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旅が足りていない

ライフネット生命の創設者で、立命館アジア太平洋大学学長の出口さんは、ことあるごとに「人・本・旅」が人生には必要だと仰っています。ぼくは、本は大好きですが、人が嫌いで旅が下手なので、「人(X)・本(◎)・旅(X)」長らく赤点状態でしたが、最近は仕事の幅が広がったことで、国内ではあるものの、あちこち行くようになったし、人に会うことも増えたので、そろそろ及第点をいただけるかも知れません。

そんなことを考えていた矢先に、たまたま立ち寄った文京区・白山の本屋さん(plateau books)で『いま生きているという冒険』という本を見つけ、思わず購入しました。

ぼくは、石川直樹さんの写真が好きで、写真集はほとんど購入しているし、オペラシティで開催された写真展『この星の光の地図を写す』にも行きました。以前は写真ばかりを見ていましたが、どうやら石川さんは文章がめっちゃうまいです。特殊な環境に身を置きながらも、平易な言葉で伝える様は、井上ひさしさんの言う「自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書く」を体現されているな、と感じました。

この本は、石川さんの旅の記録です。ぼくのような旅素人だと、世界の辺境を旅すること、冒険することの危険にクラクラしてたじろいでしまいます。同時に、うらやましいな、やってみたいな、旅に出たいな、という思いも湧いてきます。すっかり中年になってしまって、守るべきものが増えてしまったので危険を顧みず動くことがかなわない状況ですが、それでも世界は見なきゃダメだなと確信したので、改めて「人・本・旅」の充実を目指したいと思います。

旅慣れた人、一緒に旅してもらえませんでしょうか?
いや、この人任せの態度がダメなのか。でも、慣れるまでは仕方ない。
なにとぞ、よろしくお願いします。

この本は、甥っ子にプレゼントしようと思います。

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