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【暮らしを旅する日記】ドイツ編 ep. 3

📍Hamburg (Germany)

13 Apr. 2022

あてもなく街をふらつく傍ら、日本の友人に電話を掛けてみた。こんなダラダラとした時間によく付き合ってくれるものだと感謝しつつ、この空間と、彼女の空間を、どうしたって共有しきれないことが少し寂しくもあった。

早くもデロデロと溶け出したピスタチオジェラートを片手に、港を目指しひたすらに歩く。照り付ける日差しは、もはや初夏のようですらあった。

公園には桜も咲いていた。

港でSと待ち合わせ。無造作に並ぶコンテナをオフィスに、仕事をしているのだというから驚いた。港に並ぶ赤レンガの倉庫は横浜の景色を想像させたが、それよりもずぅっとずっしり大きい。倉庫の間の運河を行く舟を橋から見下ろした。

「せっかくだから船に乗ってみようか」公共交通でもある船のチケットは、案外お手頃なのだという。

次の船まで少しある。「もうCurry Wurst*は試した?」まだだと首を横に振ると、駅の中の売店へと案内してくれた。港で船を待ちながら半分こ。人と食べるご飯。美味しいでしょ?、と微笑む彼女から、私は溢れそうなくらいたくさんのものをもらっている。

港で半分ずつ

ゆっくりと進む船の上から、「私の恋人は、向こう岸の工事現場で仕事をしているのよ」と教えてくれた。川の向こうとこちらで、日中働く彼らを想像してみる。

すっかり遅くなっちゃったね、と家に連絡をしてみると、「夜ご飯作って待ってるから、気をつけて帰っておいで」と、彼。空っぽの地下鉄に、私たちは並んで座った。

*ソーセージにケチャップとカレー粉をかけたもの

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