絵本 迷子の魂
とてもいい絵本だなぁと思います。
魂がなくても、人はそれなりに生きていける。
けれど、ある日、動けなくなる。
それはまるで鬱病のようだなぁ、とも思いつつ。
自分の本当は今何をしたいのか、を、無視し続けるとそうなるように。
男はずっと待ち続ける。
何をしたいかわからなくなってしまった自分を。
ずっとずっと。
自分の本当の有り様が魂と呼ばれるものであるのなら、きっと、何もしないでただ意味なく過ごす魂もあるんだろうな、とか。
きっと、意味を持たせようとし過ぎるから、魂というものが大したもののように思えてくるけれど、本当はごく自然にありふれた石となんら変わらないんだろうな、とか。
その転がっている石は誰かにとっては宝物、大半にとってはただの石であるように。
とか。
なんか、一気に書いちゃいましたが、まさに、ほら、塩田千春さんの展覧会でも魂がクローズアップされている自分にとっては、個性的な人の著者がその前に書いた作品が気になって、なんとなく読んだらこんな本だったわけで、ドンピシャ。手繰り寄せてるなぁ、って気がします。
まぁ自分が一番気になるのがその魂の行方なわけだけれども。
それは残念ながらまだしっくりくる答えはなく。
けれど、面白いな、って思いました。魂の誕生。
この著者がなにかにインスパイアされてそう書いたのか、それとも何かあるのか。
わかんないけれど。
なんかへんに納得。
と、同時に、魂=自分の本音を大事にしよう、とも改めて。
魂と向かい合う。そうすることで、転がる人生もあるのかな。
とか、へんにスピリチュアルに転がっちゃうけれど、文章がところどころに散リナがらも1ページにぎゅっとかたまったり、絵だけで間を持たせる感じが、時の経過を感じさせたり。
表現として、やはりとてもいいなぁ、と思います。
忙しい人やゆっくり休んでほしい人に送ってもいいかも。
おすすめの一冊です。
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