オール明けの朝。

妙にすっきりとした頭で地上に出ると、空は白と灰で覆い尽くされた曇天。朝かあ…なんて自明なことを呟きながら、通りを歩く。そこにいる人間だけが夜に取り残されている。かと思えば朝練前の中学生とすれ違ったりして、軽い絶望感を覚える。こちらはもう今日を終わらせてきたというのに。始発電車内の居眠り率はほぼ100%。彼らが今日という日を始めようとしているのか、私たちのように終わらせてきたのか、それは伺い知れないけれど。皆に漏れず、遠のく意識の中で降車駅の名だけは聞き逃すまいと思いながら座席に身を預ける。3時、みんな限界が来始めた頃、猫のように丸くなって寝てたあの人。あんなにたくさん歌ったのに、頭にあるのは歌ってない彼の姿で、、ばかだなあ。とりあえず寝よう、3時まで。非生産的極まりない1日のようで、今しかできない1日の過ごし方。この先、なにも生み出さなくていい1日が恋しくなる日が、来るかもしれない。

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