一度も有罪判決が出てないジャニーさんを犯罪者呼ばわりするのは人権侵害→でも、その先頭に立ったの旧ジャニーズだよね?JapanesemapleJapanesemaple2024年4月29日 15:18PDF魚拓


もう、なし崩しでみんな(文句つけてた方面筆頭に)使ってるので、ジャニーズ全面的に使っちゃいます。


ジャニーさんに対して、一度も警察に被害届が出されていない、裁判起こされた事もない、証拠も(岡本カウアンさんが持っていると主張する動画を除くと)ない、あるのは昔からの噂と被害を訴える人たちの証言だけ。
ジャニー喜多川の性加害は立証されていない。
それ以前に、客観的調査を誰も行っていない。
被害証言を聞いて報告書まとめたってのは、客観的調査とは言わない。

いわゆるジャニヲタと呼ばれる方たちの言ってる事は正論です。

法的にはジャニーさんはまだ推定無罪の状態です。
何度も何度も言うけど、これは擁護でも何でもなく「客観的事実」。

【補足】
これも、過去に何回も何回も書いたし、多くの人がいろんなところで指摘してるのに、頑なに耳を貸さない、と言うより、コレ受け入れたくないんだろうなあと思う人たちがいるけど、

「文春を名誉毀損で訴えた民事裁判で認められたのは、被害証言の真実相当性(信じるに足るだけの説得力がある)であって、真実性(事実である)ではない。また、名誉毀損かどうかを争う裁判なので、性加害があったかどうかの捜査や調査は行われてない=立証はされてない。だからジャニーさんは逮捕されてない。裁判官が刑事告訴を勧めたけど、被害者(とされる人)は告訴も警察へ被害届を出す事もしなかった。だから警察も動かなかった」

つまり、「昔の裁判で有罪判決が出たのに当時の警察もメディアもスルーした」というのは間違い、と言うより意図的に印象操作する目的で語られてる事だと思います。
昔の裁判で事実認定された、というのがギリギリ嘘にならないラインかと。担当の裁判官が被害証言に信憑性があると認めて、セクハラ行為はあったと判決文に書いたのは事実なので。でも、その裁判官が信じた=客観的に立証された、ではない。起訴、更に有罪判決、処罰まで行くなら客観的立証は必ず必要です。
【補足終わり】


法的手続きを一切踏まないまま、客観的調査も立証もないまま誰かを犯罪者呼ばわりするのは間違いなく人権侵害です。
結果的にジャニーさんにかけられてる疑惑が事実だったとしても。
それが法治主義です。
これは絶対に蔑ろにしてはいけない。
https://note.com/tk2to/n/n0dccf4559139
↑この記事、とてもとても大切な事が書かれてます。


ついでに言うと、岡本さんが持っていると言いつつ文春にさえも見せた事がない幻の証拠の動画以外、ジャニーさんを有罪に出来るだけの材料は今のところありません。
故人だから、時効だから、というのを抜きにして、仮に今ジャニーさんを起訴出来たとして、法廷で何百人、何千人の被害者が証言台に立ったとしても、今ある材料で有罪判決出せる裁判官はいないと思う。
いや、これで出せたら驚く。

そんな状況なのに、なぜか世間ではすっかりジャニーさんは犯罪者と確定されてる。
調査の結果判明した事になってる。

・・・なってないからね。


BBC様も、国連人権理事会(の作業部会)様も、再発防止特別チームも
「被害を訴えている人の証言をまとめただけ」
だから。

慰安婦問題のクマラスワミ報告と同じです。


でも実態はそうでも、「BBC」「国連人権理事会」「第三者委員会(再発防止特別チーム)」という権威や肩書きがくっついてくると、「調査の結果、立証された!」と思い込んでしまう。

危険な現象です。

これを、発信する側が分かっててやるのがプロパガンダ。

プロパガンダの危険性を1番よく知ってる国の一つが日本だと思うんですけどね。
ほら、大戦中の「大本営発表」というやつ、あれで嫌というほど学んだはずでしょ?痛い目遭ったはずでしょ?
私含め、戦後生まれの人も聞いたことあるよね?



BBC様の「性加害はあった!」


国連人権理事会様の「性加害はあった!」
【注】国連人権理事会の作業部会メンバーの名誉のために。彼らは断言はしてません。ヒアリングの結果「疑惑」が明らかになったと発言してます。それを、当事者の会の石丸副会長が勝手に「国連が性加害を事実認定した!」と言っただけ。


第三者委員会(再発防止特別チーム)様の「性加害はあった!」


これら全て「大本営発表」みたいなものですので。
国民が大本営という権威を前に思考停止で受け入れてくれたらいいなあ、何の疑問も持たず鵜呑みにしてくれたら嬉しいなあ、って感じのものですので。



その大本営発表的なアレコレに疑問を持って鵜呑みにしないのが、いわゆるジャニヲタさんたち。

ちなみに、一般にジャニヲタとは蔑称らしいのですが、私は本心から敬意を込めて使わせてもらってます。
だって、ジャニヲタと呼ばれてる方たちの記憶力、検証能力、分析力、優秀な探偵並みですもん。
だからこそ、一部のメディア関係者、一部の被害者とされている方々、一部のスポンサー企業、そしてジャニアンチ、ジャニ利権を狙ってる団体から疎まれてるんだと思います。

ジャニヲタさんたち、彼らの痛いとこ突くもん。


でもね、そんな尊敬するジャニヲタさんたちに1つだけ抜け落ちてる視点があると思うの。

今なお法的には推定無罪のジャニーさんを犯罪者呼ばわりする、その人権侵害の先頭に立ってるのは他ならぬ旧ジャニーズの面々だって事。



ジャニー喜多川がそんな事してたなんて知らなかった
 →だよね?じゃなきゃ、あんなにジャニーさんジャニーさんって慕わないよね

第三者委員会が行ったヒアリング調査以上の調査は行わない
 →ん?何で?

でも性加害の事実はあった
 →は?どっからその結論出てきた?

法を超えた補償をする
 →どゆこと?

