
「夢を眠てねむる」 [思立]-08-
今日は、夕方まで寝ていた。
長く寝た日はやはり、1日を無駄にしてしまったことに罪悪感を感じる。
しかし、無限に寝ていたいほど睡眠を欲している時もあり、
その時の自分にとっては大変喜ばしいことではないか、と正当化する。
最近はよく夢を見る。
逆に夢を見ないほどぐっすり眠れない。
その内容は、その次の日まで覚えているような大したものではない。
登場人物は友達やバイト先の同僚や家族や有名人。
今日の夢には小学6年の時の担任の先生が出てきた。もう6年以上会っていない。小学生だった私ほどではないが、おそらく見た目も少しは変わっているだろう。しかし、私の頭の中では当時の先生の姿で登場した。
夢の中で先生が何をしていたかはもう覚えていない。
「夢」と聞いて思い浮かぶのは夢眠ねむだ。
彼女の著書である『本の本』を読んだことがある。
本や本屋の裏側について色々な人にインタビューしている。
学生時代に本屋でアルバイトをしていたという彼女。
私も今、本屋でバイトをしている。きっとこの経験はいつか役立つだろう。
いや、役立つような未来を望んでいる。
本屋のバイトはいわゆる学生のバイト先ではない。特に私が働くところは。大学周辺の飲食店や大型商業施設の中の店ではないため、ただ小銭稼ぎするための場所とは思わない。また、個人経営の居酒屋にいる社員と、私のバイト先にいる社員とでは意味合いも大きく異なる。故に私は、そこでバイトを始めて以降、将来について、特に就職などについて少しだけ考える。とは言っても、まだ大学1年生。旅行で言えば、「来年の夏、あの人たちと旅行に行こうかな。」ぐらいの曖昧さだ。最近は2年生からインターンに行く人たちもいる。しかしそれは少し早すぎるんじゃないか。旅行中に、その次の旅行の予約をするぐらい。来年の私は、スーツ旅行チャンネルを見て行き先を考えるぐらいだろう。
「あの会社で働きたいなぁ」という夢は大きすぎることが多い。皆が知っているような会社にはそう簡単には入れない。その現実をだんだんと認識し始める。プロ野球選手にもプロサッカー選手にも漫画家にもパティシエにもなれないことに気づいたあの頃のように。いつか、幸せにはなれないことに気づく日が来るかもしれない。
今日も夢を見るだろうか。どんな夢だろう。
枕の下に何を入れるか考えながら歯を磨く。