セルフ誕生日会で感謝をカタチにしよう
毎年初夏になると思い立つことがあって。それは「今年の誕生日は何をしようか。」ということ。
6月19日は私の誕生日で、2017年から毎年、誕生日会を自分で企画しています。セルフプロデュースというと聞こえはいいけれど、40歳を過ぎて企画するセルフ誕生日会を果たして周りがどのように思っているかはわからないですね…。
『場づくり仕事術』では「セルフ誕生日会をやってみよう!」と題して企画のポイントや企画例を紹介している章があります。執筆中はこんな情報、誰得だろう?と疑問を持ちつつだったのですが、意外と評判が良くて「私もやってみます!」という声を頂くことが多くてびっくりするんです。
🎁セルフ誕生日会をやる理由
お祝いの場は楽しい。
ただそれだけでも良いのですが、そこに「意図」を込めるとまた一段と楽しくなるのでおすすめです。「意図」というと難しいけれど、「目的」とか「仕掛け」とかに置き換えてもらえるといいかなと。
私の場合は大前提としてセルフ誕生日会は「感謝を伝える場」だと思っています。
2017年の例をご紹介します。
当時、鹿児島に暮らしながら東京にも拠点を持ち行き来をしていた生活だったので、鹿児島と東京をつなぐ場づくりができればと思い企画しました。
東京開催だったので、鹿児島で繋がりのある生産者やクリエイターの方から協賛を募り、東京の友人に紹介をしました。東京で参加するメンバーには会費やプレゼントの代わりに、皆さんそれぞれのおすすめ品を持ち寄ってもらうようにしました。地元の人しか知らないような美味しいコロッケとかお酒とか持ち込まれて、とても場が盛り上がりましたね。
私は誕生日を祝われる立場ながら皆さんに楽しんでいただこうと、持ちネタの人狼ゲームでおもてなしをすることに。私が得意とするゲーム研修の体験をしていただけて、一石二鳥でした。
そんなわけで、型にハマらない誕生日会はちょっとしたビジネス交流会のような場にもなり、参加者同士のご縁繋ぎもできて、我ながら大成功!
思えばこの初回セルフ誕生日会に味を占めて、2022年まで6年続けてきたんだなあと思います。
この年は「鹿児島と東京をつなぐ」がテーマでしたが、そもそもセルフ誕生日会をやる理由はとても単純で「好きな人と好きなように時間を過ごしたい」だけ。誰かがおもてなしをしてくれる誕生日会で「私が主役です」というタスキをかけてチヤホヤされるのも悪くはないけれど、主役が誰よりも張り切って場をつくる方が何十倍も楽しいことを、私は知っているんです。
アラフォーにもなると1年があっという間で、歳をとることを素直に喜べなくなってしまう年頃でもありますよね。でも今年も1年無事に生きてくることができた、頑張った、そんな瞬間を、お世話になった大好きな人たちと一緒に祝いたい、そんな感謝を伝える場としてセルフ誕生日会をとらえれば、きっと誰もが「やってみたい!」と思うに違いない! いや、「やってみるのもいいかも」ぐらいかな。どうでしょう?
🎁自己肯定感が高まる場づくり
『場づくり仕事術』でも書いているように、セルフ誕生日会は自己肯定感が高まります。なぜかというと、自分の好きな人しか来ない(お誘いしない)し、お祝いの席なので多少の至らなさは許してもらえるので、自分が好きなように場づくりができるからです。
通常、何かを主催するというと、人目が気になったり周りに配慮したりすることも多くて萎えてしまってやりたくない、となりがちですよね。そこで一歩踏み出せなくなってしまう。
セルフ誕生日会は、誤解を恐れずに言えば、自分のための自分の会、つまりは究極の自己満足の場なので、誰も文句のつけようがない場です。もちろん、ゲストへの「感謝を伝える」が第一ではあるので無礼講ということではないですが、「こんなことやったらどう思われるかな」なんて考えなくてもいいんです。だって、あなたが主役のあなたの場だから!
もう一つ例を紹介しますね。
2022年は出版記念を兼ねて、知り合いのカフェを借りて誰でも自由に参加ができる場にしました。いったい誰がどれだけ来てくれるか分からないなかで、コーヒーを淹れる準備をしてドリンクやお菓子を用意して、金髪のウィッグをつけて朝から待ち構えていました。金髪のウィッグは完全に私個人の趣味ですが、カフェという日常だけではつまらないと思い、遊びの要素を加えた結果、そうなりました。この日のために、「BADUKURI」というロゴと本の写真を入れたTシャツも特注しました。
金髪のウィッグや場づくりTシャツの効果は結構あって、カフェの入り口を入ったところからの「異世界」な感じや、「SNS映え」がウケて、撮影会としても楽しんでもらえました。
場づくり的にはこうした「遊びの要素」も重要で、主催者の個性が出るところなので遠慮なく盛り込んでいただければと思います。
🎁ロマンスの日に生まれて
今年もまもなく6月19日がやってきます。悩んだ末に個展を開くことにしました。え、個展? 私は絵も描かないしアートに詳しくもないんですけどね。じゃあ何を飾るのかというと、5月に80歳を迎えた父の水彩画を展示することにしました。まもなく鹿児島の我が家へ、大阪在住の画伯による選りすぐりの作品が届く頃ですね。「父の個展を開いてあげたい」という思いが、私の生誕祭で実現するなんて。芸達者な父に感謝です。
ご存知の方は少ないでしょうが、6月19日はロマンスの日なんです。2008年に日本ロマンチスト協会が制定した記念日なのですが、そこに便乗してロマンスをテーマにゲーム会を開いた年が過去にありました。ゲームを通じて出逢いを楽しんでもらう意図で、キューピッド役の私は天使のコスプレでお出迎えをし、ゲストの方にもドレスアップしてお越しいただきました。結婚式のキャンドルサービスのように、私は天使のコスプレでテーブルを周って記念撮影する時間をつくりましたが、この仕掛けも大盛り上がりでした。
果たして、素敵にドレスアップした参加者の中で、ロマンスが生まれたかどうかは…神のみぞ知る、です。
今年は準備期間も十分でなくどこまでできるか分かりませんが、私の持ち味であるエンタメ性を盛り込んだ誕生日会になればと思っています。たとえ「年甲斐もなく」と思われても、1年という月日を刻んできたことや、その歩みを見守ってくれている人と過ごす時間は、心を豊かにしてくれます。ロマンスの日に生まれた者の使命としても、愛とユーモアに溢れた記念日を重ねていきたいと思います。
<追記>
セルフ誕生日会の後日談として、初個展から得たことを書きました。
80歳の水彩画家のはじめての個展、その結果、絵が売れるほどに高く評価された、というサプライズをご紹介しています。