在籍確認はする
 →当然だよね。最低限それは必要だよね。

メディアに叩かれたから、在籍確認できなくても補償する
 →オイオイ。どこまで行くねん。キリないよ。

このような、旧ジャニーズの自称「誠意ある対応」の結果、誰のどの話がどこまで事実か有耶無耶なまま、ジャニー喜多川氏は少なくとも数百人の少年を襲ったおぞましい性犯罪者の烙印を押されてしまいましたとさ。



・・・これ、怖くないですか?


よく知らない人に、ある日突然証拠もなく犯罪者呼ばわりされる。

これはまだわかる、というかあり得る。

でも、よく知ってる身内(またはそれに近い人)から「ウチの○○がそんな事してたなんて知らなかったっス、証拠はないみたいっス、でもなんか偉い人たちがあったあったと口々に言うし、被害者もいっぱい出て来てるんであったと思うっス!」
って軽〜いノリで認められたら。

で、レシート無くても名乗り出てきた人には返金しま〜す!というどこぞのスーパーみたいに大盤振る舞いされたら。
売り上げ以上の額の返金要求があって、どう見ても便乗犯混じってるのにどんどんお金ばら撒かれて、実際以上の状況証拠をどんどん後追いで身内に作られたら。

あなたやあなたの家族にそんな事が起こったらどうします?



私なら、そんな奴が身内に居たらボコボコにします。

調べもしないで勝手に認めてんじゃねーよ、お前に何の権利があって勝手に他人を犯罪者に仕立ててんだよ。いくら身内だからってそんな権限テメーにあんのかよ。

言葉悪くてゴメンナサイ。リアルではこんな口のきき方絶対にしませんが、これくらいの心境だという表現です。

いやホント、本当に身内であるジュリーさんはまだしも、「知らなかった」と言いながら「鬼畜の所業」だの「恐ろしい空気があった」だの後付けで世論に媚びるような発言を繰り返した東山さんと井ノ原さん、

「お前ら何の権利があって、知らなかったと言い張りながら、調べもせず他人を勝手に犯罪者に仕立ててんだよ!本当に知らなかったんなら、最低限調べろや!知ってたんなら正直に知ってたと自白してまず自分の罪を認めてからジャニー喜多川を糾弾しろや!」

本当に知らなかった、これ以上の調査もしないと言うなら、勝手に事実認定なんかしちゃダメだよね。
いくら師匠と弟子という関係であろうが、創業者と現経営者という間柄であろうが、もっと言えば血の繋がった親族であろうが、一人一人独立した人格を持った個人ですよ。

誰であろうと、なんの証拠もなく、十分な調査、立証もなく、誰かを断罪する権利はない。
身内だから貶めても許される、なんて事はない。

自分が泥を被る事と、自分とは別の人格を持つ別の誰かに泥を被らせる事は同じじゃない。どんなに近しい間柄の人であろうと。身内であろうと。

そこを履き違えてはいけない。



更に更に。

元旧ジャニーズ(ややこしいな)のタレントの皆さん。ジャニーさんを直接知らない若い世代は別として、あれだけジャニーさんジャニーさんって楽しそうに話してたのに、尊敬してる、感謝してるって言ってたのに。
競うようにジャニーさんエピソードを披露してたのに。

・・・分が悪くなるとダンマリかよ。
あんなに慕って感謝してた恩師が、証拠もなく一方的な被害証言だけでおぞましい性犯罪者呼ばわりされてるのを黙って見てるのかよ。
バッシング覚悟で、もはや反論できない恩師のために立ち上がって反論するヤツ1人も出て来ねーのかよ。

皆さん、被害に遭ってないんですよね。被害に遭ってないと言ったら被害者に配慮して黙ってろ!と言われたからといって引っ込む事ないです。
皆さんにも証言する権利はある。被害を訴えてる方だけが証言を許されるなんておかしい話です。
自分は被害に遭ってないし、そんな話聞いた事もない。顔出しで動画出してそう証言されてる元ジュニアの方、何人もいますよね。
被害を訴えてる人の証言も、遭ってないという人の証言もどちらも尊重されるべきです。
別に、立場の違う人の証言を否定する必要ない。
被害に遭ってて、それを話したくない人も話す必要ないです。
でも、本当に被害に遭ってないと泣きながら訴えた現役タレントさん、いるんですよね。
なんでそういう人が黙らされないといけないのか。
なぜ黙ってしまうのか。


本当は知ってたから?知らなかったけど、そう言われりゃあそういう事やりそうな人だったよなあ、って思ってるって事?
だったら、ジャニーさんジャニーさんって口々に言ってたアレは何?何だったん?
BBCが便利に捻り出してくれたグルーミングとか洗脳とかいうヤツですか?今はそれが解けたって事ですか?
そんな人が全く居ないとは言えないけど、全員洗脳されてたってのはさすがに無理があるでしょ。
あれ?旧ジャニのタレントさんたちって全員世間から隔離されてたんでしたっけ?
旧事務所に軟禁でもされてましたっけ?



ジャニヲタさんたちが指摘されてる事はごもっともです。

今の日本社会はどっかおかしいです。
当たり前の事が当たり前に通らない。
メディアが情報を切り貼りし、自分たちの意に沿うようにコントロールして世論を扇動している。
ジャニヲタさんたちのように扇動されない人たちはカルトとレッテルを貼られ、隅に追いやられる。

今でこそ当事者の会っておかしいよねっていうのが浸透してきたけど、最初の頃はジャニヲタの皆さんがそれを言うと、セカンドレイプ、誹謗中傷と言論封殺されてました。ちゃんと根拠や証拠を示して矛盾点を指摘してたにもかかわらず。

当事者の会やそこから抜けた方々のバックに、慰安婦支援団体や反日左翼やいろんな疑惑を持たれてる団体が見え隠れしてる事もようやく認知されるようになってきた。
ジュリーさん以上に色々知ってるはずの滝沢さんや飯島さんに、メディアがなぜか及び腰なのも疑問視されるようになってきた。

ずっと、ジャニヲタさんたちが早くから気づいて指摘してた事です。


そんな鋭いジャニヲタさんたちの矛先が唯一鈍るのが旧ジャニーズ。

NHKやサントリーのやってる事が人権侵害なのは当然として、その種を撒いたのは誰?
NHKやサントリーの人権侵害を正当化させてる張本人は誰ですか?

