Cha.kotaro

祖父が始めたお茶屋さんを継ぎ、3代目としてお茶と向き合いながらお茶を多くの方に飲んでもらうための方法を考えています。自分が思う事をつらつらと書いていきます。お茶のうずまき屋の茶師です。

Cha.kotaro

祖父が始めたお茶屋さんを継ぎ、3代目としてお茶と向き合いながらお茶を多くの方に飲んでもらうための方法を考えています。自分が思う事をつらつらと書いていきます。お茶のうずまき屋の茶師です。

最近の記事

嗜好品を伝える難しさと意外とシンプルな話

嗜好品ってファンになることなのかなと思います。 嗜好品を少しだけわかってもらいたい話です。 嗜好品って誰がどんな物が好きでも誰に対しても責任はなくて、完全に自分の好みだけを追求していいもののことだと思っています。だからこそ、誰もが好きな物に対してマニアだし、オタクだし、語ったり薦めたりするものだろうと思います。そして、誰かが何かを勧めてきたり、また語っていたとしても、実際自分がそれを受け入れるかどうかも自由だし、相手がどうであれ自由だと思っています。もちろん、間違ったことを発

    • 笑顔になれる飲み物をつくる人でありたい

      もやしもん第8巻を読んでいて、ふと思ったこと 片付けをしていたときに大好きなビールのことをフワフワと考えていた。最近はお茶だけに限らず嗜好品と呼ばれるお酒全般やコーヒーなどにもしっかりと目を向けてある程度の知識をつけていきたいと思っている。そんなときに、ガサっと一冊の本が落ちてきた。片付けながら目についたその本は「もやしもん」だった。もやしもんは主人公が菌が見えるという設定で農大に通いながら酒造りなど多くのことを経験しながら成長していく物語なのだが、これが実に勉強になる内容に

      • 自分の感覚には責任を持っている

        物の価値を決めるというのは、いつだって重大なプレッシャーがかかる。 茶師という仕事を継いでからというもの、茶を見ては評価し味を見ては評価し、香りを嗅いでは評価して、価値を判断してきた。 もちろん、最初から判断を任されていたわけではない。父の仕事を見ながら、自分には到底できない仕事の一つだと思っていた。そのお茶を買わない選択をすることで、そのあと「買っておけばよかった」と後悔したり、「こんなに良いお茶を作ったのに買わないなんて」と農家さんが悲しむことを考えてしまったり、自分には

        • たまに悪者に感じてしまうことについて

          自分たちは農家さんにとって悪者なのか 茶業者には、大きく分けてお茶屋、茶問屋、茶農家があります。 自分は茶問屋。 農家、または大手の問屋から仕入れを行い加工してお茶屋に卸すのが主な仕事です。 詳しくはその中で、色んな加工技術によって、年間の品質を安定させたり、価値と価格を決めたりという茶師の仕事を自分はしています。 さて。 価値と価格を決める。 そして仕入れ。 この2つの仕事が4月下旬から6月中旬まで続く、長く楽しくも苦しみが伴う仕事です。 見本として見せてもらう茶葉の味や

          食事+お茶

          色んな食事にお茶を合わせてみよう。 お茶は手持ちの茶葉なら何でもいいと思う。 試してみるという気軽な気持ちでぜひ! あらゆる食事時にお茶が添えられていても全く違和感がないと僕は思う。 煎茶であれ、紅茶であれ、烏龍茶であれ、そのほかのお茶であっても、よほどのミスマッチがない限りは殆どの食事やオヤツの時間でお茶があることに不自然なことはない。 お茶があることによって、その食べ物の存在感は増し、味わい深くなったり、舌の感覚をリセットしてくれたりする。 ティーペアリングという言

          食事+お茶

          新茶のはじまり

          今年も種子島から始まり、鹿児島県の知覧、大根占と移り鹿児島市や鹿屋、薩摩川内市や霧島市とだんだんと北上しつつ、その流れは全国的に広がり、お茶屋さんに新茶が並ぶようになってきました。 まだまだ出揃っている感じではなく、日々農家の皆さんは管理、摘採、製造、出品と忙しい日々を過ごし、また茶商の皆さんは自分たちの大切なお客様に向けて最適なお茶を選び仕上げたり合組したりと、これまた忙しい日々を過ごしています。 お茶つくりに簡単だった年などあったことは無いでしょう。そして、今年もまた難

          新茶のはじまり

          よく見てみると。

          ついに2023年の新茶の波が大きくなってきました。 鹿児島の種子島から始まり、静岡も早い場所だと摘み始め、市場も開きました。 これからドカッと市場に農家さんの手塩にかけて育てた茶葉たちが押し寄せて来るでしょう。 この波に乗るか乗らないかも、茶師または茶商の腕というか気分というか、どういうお茶を狙うかという気持ち次第です。 早く販売開始して、新茶を求める人へいち早く届けたい気持ち 好きな農家さんや好きな品種が出てくるまで待ちたい気持ち それぞれがこだわったものを作るか

          よく見てみると。

          書きたいと思うことを書いていきます。

          はじめまして。 私は、茶師というお茶に関わる仕事をしています。 祖父が始めたお茶屋を継ぎ、三代目として日々悪戦苦闘しながらも、お茶に対して真面目に向き合い、私が思う「美味しい」を信じてお茶を買ってくださるお客様に「美味しいお茶」をお届けしております。 TwitterやInstagramでは、少し書きずらいことや気分が乗らないと書けないようなことを書いていくことが多いと思います。 お茶によって生かしてもらい、お茶で家族を守っていく私の仕事の話とお茶を生産する農家さんとお茶を販売

          書きたいと思うことを書いていきます。