帰宅部をバカにしていた
帰宅部はつまらないと思っていた。
スポーツや音楽、研究に熱中するのではなく、ただ友人と雑談を交わし、異性を追っかけ、少しばかりの時間をもてあます帰宅部たちを。
僕は小学3年生から高3の夏までずっと野球部に所属していた。ただひたすらに野球が好きだった。1日の大半を野球に費やしていた。
大学時代は野球漬けの日々から一転したものの、サークル活動に熱中した。
何かしらの組織に所属し、目の前のことに熱中してきた人生。一方、いまの僕は会社に所属せず、無所属の人間である。
僕は、「社会の帰宅部」のような存在だ。
気付いたことがある。帰宅部は思ったよりも楽しい。平日から友人と公園でキャッチボールをしたり、父親と焚火をして、だらだら過ごすのも良いもんだ。
どこの組織に所属することもなく、ふらふらと自分なりの時間を過ごす。「社会の帰宅部」には大勢の仲間もいる。
大きな目標もなければ、日々の努力も不要。ただ時間が流れていく。帰宅部には帰宅部なりの心地よさがある。がむしゃらに汗水垂らして生きる姿は美しい。けれど、頑張らない世界もいいものだ。
帰宅部、サイコー。