旧ジャニーズの役員やタレントさんたちじゃない?
ジャニーさんを率先して犯罪者に仕立て上げたの、旧ジャニーズの人たちじゃない?
メディアもテレビ局もスポンサー企業もアンチや乗っ取り屋もそれに乗っかっただけじゃない?



歴史的な出来事って、後世に必ずいつか検証される。
通説と呼ばれて信じられてきたものが、新たな研究で根底からひっくり返る事もよくある。

ジャニー喜多川事件もいつか後世の人に検証されると思う。
その時、(ジャニーさん疑惑の結論が有罪なのか冤罪なのかにかかわらず)、司法を通さず犯罪者呼ばわりした人権侵害の主犯と判定されるのは、旧ジャニーズだろうと予想している。

一度も有罪判決が出てないジャニーさんを犯罪者呼ばわりするのは人権侵害→でも、その先頭に立ったの旧ジャニーズだよね?
Japanesemaple

2024年4月29日 15:18


喜多川氏による性加害が起きたことを前提に、事務所の過去の対応、ガバナンスの問題点を厳正に検討していく
「再発防止チーム」の提言が終了 「ジャニーズ性加害問題」 “落とし所”はどこにある?(再掲)

──これである。中立性など最初から無いと認めているわけだ。
 だから筆者はこれを“第三者委員会”と呼ばないことにしている。

 かといって、無意味だとか捏造だとか言いたいわけではない。外部チームによる事実認定は、恐らく事務所側も必要としたものだからだ。
 『事実』とは相の異なる、『事実認定』が。

□『事務所が認めてる』

 少なくとも外部の視点からいくと、性加害の有無は今のところは闇の中である。警察や検察がノータッチなのだから有ったと言える根拠が無い。

(当事者の会が刑事告発の意向とのニュースもあり、そのような裁判が行われれば明らかになるかも知れないが)

 現時点では『あったかも知れないし無かったかも知れない』。事実性は不確かである。
 これを踏まえて話を進めよう──不確かだからで終わらせるつもりはない

 刑事罰という側面では先述の通り『疑わしきは罰せず』だ。これを崩すことにはあまりに多くの問題がある。
 しかしだからといって被害者が泣き寝入りしなければいけないわけではない。刑事ではなく民事、すなわち『当事者間の交渉や妥結』を目指すなら、事実は必ずしも明らかでなくて良いからだ。

 民事などというと堅苦しいので、家族間などの日常的ないさかいを想定して欲しい。
 Cが大切にしている食器が割れてしまった。CはDが割ったと言い、Dはその事実を否定した。
 この時、Dが割ったか否かをいちいち警察に調べてもらいはしないだろう。事実は(第三者からみれば)闇の中である。

 それでも、落ち込んでいるCのために新しい食器を探したりプレゼントしたりは可能だ。同じものは手に入らなくても何らかの弁済はできよう。
 Cを元気づけるために必要なら、Dは『割ったのは自分じゃないんだけど』と思いつつ謝ったりお金を出したりするかも知れない。

 この時に必要なのは事実ではなく事実認定﹅﹅だ。Dは割っていてもいなくても(この路線でCD間の和解を図るならば)割ったと認めなければCの慰撫にならない。
 悲しい・腹立たしい事態をおさめて平穏な日常を取り戻すにはこうした建前が求められることもある。

 『性加害が有ったという事実認定』を双方が受け入れ、双方が納得する落とし所を探るならば当事者間の話である。口を挟むつもりはない。

 ただしこのことも、裁判所の真実性認定と同じく『性加害が有ったという事実』を証明はしない。事実認定と事実とはノットイコールだ

 上のいさかいの例に戻ると、謝ることはDの義務ではないだろう。
 Cをどう思うのか、また事実と異なる事実認定をDがどう捉えるのか。場合によっては『自分は絶対にやってない』と事実認定を拒むかも知れないし、それを罪と断じることも難しい。誰だってやってもいないことをやったことにされたくはないのだから。
 事務所はそのような姿勢を取らなかった。事実認定を受容した。

 そのことをプラスに評価しろと言うのではない。事実認定を事実とみなすのは単純に誤りだと言っている。
 客観的にはもちろん、感情的にも受け入れがたいだろう──例えばDが、家族ではない誰かから『Cに酷いことをしたお前は犯罪者だ、刑事的責任を取れ』などと言われた場合を想像すれば。



◆“社会的制裁”をなんと呼ぼうとも

 性加害の事実は現時点で未確認であり、氏に刑事責任を負わせるには(仮に存命であっても)根拠が無い。よって氏を犯人呼ばわりすべきではないと筆者は考える。

 一方で、犯人扱いする人からは、『自分たちは刑事責任ではなく社会的責任を求めている』的な意見も聞かれる。
 どうも何らかのロジックで『自分たちのやっていることは制裁ではない』的な判定になっているようだが、社会的だろうが私的だろうが、それをなんと呼ぼうとも、司法手続きを経ていない制裁は憲法違反である。
第三十一条

何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
日本国憲法 - elaws.e-gov.go.jp

 あるいは“制裁”ではないとして、“社会(被害者)のため”に賠償をさせようということだろうか。その場合お金を出すのは事務所ではなくなるのだが
 というのも企業は株主のものだ(ここでは資金なことを言っている。人材はもちろん含まない)。株式を全て保有する景子氏の私的な財産にあたる。
 その私的財産を“社会(被害者)のため”に使わせようというなら──
第二十九条

財産権は、これを侵してはならない。

② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
日本国憲法 - elaws.e-gov.go.jp

──“正当な補償”がない限り憲法違反である。

 ジャニー氏を公然と批難する方々は、おそらく事務所への補償など断じて認めないだろう。それはつまり『被害者に金銭などが渡ること』よりも『事務所が金銭を失うこと』を求める態度だ。制裁でなくてなんだと言うのか。

