全員を相手にしながら、そのひとりひとりに真正面から向き合って言葉をかけてくれているような気がするのだ。それを愛と呼ばずしてなんと呼ぶのだろう。
ああ、きっとこのグループはもっともっとたくさんの人に愛されるんだろうなと思わずにはいられなかった。

さて、あまりにもまとまりの無い文章でこれを公開しても良いものかどうか悩みに悩んで8月末である。
6月の公演ですよね?遅筆にもほどがある。
後半になるにつれてオタクの激重自分語りのオンパレードでここまで読んでくれた方が居るのかどうかも疑わしい。
読んでくれたあなたへ最大の感謝と謝罪を。
初現場でたくさん感じたクラグラちゃんの魅力を伝えたくて書き出したはずなのに本当にすみません。

だらだらと色々書きましたがツアー福岡公演、本当に本当に楽しかったです!
もっと大きな会場でたくさんのスポットライトとピンクのペンライトに彩られた空間に包まれる6人を見たいというのが今いちばんの大きな感情。
そして、私の中の小さな目標は「名古屋でクラグラちゃんを見ること」です。早めに実現させたいのでそれまでお仕事頑張ります。
九州にもまた来てね!!

おわり。

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