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絵本 かべのむこうになにがあるの?

これもまたテッケントラップさんの絵本です。

前に読んだことがあるなぁ、と思ったのですが、書いてなかったっぽいので改めて。
壁があることで安心感を得るのは心理的要素が大きいからでしょうか。ここから、というはっきりとした線を決め、決まり事をすることで視覚的にも明白になるから良いこともあるんでしょう。囲まれた世界のみだけだと諦めやすくなる、現状維持がもっぱらでそれ以上を望まなくなる。
しかし、築かれた壁は一方には都合の良いものかもしれませんが、もう一方からすれば絶望にもなり得るということ。自ら築いたにも関わらず年月が経つことでそれが枷になること。
外の世界を知りたい、と思うネズミと、現状に問題を抱かないものもいれば、現状維持でいいと思うもの。壁の中でもいろんな考えの人たちがいます。みんなで一方向を見るというのは不可能に近いことです。
しかし、鳥がネズミを外の世界へと連れ出し、外からまた内を見ることによって状況は変わっていきます。
この絵本は、内観と俯瞰のお話とも言えます。内観ばかりしていると物事はひどく限られて疲弊していく。俯瞰をしてばかりだと、空をつかむように自分という存在があやふやになる。両方がバランスよく必要です。
今回はネズミが思い切って外へ飛び出し俯瞰し、それをみんなに伝えることで状況が変わっていきます。
どこかで何かが引っ掛かる時、内観と俯瞰のバランスが崩れている時もしくは崩れようとしている時なのかもしれません。
この絵本を読んで、ふと、今の自分はどうなんだろうな、って思い返して欲しいなとも思います。

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