 『社会的責任』にせよ『性加害を許さない』にせよ、その字面で思考停止するなら単なる美辞麗句である。
 ちゃんと想像を働かせて欲しい。次のような状況に陥った時に袋叩きになりたいのか。誰かがあなたのことを性加害者だと告発した。
あなたはそんなことをしていないが、その告発を否定する証拠を出せと言われても困ってしまう。やっていないのだから。
警察などに調べて貰えば事実は明らかになると思っているが、告発者は被害届を出さない。
あなたは(評判など何らかの理由により)告発者を公然と批難できない。


 このような攻撃は事実も人権もないがしろにしている。私はこんな理不尽な袋叩きには遭いたくないし、何人なんぴとも晒されるべきではない。



 故に、ジャニー氏を性犯罪者だと決めつける言説には強く反対する次第である。

以上



(2023/11/01追記)

 事実と事実認定の対比に関する指摘は妥当な部分もあるので、細かい部分の補足を含む記事を書きました。
https://note.com/tk2to/n/n409a1b3a1717

犯罪者呼ばわりという人権軽視

小奥(こーく)

2023年10月7日 23:22



イギリスの公共放送BBCが3月に放送した、ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏による少年たちへの「性的虐待」に関するドキュメンタリー番組『Predator:The Secret Scandal of J‐Pop(J‐POPの捕食者 秘められたスキャンダル)』が波紋を呼んでいる。

13日には、NHKが“沈黙”を破り、前日に「日本外国特派員協会」で元ジャニーズのカウアン・オカモト氏(26)が記者会見を開いたことや、ジャニー氏から受けた被害体験を語ったことなどを報じて話題となった。

ジャニー氏による「性的虐待」をメディアが取り上げたのは今回が初めてではなく、1999年にも『週刊文春』が、被害を受けた元ジュニアらの告発とともに大々的なキャンペーン報道を展開した。

これに対し、ジャニー氏とジャニーズ事務所は名誉毀損訴訟を提起したものの、東京高裁は2002年に「性加害」の真実性を認める判決を言い渡した(ジャニー氏と事務所側はこれを不服とし上告したものの、最高裁が受理しなかったため2004年に高裁判決が確定)。

しかし、少年たちへの「性加害」の真実性が裁判で認められたのにもかかわらず、ジャニー氏は刑事的責任に問われることなく、2019年6月に87歳で他界している。

“違法性”の根拠となる法律

この度のBBCドキュメンタリーの話題をもってしても、大手テレビ局や新聞社はいまだに“だんまり”を決め込んでいるが、BBCや文春の取材に対して、あまりに生々しい被害の実態を告白している元ジュニアは決して少なくない。これらの報道から察するに、ジャニー氏が少年たちにした行為の“違法性”の根拠となりそうな法令は多々ある。強制わいせつ(刑法第176条)
13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制性交等(刑法第177条)
13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いて性交、肛門性交または口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
準強制わいせつおよび準強制性交等(刑法第178条)
人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、または心神を喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、または心神を喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。


その他、「児童福祉法」「児童買春・児童ポルノ禁止法」「青少年保護育成条例」に抵触する可能性も否定できなさそうだ。

「少年たちが訴え出て物証を提出していれば…」

ジャニー氏およびジャニーズ事務所と文春との名誉毀損訴訟では、被害を受けた少年2人が証言台に立ち、被害体験を語った。彼らの証言について、東京地裁は「セクハラ行為を受けた日時について、具体的かつ明確には述べていない」などとして「高度の信用性を認めがたい」と判断したが、東京高裁は一転して「少年らが揃って虚偽の供述をする動機も認められない」と、少年らの証言が信用できるものであると認めた。

裁判で少年たちの証言が認められたのにもかかわらず、ジャニー氏はなぜ、刑事的責任に問われなかったのだろうか。みどり共同法律事務所の穂積剛弁護士は「物証の問題」を指摘する。

「刑事事件の場合、当事者の供述だけでは不十分で、たとえば性犯罪ならば『当該人物の精液が採取された』など、物理的な証拠が必要です。

東京高裁の判決文には『(ジャニー氏の)セクハラ行為に関し、少年らやその保護者から捜査機関に対する告訴等がされた形跡もなく、捜査機関による捜査が開始された状況もうかがえない』と記載があります。

『強制わいせつ』『強制性交等』『準強制わいせつおよび準強制性交等』は2017年まで親告罪(被害を受けた人が告訴しなければ起訴されない罪)でしたが、それ以前から非親告罪だった『児童福祉法違反』や『青少年保護育成条例違反』で立件しようとしたとしても、やはり物証がない以上は難しいでしょう。

もし被害に遭った直後に少年たちが訴え出て物証を提出していれば、捜査機関も積極的に動いて、ジャニー氏の刑事的責任を問うことになっていたかもしれません」(穂積弁護士)

文春の記事によれば、1999年のキャンペーン報道で取材に応じたすべての少年たちが、最後に一言「親には絶対に言えません」と話したという。ジャニーズのタレントたちは「母や姉の応募」がきっかけで所属するケースも多いと聞くが、「家族を悲しませたくない」との思いから、被害を告白できなかった少年もいるのではないだろうか。

穂積弁護士は「物的証拠」の重要性を指摘しながらも、「騒動になった当時に捜査機関が動こうと思えば動くことはできたのではないか」と疑問も持つ。

「日本外国特派員協会」で記者会見を開いたカウアン・オカモト氏は現在26歳。彼が初めて被害を受けたという中学3年生の頃、ジャニー氏による性加害の「真実性」が民事裁判で認められてから、すでに10年ほどが経過していた。

ジャニー氏「性加害」 裁判所が“真実性”認定も…「逮捕」へ至らなかった“ある理由”



弁護士JP編集部

2023年04月14日 11:08



ジャニーズ事務所の故・ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡って29日、「外部専門家による再発防止特別チーム」の会見が行われ、ジャニーズ事務所に提出された3か月に及ぶ調査結果が報告された。

「調査報告書」の中では、「ジャニー氏は、古くは1950年代に性加害を行って以降、ジャニーズ事務所においては1970年代前半から2010年代半ばまでの間、多数のジャニーズJr.に対し、長期間にわたって広範に性加害を繰り返していた事実が認められた」として、性加害の存在を認め、その原因や背景、再発防止策、被害者救済、ジュリー藤島現代表取締役の辞任などについて提言した内容となっている。

