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漢方の考えを学ぶ『腎と膀胱』
『五臓六腑』の話から入ります。
漢方では、五臓と六腑はそれぞれ、表と裏という、一対としての組合わせがあります。
『腎』と表裏の関係である腑は?
答えは『膀胱』です。
五臓六腑とは具体的に何だろう
五臓は、『肝・心・脾・肺・腎』
六腑は『胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦』です。
☆奇恒(きこう)の腑『胆・脳・脈・骨・髄・女子胞』というものもありますが『奇恒の腑』については回を改めてお話します。
三焦って何?と思われる方が多いと思います。
三焦とは・・・津液の通り道で 上焦は頭から胸まで、中焦は胸からおへそまで 、下焦はおへそから下 のカラダを三層に分けて名付けています。
六腑の『胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦』は食べ物が口から入って消化吸収し、不要なものは便や尿として排泄をする過程に通るところで、本来は空洞の器官です。
胆は飲食物は入らないのでは?と思われますよね。そうなのです。
胆だけは少し特別で、奇恒(きこう)の腑にも含まれる器官ですが、肝から漏れ出た汁が集まるところと考えます。胆汁は肝臓で作られて胆に貯蔵されています。
膀胱と腎
漢方ではこの二つは表と裏の関係と考えます。
今回はまだ、冬の余寒が厳しい季節ですので、腎とペアの関係である膀胱について考えてみます。
膀胱は腎から送られた尿を貯蔵、排出するところ。
腎は水の代謝を担当しています。
全身の水分を きれいな水は全身に再度巡らせ、汚れた、不要な水は膀胱に送って尿として出しています。
膀胱に何らかの不具合が生じると 尿量が減る、頻尿、失禁、などが起こります。
加齢による膀胱の不具合
加齢による骨盤底筋のゆるみ。
加齢によるホルモンバランスの変化で、尿道粘膜の萎縮や変形が起こり、尿道位置が変わることもあります。
便秘がひどい人も膀胱に影響しますし、加齢で膀胱が萎縮したり弾力性を失ったりもします。
その結果、尿漏れ、頻尿などが起こります。
対策
骨盤底筋を鍛える、ウォ―キングをする、などの運動をすることで、加齢による膀胱機能の低下は遅らせることができます。トレーニング頑張りましょう♪
膀胱炎
膀胱の病気といえば膀胱炎。
漢方では、膀胱炎の状態は『湿熱が膀胱に停滞している』と考えます。
脾胃の機能低下によって湿熱が起こり、膀胱に停滞すると膀胱機能が落ち、頻尿、排尿痛、血尿などが起こります。
膀胱炎を治す漢方薬もあります。
膀胱炎の代表処方『猪苓湯』
猪苓湯: 猪苓・茯苓・沢瀉・滑石
尿量を増やす生薬、熱をとって尿として排出する生薬が使われていて、
残尿感、血尿、排尿痛、頻尿、むくみを改善します。
膀胱炎をこじらせて排尿痛、血尿ががひどくなってしまったら
より血を養う効能を足した『猪苓湯合四物湯』
猪苓湯合四物湯:当帰・芍薬・川芎・地黄・猪苓・茯苓・沢瀉・滑石 これは、上記の『猪苓湯』と『四物湯』という補血止血効果
を合わせたものです。
漢方薬を飲むほどではないけれど、残尿感は排尿時の違和感がある・・・という方!
そんな方は是非薬膳茶の知識を入れていただきたい。
食品だけれど、漢方薬に使われている薬草が多い、薬膳茶ブレンドを毎日楽しむ習慣をつけていただきたいです♪
膀胱を含めた、腎養生のための薬膳茶ブレンドを紹介させていただきます。薄毛、難聴、下半身の衰えが気になる方にもおすすめ。
腎養生茶:
黄精、枸杞子、紅花、杜仲葉、丁子
老化現象に
味は 杜仲葉の苦みとに丁子と枸杞のほんのり甘い味のハーモニー。
もっと手軽に日常に飲んでいただきたい お茶です
このお話はポッドキャストのラジオでも配信していますのでよろしかったら聴いてくださいね♪
自分にはどんな薬膳茶が合っているのか、現在の体質はどうなのか、など、気になることがある方、体質改善したい方、カウンセリングもご用意しています。 薬膳茶の他に、漢方薬、健康食品、等をご提案することもあります。 お気軽にご連絡ください♪ 上級漢方養生士、医薬品販売業者、登録販売者、生態生薬研究会会員