『夜と霧』を読みました!! ⚠ネタバレ注意
気がつけば9月も半ば…
耳を澄ますと鈴虫の声が聞こえてきます(⑅˘͈ ᵕ ˘͈ )
ああ…
すっかり秋…
…
秋??
秋なのに30度超って何なのぉぉぉぉー
( ゚д゚)ハッ!
すみません💦
取り乱しました(m*_ _)m
過ごしやすい気候になるのを待つばかりです…
私は最近「ヴィクトール・E・フランクル」の
『夜と霧』と言う本を読みました。
彼は精神科医であり、あの悪名高きナチス・ドイツの収容所「アウシュヴィッツ」に収容された当事者…
そこで2年半収容された体験記が『夜と霧』です。
収容所に送られた人達は身ぐるみ剥がされ、その日から人の尊厳まで奪われてしまいます。
今までの人生、名誉、職業とキャリア、名前まで無くなりただの強制労働者として番号で呼ばれるようになります。
食事もろくに与えられず、いつガス室送りか分かりません。
死と隣合わせの劣悪な環境で、人間はどのように変化して行くのか。
劣悪な環境で生き残って行く人はどんな特徴の持ち主なのか…
著者自身も激しい飢餓や強制労働と戦っていたにも関わらず
監視の目を盗んで取り上げられた学術書の草稿を速記記号で再現作業を行ったり…
生きる希望を失った人々に温かい言葉をかけ慰めたり…
決して生きる事を諦めませんでした。
さらにフランクルはこう述べています。
「わたしをわたしの苦しみともども、わたし自身がおこなう興味深い心理学研究の対象とすることができたのだ。」
と、過酷な状況でありながら精神科医として冷静な着眼点を持ち、プロ意識と専門医としての知識を遺憾無く発揮した人でした。
す…
すごすぎるよー
目からウロコがポロポロ落ちるとは、この事を言うのかー!!
と、感じさせてくれる本でした(❁´ω`❁)
これは皆さんと共有したい!!
と思いnoteに投稿いたしましたm(*_ _)m
その中で特に心に残ったエピソードを私なりの「考察」や「感想」を交えながら、ほんの少しですが書かせていただきたいと思います♪。.:*・゜♪。.:*・゜
1 感動する心は生きる力を与えてくれます。
強制労働を終えたフランクル。
ごくわずかな夕食を食べ、床にへたりこんでいました。
すると突然仲間が飛び込んできて、
「とにかく外に出てきて!!」
と急き立ててきました。
何かと思い外に出ると、太陽が地平線へ沈んで行く様子を目の当たりにしました。
フランクルはその様子をこの様に語っています。
「地平線いっぱいに、鉄色(くろがね)から血のように輝く赤まで、この世のものとも思えない色合いでたえずさまざまに幻想的な形を変えていく雲をながめた。」
素晴らしい表現力!!