しかし、これはあくまで「第三者委員会」の立場からの提言であり、それを受けての、ジャニーズ事務所の今後の対応が注目されている。

「事務所の過去の対応、ガバナンスの問題点を厳正に検討していく」

経緯をおさらいしておくと、発端は、ことし3月に英公共放送BBCによる、ジャニー喜多川氏(2019年没)による性加害問題を扱ったドキュメンタリー番組「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」が放送されたこと。

5月14日にジャニー喜多川氏のめいで現社長・藤島ジェリー景子氏は、性加害を “実名顔出し”で告発したカウアン岡本氏らに対し、「謝罪動画」を公開したものの、性加害の事実については「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」として世間から大ひんしゅくを買う。

その後、「週刊文春」やNHK「クローズアップ現代」を舞台に、性被害を受けた元ジャニーズJr.の告発が相次いだ。

世論の反発を受け、ジャニーズ事務所は6月12日、林眞琴・前検事総長や精神科医で全国被害者支援ネットワーク理事などを務める飛鳥井望氏など外部の3人の専門家による「再発防止特別チーム」を設置すると発表。林眞琴座長は会見で「第三者委員会だと思ってもらって構わない」「喜多川氏による性加害が起きたことを前提に、事務所の過去の対応、ガバナンスの問題点を厳正に検討していく」としていた。

国連「虐待に対処するよう強く促します」

一方、7月9日には、元ジャニーズJr.の二本樹顕理氏と中村一也氏が発起人となり、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」が発足したことが発表された。

さらに問題は国連が憂慮するところとなり、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が7月24日〜8月4日の日程で来日。被害を訴える当事者への聞き取り調査を行った。

およそ2週間の調査期間を終えた最終日の8月4日には、作業部会のダミロラ・オラウィ議長(ナイジェリア出身)とメンバーのピチャモン・イェオファントン氏(タイ出身)が、日本記者クラブで記者会見。

報道陣に配布された「ミッション終了ステートメント」では、「ジャニーズ事務所のタレントが絡むセクシュアルハラスメント被害者との面談では、同社のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになったほか、日本のメディア企業は数十年にわたり、この不祥事のもみ消しに加担したと伝えられています」、「しかし政府や被害者たちと関係した企業に対策を講じる気配がなかった」、「日本の全企業に対し、積極的にHRDD(人権デューディリジェンス)を実施し、虐待に対処するよう強く促します」などと、ジャニーズ事務所を名指しで批判し、政府や関連企業が対策を講じてこなかったことに強い懸念を示した。

同日、国連の会見に続けて、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」のメンバー7人が会見。代表の平本淳也氏は、作業部会の提言を受け、「僕たちのメッセージがすごくストレートに伝わり、受け止めてもらった。ちょっと感極まってしまった。あそこまで語ってくれると思わなかった。真摯(しんし)に受け止めてくれ、僕たちに勇気をくれた」とコメントした。

一方、ジャニーズ事務所は国連の会見を受け、「外部専門家による再発防止特別チーム」からの提言を8月末に受ける予定で、それを受けて同社の取り組みを伝える記者会見を行うと公式サイトで発表。

そして今回、「外部専門家による再発防止特別チーム」からの提言について、会見が行われた訳だが、ジャニーズ事務所がどのような対応を取るのが注目されるところだ。 会見の日時については、「改めてご案内させていただきます」となっているが、8月30日現在、日程はアナウンスされていない。

国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会のダミロラ・オラウィ議長〈右男性〉とメンバーのピチャモン・イェオファントン氏〈左女性〉(8月4日都内 / 中原慶一)

英国人気司会者の性加害事件との類似点も

「テレビや全国紙などの大手メディアがこの問題は取り上げるようになり、状況は一変しました。テレビでいちばんキチンと報じているのはTBSです。すでに国際的な問題となってしまっているので、今までのようにマスコミの “自粛と忖度(そんたく)”を隠れみのに、ウヤムヤで逃げ切るのはもはや不可能でしょう」(全国紙社会部記者)

しかし、一体、この問題の “着地点”はどこにあるのか————。

まず、第一の大きな問題は、そもそも性加害の “容疑者”であるジャニー喜多川氏が2019年7月に87歳で死亡しているという点。

これに関しては、イギリスの音楽番組や子供番組の人気司会者であったジミー・サヴィルが、2011年に84歳で死去したのち、500人以上の未成年者に性加害を行っていたことが判明した「ジミー・サヴィル事件」とよく比較される。

ジミーの生前から告発は存在したが、警察は証拠不十分としてジミーを逮捕しなかった。しかし彼の死後、告発特集番組が放送されたことで、状況は一変。告発者が相次ぎ、ロンドン警察は2012年10月、正式な刑事捜査「ユーツリー作戦」に着手するに至る。

その結果、ロンドン警視庁は、214件の犯行、126件の猥褻わいせつと34件の強姦性的挿入犯罪があったと報告。しかし、50年に及ぶ犯行の全貌は掴めつかめないで、ジミー・サヴィルは「イギリス史上最も多くの罪を重ねた性犯罪者のひとり」と結論付けられた。

本件の「捜査」を進めることが難しい理由

ジミーの500人に対し、報道されている複数の告発者の証言によれば、少なくともその倍以上である「1000人以上」の被害者が存在するとされるジャニー喜多川氏。

2019年の死亡時には、 “偉大なアイドルプロデューサーが死亡”という報道一色で、性加害に触れたメディアは皆無だった。ジャニー氏が、捜査されることはやはりあり得ないのか。性加害問題について長年精力的に取り組んでいる法学館法律事務所の青木千恵子弁護士はこう話す。

「現在の日本の法律では、被疑者が死亡した場合は、訴訟条件(起訴するための法律上の条件)を欠くため、検察は、たとえ捜査途中の事件であったとしても不起訴処分をすることになります。『刑事事件』は国家が被疑者被告人に対してどのような刑罰を科すか決めるための手続きであり、『捜査』は公訴の提起および遂行のために犯人や証拠を発見・収集・保全する手続きなので、〈被疑者死亡による不起訴処分〉が明白である本件の捜査を進めることは難しいといえます」

