「飲みニケーションは必要か?」に対する「必要」の割合を、以下のように5年前まで遡って時系列でみると、昨年までは比較的緩やかな減少傾向にあったものが、昨年から今年にかけては急落しています。
2021年:38.2%
2020年:54.3%
2019年:57.3%
2018年:53.6%
2017年:62.0%
飲みニケーションという表現には、単に職場の同僚との親交を深めるというだけでなく、職場の人間関係に対して、家族主義的な価値観からなる全人的(身体・心理・社会的立場などあらゆる面)な関わり方を求め、密接な関係構築を目指す意図を含んでいるようにも受け取れます。
飲みニケーションという表現には、単に職場の同僚との親交を深めるというだけでなく、職場の人間関係に対して、家族主義的な価値観からなる全人的(身体・心理・社会的立場などあらゆる面)な関わり方を求め、密接な関係構築を目指す意図を含んでいるようにも受け取れます。
リモートワーク+コロナ禍で会食自粛の生活が1年半にわたって続いたことで、仕事上のコミュニケーションを円滑に進めるための工夫を重ねるなか、コロナ以前にはアルコールを介した全人的なコミュニケーションを求める、いわば「昭和型」の働き方を必要悪として受け入れてきた方々も判断を変えることになったのではないかと思われます。
女性に「飲みニケーション」を不要とする人が多い理由は?
不要とする理由の最上位にあげられる「気を遣うから」は、男性に比べ僅かながら女性の方が高くなっています。こうした意識の違いの背景には、周囲や女性自身のなかで、気遣いを求める(求められていると感じる)意識が根強く残っていることがあると思われます。
また、家事負担が女性に偏る状況が続いているとすれば、就業時間外も忙しい女性にとって、上司や同僚とのコミュニケーションは職場の中で十分であり、時間外まで対応を求められたくはない、という考えもあるのではないでしょうか。男女を問わず勤務時間以外のプライベートの生活の充実を志向する方も同様かと思われます。
強制参加の飲み会は時代にそぐわないと淘汰も
「飲みニケーション」の今後はどうなっていく?
就業時間外に事実上の強制参加となるような飲み会は時流にそぐわないものとして淘汰されていくことになるものと思われます。仕事を円滑に進める上では、上司や同僚との相互理解を図ることが重要であることに変わりはありませんが、勤務時間中の通常のコミュニケーションのなかで創意工夫をこらしていくことが求められるでしょう。