きっとフランクルは様々なものに感動する心を持ち備えていたのでしょう。
そして仲間の1人が
「世界はどうしてこんなに美しいんだ!」
と力強く言ったそうです。
収容所での過酷な生活で身も心も疲れきっているはずなのに…
どんな劣悪な環境に身を置かれていても、感動する豊かな心は生きる力を与えてくれるのだと教えてくれたエピソードでした。
2 収容所にも「心」を無くさなかった人がいました。
収容所での日々は自由も人としての尊厳も奪い、人々の心と身体を疲弊させて行きます。
そんな過酷な状況ですから、自分の命を守る行動に出る人がほとんど。
それが至極当然の事だと感じます。
しかし、フランクルが見た収容所にいた人々は自分の事しか考えられない人だけでは無かったのです。
自分も強制労働をし、疲れきっているはずなのに、通りすがりの人に優しい言葉をかけたり…
自分もろくに食事を取っていないにも関わらず、他の人に無けなしのパンを譲ってあげたり…
ほんのひと握りの人だったそうですが、人間としての「心」を無くさなかった人がいたそうです。
この事をフランクルはこの様に語っています。
「人は強制収容所に人間をぶちこんですべてを奪うことができるが、たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない。」
どんなにつらい状況下でも「心」を無くさなかった人がいる…
私にはこのような事ができているのか…
日々の忙しさにかまけて、優しさを失ってはいないか…
など、日頃の自分の行いを振り返り、反省させられたエピソードでした。
3 希望を失うと人は弱くなってしまいます。
収容所にある噂が流れました。
1944年のクリスマスと1945年の新年の間の週に、家に帰れると言う嬉しい噂でした。
収容されている人々は、この事に希望を見出しました。
この日の為に頑張ろうと目標を立てた人も多くいたに違いありません。
しかし、クリスマスの季節が近づいても収容所の新聞はいっこうに嬉しい知らせを記事に載せませんでした。
そう、この噂はデマだったのです。
するとクリスマスの週と新年の間の週に、かつてないほど大量の死者が出たそうです。
それは労働条件が悪化したものではなく、食料事情が変化したものでもなく、伝染病が一気に広まったものでもありませんでした。
この事をフランクルはこの様に語っています。
「勇気と希望、あるいはその喪失といった情調と、肉体の免疫性の状態のあいだに、どのような関係がひそんでいるかを知る者は、希望と勇気を一瞬にして失うことがどれほど致命的かという事も熟知している。」
人は体や心を蝕まれていても、希望を見いだせる環境があれば生きようと頑張って行ける…
しかし逆の状況になってしまうと命まで落としてしまう…
人間の命
人間の生はとても複雑なんだ…
そして勇気と希望を自分自身に、そして皆さんにも感じてもらえる物を発信していきたい…
気持ちを新たに頑張ろうと決意させてくれるエピソードでした。
4 生きる事はあなたに期待しています。
収容所にいたとある2人の男性は、ときおり自殺願望を口にするようになっていったそうです。
「生きていることにもうなんにも期待がもてない」
そんな事を口にする男性達にフランクルはこう告げたそうです。
「生きていれば、未来にあなた達を待っている何かがあります。」
実際に1人の男性には外国で男性の帰りを待つ、愛して止まない子どもがいました。
もう1人の男性を待っていた事はある研究をテーマに数巻上梓していた本がまだ完結しておらず、その本を書き上げる事でした。
その事をフランクルはこう語っています。
「自分を待っている仕事や愛する人間にたいする責任を自覚した人間は、生きることから降りられない。」
私たちは生きがいが感じられないと「つまらない人生だ…」と感じてしまいがちですね。
しかしフランクルは「生きる事はあなた達に期待している。」と告げています。
期待しているなら応えようと思うのは私だけでは無いはず!!ですね(❁´ω`❁)
5 経験したことは、何人にも奪う事はできません。
収容所はすべてを奪い取ろうとします。
今まで積み上げてきた地位や名誉、金銭…
人間としての尊厳すべて奪われたように感じます。
でもどうでしょう?
フランクルは収容所ですべてを奪われてしまったでしょうか?
フランクルは強制収容所から解放された後、ここでの経験を活かし「実存分析」や「ロゴテラピー」と言う独自の心理療法を確立させています。
そしてフランクルはこの様に語っています。
「わたしたちが過去の充実した生活のなか、豊かな経験のなかで実現し、心の宝物としていることは、なにもだれも奪えないのだ。」
その事を体現し、後に人々を救ってきたフランクル。
様々な経験をし、時には苦い想いをする事…
そして心が動かされる素晴らしい出来事に出会う事…
日々を生き、経験を積み重ねて行く事こそが私たちの「心の宝物」になるのかも知れませんね。
以上『夜と霧』について、私の考察&感想を書かせていただきました。
この不安定な世の中の「生きる為のヒント」が満載な本だったと感じています。
ぜひ皆さんにも手に取っていただきたいオススメの本です。
皆さんのオススメの本は何ですか(❁´ω`❁)??
最後までご覧頂きありがとうございました。
世界中の人々に尊敬と愛を込めて…
林檎
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