ジミー・サヴィル事件で、イギリス警察が被疑者死亡後に捜査に着手した理由について、青木弁護士は、「被疑者の生前から捜査機関に対して散発的に告発が行われていた点」「イギリスでは、性犯罪に公訴時効がない点」の2点を挙げる。

「一方、日本では、2023年6月23日に法改正がなされる以前の旧(準)強制わいせつ罪の公訴時効は、7年と規定されていました。ジャニー喜多川氏の死後4年以上が経過していることからすると、大半の事案で公訴時効が成立していると考えられます」(青木弁護士)

会見に出席した「ジャニーズ性加害問題当事者の会」のメンバー(左より、ハヤシ氏、志賀泰伸氏、中村一也氏、平本淳也氏、石丸志門氏、二本樹顕理氏、イズミ氏 8月4日都内/中原慶一)

「安全配慮義務違反」を理由に損害賠償を求める選択肢も?

刑事による決着が不可能なら、告発者に対して、やはり民事での損害賠償請求や示談による和解というのが現実的だろうか。ただし、こちらも「時効」の壁が立ちはだかる。

「一般的に、性加害行為は民事上の不法行為に当たるため、被害者は加害者に対して損害賠償請求することができます。そして、被害者の加害者に対する損害賠償請求権は、加害者自身が死亡しても、相続人が相続放棄をしないかぎり、加害者の相続人が相続するのが原則です。

しかし、2020年4月1日改正前の不法行為に基づく損害賠償請求権は、『被害者又はまたは法定代理人が損害および加害者を知った時から3年間行使しないとき』、時効によって消滅します。ジャニー喜多川氏の死後4年以上が経過しているため、氏の相続人が時効を援用すれば、損害賠償請求をすることは困難になります」

青木弁護士は「被害者救済のためにより現実的なのは、ジャニーズ事務所に対して、安全配慮義務違反を理由とする損害賠償を求める方法だと思います」と話す。

「安全配慮義務」とは、労働契約法5条で規定された「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする」使用者の義務のこと。

「ジャニー喜多川氏による性加害問題は、1965年以降、雑誌や書籍で報じられるようになったと言われています。さらには出版社との民事訴訟においてジャニー喜多川氏による性加害行為の真実性が認定され、衆議院の青少年問題に関する特別委員会でも審議されるなど、ジャニーズ事務所が事実を検証し、所属タレント等の安全を守るための施策を講じる機会は幾度となくあったといえます。

企業の安全配慮義務において、役員等が過去の被害を知らなければ免責されるということはありません。企業が従業員の安全を害するかもしれない事態を予見できさえすれば、危険回避や防止のための対策を行う義務が生じるのです。

この予見に際して、企業は、従業員の安全に関する情報収集に努めなければなりません。遅くとも、初めに自社の代表取締役による性加害報道がなされた時点で、従業員の安全を害するかもしれない事態を予見しえたと認定される可能性は高いと考えられます。

そして、ジャニーズ事務所が、ジャニー喜多川氏による性加害行為を生じさせないための対策や、被害者のケアなどの対処を怠ってきたからこそ、これだけ多くの被害が生じているといえるため、安全配慮義務違反として損害賠償請求に応じなければならない可能性は高いといえます」(青木弁護士)

この「安全配慮義務違反を理由とした損害賠償請求権」の消滅時効は、2020年改正前民法において「権利を行使できる時から10年」となっているため、法的救済を求められる被害者が出てくる可能性があるという。

「この問いに答えられる方はいますか?」

「当事者の会」の平本淳也代表は、前出の会見で、「法的手段に訴えることは考えているか」という記者の質問に対し、「解決に向けたあらゆる手段を視野に入れて検討している」と答えている。同会のサイトによれば、弁護士事務所との面会も盛んに行っているようなので、今後の対応については多角的に検討がなされているようだ。

「事実上の問題として、ジャニーズ事務所はメディアに強大な影響力を有する企業であり、ジャニー喜多川氏による性加害問題が大きな社会問題となっていることから、社会的規範や企業倫理に鑑みて、被害者に対して時効を援用せず、いわゆる時効差別のない全員救済の和解が成立する可能性もあります。さらに、和解の場合、金銭賠償にとどまらない解決も可能となるため、訴訟での解決に比べ、より被害者の意に沿った解決がなされやすいという利点もあります」(青木弁護士)

同じ会見の場で、「当事者の会」の石丸志門副代表は「被害者救済というのは、具体的に何を目指すのか」というある記者の質問に対して、静かな口調ながら、色をなしてこう答えた。

「もし皆さま方が今日のこの会見の帰りにレイプに遭われて、 “救済します”と言われたら何を求めますか? お金ですか? 謝罪ですか? 何をもって救済されたと判断しますか? この問いに答えられる方はいますか? そこをよくお考えいただきたいと思います」

会見会場に集まっていた約100人の報道関係者は静まり返った。一口に「救済」といっても、金銭や謝罪によって簡単に済む問題では決してないこと、心に深い傷を負い、その後の人生に大きな影響を受け続ける性被害者の苦しみの大きさを改めて感じさせる重い発言だった。

石丸志門副代表〈右〉の問いに報道関係者は静まり返った(8月4日都内 / 中原慶一)

真に重要な被害救済のための「誠実」な対応

青木弁護士はこう話す。

「この件の事案決のために必要不可欠なのは、日本弁護士連合会が策定した『企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン』に示されているような、『企業等から独立した委員のみをもって構成され、徹底した調査を実施した上で、専門家としての知見と経験に基づいて原因を分析し、必要に応じて具体的な再発防止策等を提言するタイプの委員会』を設置すること。

そして、調査結果を世間に公表するとともに、第三者委員会のヒアリングの際に挙がった各被害者の希望等に対してジャニーズ事務所が真摯に向き合い、しっかりと被害救済をすることだと考えています」

被害者支援と企業内不祥事調査等を主たる業務として弁護士活動を続ける青木弁護士自身も、こうした事例を取り扱う際には、『徹底したヒアリング調査』と『プライバシーの保護』に留意しているという。

