4.フレンズ ミッシェル・ガン・エレファント
4冊目はこちら。
『フレンズ ミッシェル・ガン・エレファント』佐内正史
この写真集との出会いが、私にとっての写真という概念をガラリと変えてくれた一冊。本当に、大きかったと思う。
当時、好きだったバンドが写真集を出すというので購入したわけです。
もちろん、バンドの写真集なわけで、男前の彼らが詰め込まれたものなのかな、なんて思ってたわけです。そう、当時の私の写真という概念といえば、雑誌で見るものや本屋さんで積まれているような写真集のイメージ。ばっちし決めてる感じ。
ドキドキしながら、ページをめくると、、あれ?何だこれは??
これ、写真集?ミッシェルの??
となったわけで、一度目を通して、パタン、と閉じました。
なんかよくわかんないもの見ちゃったな、ってな感じです。
けれど、またしばらくしてから開いてみた時に、なんかいいな、って思えてきて。
ぼーっとしながら捲るのがちょうどいい、というかな。
高揚感とか全くなく、あるとすれば、ライブのいっちゃっててる感じの写真に少しふふって笑うくらい。
そこにはライブという旅の日常の空気があって。
あぁ、写真ってこういうのか、ただポーズ決めて写ってるのが写真じゃないんやん、日常の一瞬、無意識を映しだすものこそそばに置いておきたい写真なんかも。って、気づいたのはいつかはわかんないけれど、今振り返ると、そう無意識で気づいたからこそ、高3でカメラに興味を持ち、写真を撮り出したんでしょうね。
ほんと、振り返ると、これがきっかけの一つだったんだろうな、って。
当時は、ヒロミックスとかも出てきて、写真ブームもあったのかな、高3で同じクラスのコがカメラ好きで、もう一人の友達と一緒に写真を撮りまくってたの覚えてる。
あの当時に比べたら、格段に撮る枚数は減ってしまったし、デジカメを持ちつつも、ついさっと出せるスマホで撮って終わらせてしまう。
けれど、まぁなんせよ、写真は無意識を炙り出す一つのツールでもあり、一瞬の永遠を捉えるものでもあるのかな、と。
色々、色が簡単に素人でもいじれたり、デジタルで加工もできるようになって、もうそれもはや写真じゃないやん、って思う昨今だけれども。
それでもやはり写真という媒体の魅力は尽きることがないなって思う。
良い写真集に出会うと心地いいもんね。
そんな私にとって、写真という概念を変えてくれた一冊です、この本。
彼らを好きじゃなきゃ出逢えてなかった、そういう意味でも、ミッシェルっていうのは私にとって金字塔的な存在であり、この写真集を撮った佐内さんのことも相変わらず気になり続ける存在です。
*********
オンライン古書店してます。
こちらで販売中。