バディバッグ(遺体袋)すら戻らないー派遣された北朝鮮兵の行く末#75
こんにちは。
前回の記事を投稿してからの間、世界はあいかわらず北朝鮮がロシアに傭兵を派遣した件をトップニュースとして扱っているようです。
世界中からこれほど注目を集めているにも関わらず、ロシアと北朝鮮ははっきりとした説明をせず、曖昧な態度を貫いています。
そして、北朝鮮は軍人の家族らに対して“訓練に行った”などと嘘をつき、秘密にしています。
自身の権力基盤を維持するためには、国民の命を紙きれのように扱う金正恩も、今回の傭兵ビジネスについては説明の言葉を見つけられないようです。
韓国 統一部の発表によると、北朝鮮は派遣された兵士の家族を一定の場所に集めて収容しているといいます。理由は当然、今回の件についての情報流出を防ぐためでしょう。
北朝鮮国内では情報統制が敷かれていますが、すでに一定の層には知れ渡っており、大学でロシア語を学んだ人々は眠れない夜を過ごしているとのことです。
通訳として戦争に動員されることを恐れて。
北朝鮮が家族たちを収容するもう一つの理由は、想像がつきますでしょうか?
それは彼らが人質として機能するからです。
こういったことは北朝鮮の得意分野ですね。
例えば北朝鮮には、外交官が海外に渡航する際、必ず子どものうち1人は北朝鮮に人質として残すという鉄の掟があります。
外交官が脱北した場合、家族は政治犯収容所に送られることになります。
北朝鮮の卑劣な政策のせいで、どれだけの家族が約1世紀の間に散り散りになったことか。
金正恩はそれだけでは気が済まなかったようです。
ロシア兵士の身代わりになる自国の軍人が脱走するのを恐れ、彼らを監視し、何かあった場合すぐに射殺するための要員を派遣したといいます。
北朝鮮をおいて、世界のどこにこんな国があるというのでしょうか。
先日、ウクライナの要請で始まった国連安保理で、アメリカのウッド国連次席大使は、筋の通らない答弁を続ける北朝鮮の大使に「もし北朝鮮の部隊がロシア支援でウクライナに入れば、戻るのはバディバッグ(遺体袋)になるだろう。金総書記には無謀な行為を考え直すようにアドバイスする」と述べました。
このニュースを読んで私は、アメリカのウッド大使はなんと自由で民主的な国家らしい発想をするのだろうと唸りました。
金正恩は、派兵を決断した時点から1人でも多くの自国兵が戦場で犠牲になることを願っているに違いありません。それが後に得る利益を大きくするのでしょうから。
ここでの利益とは、お金もありますが、金正恩が喉から手が出るくらい欲しがっているロシアの最新軍事技術の獲得です。
一説では、金正恩がさらに10万人近くの傭兵を派遣するという予想もあるようです😢
ウッド大使の発言に戻ると「戻るのはバディバッグ(遺体袋)になる」とありますが、北朝鮮では海外で亡くなった場合、よほどのことがなければ遺体が帰国することはないと言われています。
その例として、韓国KBSによると、北朝鮮と繋がっている川に洪水によるものなのか、遺体が流れてくる場合があるといいます。
その遺体は金一家のバッヂを付けているなど明らかに北朝鮮の人だということで、南北連絡事務所から遺体を回収するよう連絡しても一向に返答がなかったというエピソードがあります。
北朝鮮では生きるだけでも大変なので、遺体を丁寧に弔う余裕などありません。街で死体が転がっていても、みんな見て見ないふりをしますし、それほど珍しいことでもないのです。
ロシアで金正恩のために命を捧げた兵士らも同じ運命をたどるといわれています。
前回の記事に書いたように、北朝鮮は兵士らを派遣する見返りに毎月一人当たり2000〜3000ドル(ロシア兵士の半額)を手にする契約になっています。
そして、兵士が戦死した場合も高額な補償金が支払われるようになっているようなのです。
おそらく補償金を受け取ってしまえば、北朝鮮にとっては遺体など無用の長物でしょう。後は野に帰ればいいなどと思っているか、そもそも考えが及んでいないかもしれません。
彼らの遺体を運ぶ場合、高額の輸送費がかかります。北朝鮮の国民が運ばれてきた遺体を見て動揺する可能性もあるので、“良いことなし”と判断するのでは。
国民を道具としか思っていない金正恩。
本当に心の底から許せません。
ウクライナのゼレンスキー大統領は韓国メディアのインタービューに、北朝鮮兵士が捕虜になっても韓国に返すことはないと断言しました。なぜなら、すべての捕虜はロシアに捕まったウクライナ兵と交換する材料として役立つからです。
ロウ戦争が続く間は北朝鮮兵の捕虜が(今度はウクライナ側の戦力として)戦闘に動員される可能性があります。
ほぼあり得ないと思いますが、そういった死地をくぐり抜けて戦後に北朝鮮へ戻ったとしても、彼らを待ち受けているのは政治犯収容所への送致という非情な現実です。
北朝鮮では昔から敵に捕まったら自決するように教育されており、それに反して生き残った人間は罪人以外の何者でもないからです。
この戦争に派遣されたが最後、それがどんな意味にせよ彼らは故郷へは戻れないのです。
韓国政府もこれらの状況を踏まえた上で、ウクライナと緊密に情報共有をしていくと言っています。かなりの人数が韓国へ亡命することになるのではないでしょうか。
多くの兵を失うことになれば、金正恩にもかなりの打撃となるので、再度の派遣は実質、不可能になるといえます。
現在、インターネット上にはすでにウクライナ兵に捕まった北朝鮮兵の動画が出回っています。
“韓国から軍事的な支援を受けるため”のウクライナによる情報操作の可能性を指摘する専門家もいます。
インターネットで意図的に拡散された情報がどこまで信用できるのか…
こういう時代だから一人ひとりが鋭い感覚を持ち、情報を選別した上で取り入れていく能力が求められますね。
北朝鮮の憐れな若者(兵士)を救う方法はないのでしょうか。
本日、午後にはアメリカ選挙の結果が分かるのでしょうか?
その結果によってこれらの問題はまた大きな局面を迎えるでしょう。
ではまた。
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