企業内でハラスメントが表面化した場合、それは「氷山の一角」であることが多い。特に性被害の場合、声をあげられない多くの別の被害者がいる可能性が高く、声をあげた被害者のヒアリングだけを行っても、徹底した調査がなされたとは到底言えないと青木弁護士は話す。さらに調査には、会社側に対して被害者が特定できないようにするなど細心の注意が不可欠だ。

「ジャニーズ事務所の件で、退所者も含めた所属タレントや従業員全員に対して、このようなヒアリングを実施するためには、非常に多くの被害者支援に精通した調査担当弁護士が必要となります。現状の『外部専門家による再発防止特別チーム』の人員で実施することは不可能に近く、調査報告書でなされていた『被害者救済委員会の設置』の提言は限界を踏まえた上での対応と考えられます。

特別チームの調査報告書における事実認定や評価は、合理的かつ説得的で素晴らしいものでした。ただ、極めて限定的なヒアリングしか行えなかったがゆえに、全体の被害者数やジャニー喜多川氏以外の社員による加害実態などの全容を解明するには至っていません。

実際に性加害行為を犯したり加担したりした社員や、被害者に我慢を強いるなどのセカンドレイプをした社員が、今も事務所に残っているのであれば、処遇や教育をどうするのかなども検討すべきです。この先を託された『被害者救済委員会』には、単に被害者への被害補償を差配するだけでなく、被害者のニーズに合わせた細やかな補償とともに、『全容解明』と『総括』の公表など、より踏み込んだ対応が求められます」

青木弁護士は続ける。

「被害経験があるとお答えになった方に対しては、事務所に対する希望要望も丁寧に聴き取るべきです。退所した方と所属中の方、タレントと従業員、それぞれの立場による違いはもちろんのこと、被害からの回復状況や各自の価値観等によっても事務所に希望することは異なるためです。

たとえば、すでに医師やカウンセラーの治療を受けて回復した方に対して『心のケア相談窓口』は不要でしょうし、損害賠償についてすら全員が望むとは限りません。特に、今後のマネジメントの際に配慮してほしいことなどは、個人差が大きい事柄でしょう。事務所としては、各被害者の希望要望について誠実に対応する姿勢を見せるべきだと思います」

問題解決への「道のり」は…

青木弁護士は、「企業が不祥事を乗り越えて健全化するためには、過去と未来の両方を見据えることが大切」だとして最後にこう話した。

「まずは、過去にどのような不祥事があったのか事実関係を詳(つまび)らかにし、誰一人取り残すことなく被害者に対する償いをすることが大切です。その後、将来にわたり、二度と同様の不祥事が繰り返されることのないように再発防止策を講じ、ガバナンス体制を整えるべきです。どちらが欠けても、ジャニーズ事務所の問題が本当の意味で解決したということはできないと考えています」

これまでのジャニーズ事務所の対応は、 “未来ばかりを見ていて、過去の清算をおざなりしているように感じてしまう”として続ける。

「性加害は、『魂の殺人』と表現されるほど、被害者の心に大きな傷を残す許されざる犯罪行為です。ジャニーズ事務所が今後、被害者の心に寄り添った真摯な対応をすることを、心から願っています」(青木弁護士)

半世紀近くに渡り繰り返されてきたと見られるジャニー喜多川氏の性加害。通りいっぺんの対応ではなく、被害者ひとりひとりの思いに真摯に向きあうことでしか問題解決には至らないと言えるだろう。

「再発防止チーム」の提言が終了 「ジャニーズ性加害問題」 “落とし所”はどこにある?



中原 慶一

2023年08月30日 16:56



日常の領域(優しい嘘)

 ここで一旦、頭を切り替えて頂きたい。
 後半への前置きとして、法や制度とはかなり違った議論を挟む。気遣いや優しさといった対人コミュニケーションの話だ。

 かなりふわふわと臨機応変な話になる。正解などないし、例示はあくまで例(そういうこともある)だ。
Aが店員として働いている店に、Aの家族であるBが客としてやってきた。

AはBを家族ではなくお客様として接した。
シチュエーション例1
CはDを激しく嫌っている。

しかしDが何らかの理不尽に晒されており、それがCには解決しうることだったので、日頃の恨みを一旦忘れて手を貸した。
シチュエーション例2
上のようなケースで〈事実と事実認定〉を考えてみると、次のことを指摘できる。どちらも当たり前ではあるが。例1の事実:『客として訪れたB』は間違いなく『Aの家族』である。店では他の客と同じように接しても、家族関係が無くなるわけではない。
例2の事実:『困っているD』と『Cが嫌うD』とは同一人物である。いきなり嫌悪感が消えたわけではない。


 そのような事実を一旦棚上げにして、お客様または困っている人と﹅する﹅﹅事実認定に基づくわけだ。
 こうした対応は法などに規定されているわけではないが、やはり日常に溢れている。

 その動機は様々だ。色々ありえるし1つとも限らない。
 例1は店の評判の為でもあるだろうが、ABの家族関係を知らない他のお客様への気遣いという側面もあろう。
 例2はCの正義や倫理、もしかしたら宗教的動機もありえる。もちろん特に理屈のない素朴な優しさの発露かも知れない。

 ──〈善意に基づく事実認定〉。

 遅くなったが、本稿の主題はある社会問題で、その背景には恐らく善意がある

 恣意的な事実認定は、時として事実を完全に無視する。
 丁度シーズンなのでハロウィンを例に取ろう。子供がお化けの仮装でやってきたら、ノリの良い大人は大げさに怖がってあげたりするものだ──事実としては人間の子供であっても、ここではお化けであるという事実認定に基づいて。

 明らかに事実とは異なるが、これ自体は問題ではないだろう。コミュニケーションの潤滑剤にもなりえる。
 ……但し、『事実ではないこと=事実認定であること』を忽ゆるがせにしない限りは。

 その前提が崩れ、優しい事実認定が事実を塗り替えようとしている。
 そんな社会問題が、現実にある。



3◆事実を蝕む﹅﹅﹅﹅﹅事実認定

 あるスローガンが問題を象徴している。
Trans woman is woman.

