兵庫県が、県の外郭団体の役員などに就いている65歳以上の県職員OB56人に対し、本年度末までの退職を求めたことが、県への取材で分かった。県の内規は65歳での退職を定めているが、慣例的に延長されていたといい、制度の適正化を図るという。
県によると、県の外郭団体は、県職員のOBが再就職した場合、65歳で再雇用を原則打ち切る規定になっている。専門的な業務に当たるなどの理由があれば延長しているが、慣例的に再雇用を続けているケースが常態化していたという。
県が退職を求めた56人のうち、外郭団体の役員などとして大半が報酬を得ており、最も多い人で年収は約700万円。一方、十数人は無報酬という。県の担当者は「業務以上にポストが増えていた。これまで曖昧になっていた部分の適正化を進める」と説明している。
8月に就任した斎藤元彦知事は11月末、神戸新聞のインタビューに応じ、県の外郭団体について、「兵庫でも時代に合わせて見直すことは必要」として、外郭団体の整理も視野に検討する意向も示している。(紺野大樹)