秋の夜長である。 今年、我が家では向日葵が咲き乱れ、大変に目を楽しませてくれた。この頃は首を擡げた花に、四十雀達が器用に掴まり種を食べていて、それはとても可愛らしく、一足先の秋の味覚に舌鼓とばかりに美しい声で囀ずっていた。 この向日葵、特別にどうという事も無く、ホームセンターで偶々目に入り買った種を芽吹かせたモノで、こうまで上手に咲くとは全く思っておらず、すっかり気を良くして種子孫々、毎年咲かせようという事になり、先の四十雀には申し訳ないが、此処等で一度来年まで待って貰う
田舎暮らしは忙しい。 「忙しい」とは心を滅ぼすと書くので、オレは使いたく無いとカッコつけてる友人が居るが、田舎暮らしの忙しさは心ばかりか肉体も十分に疲れる。 朝夕は冷え込む日も増え、とうとう薪ストーブの火入れが始まってしまった。 ここへ越してきて、三度目の冬を迎えるに辺り、去年も一昨年も当に冬のピークで薪欠乏の失敗を繰り返しているので、ここらでシコタマ用意しておきたい所。優しく楽しい隣人千葉さんの好意で廃材を頂き、ソレを丁度の長さに切り出しては、家の周りに積み上げるのだ
俺と出会い、俺に巻き込まれなければ、カフェ等を巡りボーっと過ごすのが趣味であった妻。 巻き込まれたばっかりに、ボーっとする暇もなく、あちこち連れ回される上、動物の世話だの畑の世話だの子供の世話だの冬は薪をストーブに放り込む等で、忙しい田舎暮らしのすっかりカントリーマァムに変貌してしまった。 たまには1人で子供の居ない時間帯はカフェ行きたい❗クルマ乗らないで自転車や徒歩でトコトコ行ける所に行きたい❗田舎じゃ出歩くのが大変だ❗なんてな不満を歪曲して解釈したオレは、クルマじゃ
立秋。開拓を進める我が家周辺も、秋の香りが立ち込め、夏の名残を秋の優しさが包んで行くようである。 この初秋、新しい山羊を迎えた。 一昨年の開拓当初、草が余りにも茂り、どうにも初老一人、細腕一人、陽気な幼児二人では軽く捻られ太刀打ち出来ないので、何かイイ方法は無いものかと、如何にも俄の思い付きで、ヤギに食べさせて処理しようかという事に決め、リボン♀キャンディ♂を迎えたのだが、我々家族の知識不足、販売元の杜撰な飼育で近親交配が濃い等の理由であっけなくキャンディが夭逝。
#ウクライナ#千羽鶴 今回の件に限らず、何かあると話題に上がる「折鶴問題」。 戦禍や災害で苦しむ人々に、自分にも何か出来る事はないかと言う思いを、いきなり手元の行動を取る事にもっていきがちだが、先ず"知る"事から初めてみては如何であろうか。 折鶴問題が槍玉に上がるのは、俺が知っているだけでも一度や二度ではない。 少なくとも此度のウクライナ戦禍にあって、酷い境遇に陥った市民が大勢居ることを、何らかの形で知っているから折鶴を送る事を思い付いたのであるから、情報に触れる位置に居る
クレー射撃に凝っている。 アーイとかハーイやら言うと皿が出て来てそれを撃つ。 2発以内で当てればオッケー。実にシンプル。 アーイ、ドーン。アーイ、ドーン。 そんな感じ。 何がそんなに面白いのか分からないけど、面白い。 何がそんなに面白いのか? 人の懐具合がやたら気になるアホが居る。 当然カネの話が好きで、何かって言えば直ぐカネに結びつけて話す阿呆。 でもそのせいでカネにかえって嫌われていると思う。 で、顔合わせばまたカネの話。 そんな彼と何年も仕事をしていたけど、オレは
腹が立つ、頭に来るという所謂「怒り」は「~でなくてはならない」「~すべき」という思い込みが阻害されたり遮断されたりした時に発生するものであるという。 例えば自分が設定したルールを無視される(元に戻さないといった)であるとか、押し付けがましい人間に対する嫌悪(上から頭ごなしに命令される等) という事がある。 一つ目で言えば、毎度散らかされるというのはその都度片付け無くてはならないこちらの立場をどうして慮らないのか?という所に怒りが、二つ目で言えば、こちらの事情都合を無
#エッセイ#小説#日記 春である。 春は雪にどこぞのアホな誰かが隠したゴミが、怒りを顕にする以外は概ね清々しく、いくつになっても往来で、または部屋でと場所を問わずにウオーとかウワーとかフーといった無根拠な大声を発してモヤモヤを吹き飛ばしたい衝動に駆られてしまう。オレの住まう地域の今時分の春は、まだ草花は僅かに芽吹き、概ねシナシナの茶色を冷たい風に靡かす肌寒いものであるが、わざとらしいとすら思える絵の具の水色空は、夏のそれとは違って少しか淡く、それもまた爽やかで良い。へーく
#コラム#エッセイ 北の兄貴が具合悪いらしい。 だからといって別にどうという事では無いし、オレが兄貴の暴君ブリを声高に叫んでみた所で、この憂い多き世界がどうにかなったりもしないのだけど、兄貴が37でオレが36。 オレもぐんぐん体重増加中で、反比例してクイックネスはずんずん下降中。高い教育を受けた兄貴があんな風に振る舞うのは、良し悪しはともかく、やはり国を思っての事であんのかなぁと思ったり、オレもコロナやべーのかなぁだとか、子供らがかかったらやだなぁといった心配事も目瞑っ