トランス女性は女性です。
トランスジェンダーやその支援者の主張

 ここでいうトランス女性とは、男性の身体に生まれついたものの心は女性である──そう表現される──人のことだ。

□背景と転機

 トランス女性に限らず、それを含むマイノリティは、様々な蔑視・軽侮に晒された。人としての尊厳を認めないような、いくらバカにしても構わないような。
 そういう扱いをする人は今でも居るし、また今より公然と行われた時代も確かにあった。

 もちろん当事者は傷ついただろう。そこに共感し同情する支援者(当事者以外)も数多い。
 そしてトランス女性の場合、『女性としての扱い』を望む声があった。

 恐らくは(筆者の理解では)そういう経緯から生まれたのが先述のスローガン。『トランス女性は女性です』。

 これを事実にしかねない動きが世界のあちこちで──日本を含めて、起こっている“女性”というカテゴリーの法的な境界が引き直され、その中にトランス女性が含まれかねない議論が、大真面目に。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/797792?display=1
 ──ここで最初から述べると余りに長くなるので、トランスジェンダリズムとその周辺の全体像は割愛するが、これまでご存知なかった方は是非とも両方﹅﹅の﹅意見を聞いて判断して頂きたい。

□事実かどうかは別として

 それがスローガンである限りは──すなわち『トランス女性にも優しさをもって接しよう』という事実認定なら──喜んで支持しよう。犯罪でもなんでもない服装や性の好みは蔑まれるべきではない。

 例えば、性別によって分けられていない公共の場にトランス女性がいて、その人の女装が極めて拙つたないとする。『どう見ても女装した男性にしか見えない、美しくも可愛くもない』、そのような印象を抱いた場合。
 その印象をストレートに伝えるのは(相手との関係にもよるが、一般的には)無礼だ。言われた側が怒るなり悲しむなりすることは想像できる。気遣い溢れるコミュニケーションとは言い難い。

 嘘をつけとは言わないまでも、本音を伏せるぐらいの気遣いは求めて良いように思う。その程度のコストは対人関係においてはどこでも(相手が明らかな女装者でもそうでなくても)必須と思われるからだ。
 誰が相手でも必要になりうるコストさえ支払いたくないのであれば、それは最初から相手を尊重する気がない(または余裕がない)のだ──筆者にはそう感じられる。

□その気遣いとは別として

 が、だからといって、このスローガンの内容は(客観的な)事実ではない。(合意された)“事実”でもない(※5)。
 それは(ここまで長々と述べてきた通り)全く別の話だ。

 稚い子供が扮したお化けを怖がってあげるのと似たような話だ。心無い言葉に傷つけられる機会の多い人たちに、更なる傷を与えないようにとの気遣いである。

 恩に着ろなどとは求めないが、子供はお化けではない。
 その仮装がどれほど巧みであっても。もしくは自身をお化けだと信じ込んでいても。更にはその状態から自ら脱せないのだとしても。
 事実として、子供はお化けではない
 事実認定としてお化け扱いすることがあるとしても。それが子供の気持ちを慮る優しさだとしても。それが尊い善だと仮定しても。
 それら全てと無関係に、事実と事実認定は独立べっけんだ

以上

※5)合意された“事実”:例えば性同一性障害特例法は、運転能力の例に似て把握が難しいために事実とは言い切れず、優しさ──悪く言えば同情ともいえるが──にも基づく事実きめ認定ごとの類だ。
 但しこの決めごとは『トランス女性は〜』のようなスローガンではない。私人しじん間かんの口約束ではなく、国会という正当な民主的合意プロセスを経て明文化されている。よって既に優しさ・気遣いの問題ではなく、『特例法に基づいて戸籍変更した元男性は女性である』ことは合意された“事実”にあたる──法を尊重するとはそういうことだ。

事実/事実認定/優しい嘘

小奥(こーく)

2023年11月1日 16:39



最高裁大法廷は先ほど、戸籍上の性別を変更する際に今の法律では生殖能力をなくす手術を必要としている規定について、「違憲」とする初めての判断を示しました。



身体的、経済的な負担から性別適合手術を断念するトランスジェンダーの人たちに、新たな選択肢が生まれる可能性が出てきました。



これは、戸籍上は男性で、女性として社会生活を送る当事者が戸籍上の性別を女性に変更するよう求めた家事審判に対する決定で、最高裁が示したものです。この当事者は、性同一性障害と診断され、ホルモン投与を受けてきましたが、身体的、経済的な負担が出る性別適合手術は受けずにいました。



戸籍上の性別変更について定めた性同一性障害特例法では、変更の際に5つの要件を定めています。



要件では、▼生殖能力がないこと、▼性器の外観が変更後の性別のものに似ていることを定めていて、事実上、性別適合手術を受けることが必要となっています。このため、当事者は1、2審で性別変更を認められませんでした。



最高裁で、当事者側は手術を強いる規定が「人権侵害で憲法違反だ」と訴えていました。



最高裁はきょうの決定で、生殖能力について定めた規定は「憲法13条に違反し無効」と判断。一方、性器の外観について定めた規定については判断せず、審理を高裁に差し戻しました。生殖能力については、15人の判事全員一致で違憲としています。



■手術規定は「過酷な二者択一を迫るもの」



最高裁は、生殖能力について定めた規定を違憲とした理由について、「規定は憲法13条が保障する『自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由』を制約するものであるところ、特例法の制定当時に考慮されていた制約の必要性は、諸事情の変化により低減した」と指摘。



そのうえで、規定は当事者に「強度な身体的侵襲」である手術を受けることを「甘受」するか、「性自認に従った法令上の性別の取り扱いを受ける」という重要な法的利益を放棄するかの「過酷な二者択一を迫るものになっている」と判断。「制約は重大であるから、憲法13条に違反し無効である」と結論づけました。



最高裁は2019年にも、生殖能力がないことを定めた規定について憲法判断を示していますが、このときは「現時点で合憲」としつつ、「社会の変化に伴い変わる」として「合憲かどうかは継続的な検討が必要」とも指摘していました。

生殖能力なくす手術必要な規定は「違憲」最高裁大法廷 戸籍の性別変更要件めぐり 戸籍の性別変更希望するトランスジェンダーの人たちに新たな選択肢