chisa
朝、仕事をはじめる前の数分間。日課というわけではないけれど、文章を読むようにしている。 読むものは詩のときもあれば、短編小説のときもあるし、エッセイのときもある。それは、なんとなく余白があって、感覚をひらいてくれるような柔らかな文章。 感情をほんの少しのせるようにして、文章を静かに声に出してみる。 毎日文章を読んだり書いたりする仕事をしていると、いつからか目で文字を追うだけでは、言葉が自分の中にちゃんと入ってこなくなった。目でなぞったそばから、文字が流れて消えていく感覚
ㅤ 生きるための食糧をスーパーまで買いに行く道すがら、桜を眺める。いまの家を探しに仙台へ来たのは、ちょうど1年前の4月初め。あの時はまだ桜が咲いていなくて。この景色をずっとたのしみにしてた。 来年はただ桜がきれいなことを喜んで、ただその話だけをしながら、ここでビール飲みたい。 #コラム #エッセイ #日記 #写真 #仙台 #日常 #sendai
ㅤ 長町にある自家焙煎珈琲SUKAさんのキーマカレーが時々どうしても食べたくなる。キーマカレーを頼むと必ずついてくるのが小ぶりなマグカップ。マグの中には桜漬けとらっきょうをフードプロセッサーで細かく刻んだものが入っていて、これがキーマカレーにすごく合う。お皿に添えた途端、桜が咲き乱れるようにパッと華やかになり、いつも小さく感動してしまう。(勝手に桜と名付けた)どうやらこの"桜"のファンはとても多いようで、常連さんの中にはナポリタンに添える人もいるのだと店主が笑っていた。
ㅤ 高松に帰省したら、ついつい足が向いてしまうcafe umie。その系列のライフスタイルショップkitahama blue storiesで、瀬戸内ブルーのグラスを見つけた。庵治石を溶かし込んだ硝子なのだとか。 庵治といえば『世界の中心で愛を叫ぶ』のロケ地で、高校時代に付き合っていた彼氏と初めてちゃんとデートした思い出の場所。瀬戸内の海は穏やかだけれど、あの日は風がすこし強かった。華奢な彼は風に煽られて今にも飛ばされそうで、笑っちゃったなぁ。なんてことを思いつつ、あおいろ
毎年、ぐっと冷え込む冬の夜になると、いそいそと小鍋を取り出して甘酒を作りはじめてしまう。 最近は麹の甘酒が人気みたいだけれど、わたしは酒粕の甘酒の方がすき。健康や美容の効能はどうでもよくて、小さい頃からこれで育ったから、甘酒といえばやっぱり酒粕の甘酒だ。 甘酒を作るときに気をつけるのは、ぶくぶくと沸騰させないこと。アルコール分が飛び切ってしまわないように、お湯はくつくつと小さく泡立つくらい。多めの酒粕をちぎっては入れて、少しずつ溶かしていく。でも、全部きれいには溶かさ
"通勤" をやめて、もうすぐ2年がたつ。 新卒で就職した頃から、いずれ家で仕事をしたいと思っていたし、実際やってみると原稿を書く合間に洗濯物を干したり、好きなときにご飯やおやつを頬張ったり、波の音のBGMをかけて離島にでもいるような気分に浸ったりして、会社員のくせにずいぶん気ままに働いている。満員電車で窒息しかけることもなければ、Amazonからの荷物を受けとり損ねる心配だってない。実感しているその良さは、パッと思いつくだけでも軽く30個くらいは言えると思う。 そのくらい