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卵が割れた日
今日はなんだかちょっとずつダメな日
鼻の調子は悪いし、毎週買ってる好きなパンが3種類全て売り切れだったし
買った卵がド派手に割れた
会計を済ませ、袋詰めも済ませ、カートに荷物を積んだ直後だ
袋詰め用のテーブルが混雑していて、早く使いたそうな人の空気を感じ取った私は慌てて空のカゴを片そうと手を離した一瞬のうちに
カートに積んだ袋から卵パックがするりと滑り、スーパーの地面にぐちゃっと着地したのだ
思わず「わぁ!」と声が出て左耳を熱く(きっと赤く)しながら、静かに透明の袋に片して駐車場に戻った
何個の卵が生き残っているだろう
車の中で卵パックを手に取り、確認しようとした
ら
卵白がどろっと
どろ~っと、流れ出て、私のマフラーをつたった
「えええええー」と思いっきり声を出しながら心の中では「アレ」みたいだなと卑猥な連想をしたりなんかして
反射的ににおいを嗅いでみたけど「アレ」のにおいはしなかった
(当たり前だが、頭の中は卵白ではなく「アレ」だったから致し方ない)
でも、今日はダメだなぁと若干落ち込んだりもした
人間なんて、ちっぽけなことでも連続して起こると変に都合よく繋ぎ合わせて落ち込むもんなんだな
帰宅後、べっちょべちょの卵パックを確認したら、要救助卵は4個
6個は気持ちがいい程に割れていた
あんなに派手に落としたのに意外と全滅ではなかったことに少し元気が出た
私は単純だなと思いながらも
ダメにしてしまった6つの命に「ごめんなさい」と謝りながら片付けた
そして思った
「いい加減、殻破れよ」ってことか?
そうなのか?
神様、仏様、卵様
そういうことなのですか?
経済的自立をしようとか考えてるだけで職歴書の更新は途中だったし、エージェントは調べただけで止まってたし、なんだかんだ家で自分のペースでできる今の仕事環境を手放したくない気持ちもあったし、外で働き出した時の夜が忙しくなるとか、筋トレの時間がなくなるとか、暗い中、雨の日も風の日も子どものお迎え行ってからの帰宅か・・・とか、先延ばしにする言い訳ばっかり挙げて早半年
1年の半分なんてあっという間に過ぎてた
卵が割れた今日
「汝、殻を破りてみよ」というお告げに、無理くり変換もできたので
アカウントだけ作ってそのままだったnoteも今日から
「いい加減、殻破れよ」と卵が言ったから二月七日は孵化《フカ》記念日