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しめ縄・しめ飾りのこと

 年末になると、神社で新しいしめ縄を作って飾ったとニュースになります。同様に一般のお宅でも玄関にしめ飾りを飾ります。

しめ飾りを飾る日

 神社の新しいしめ縄は12月の中ごろにニュースになりますが、一般のお宅のしめ飾りは12月28日か30日に飾ります。

 29日は九日飾り(くにちかざり)といって、9が苦に通ずるから29日はしめ飾りを飾らない。31日は一夜飾りになるからしめ飾りを飾らない。母からそう教わりました。 

しめ飾りを作る人

 しめ飾りの作り手は昔は家の当主、家長が担いました。

 身を清めてワラで作り始めます。地方によっては正装でしめ飾りを作りました。紋付きの羽織を着て袴をはいて、しめ飾りを作っている人の写真を見たことがありますが、見ているこちらまで気持ちが引き締まり、背筋も伸びる感じがしました。

 神職でなくとも神様とともに生活している人たちがいることを感じました。

叔父さんのしめ飾り

 かつて実家には農家の叔父がしめ飾りを作って持ってきてくれました。大きめのしめ飾りでしたから、お正月を迎えるのに華やぎを添えてくれるしめ飾りでした。

 叔父も身を清めてしめ飾りを作ったのでしょうが、紋付きを着たかどうかは話していなかったので、多分服装はいつもの作業着だったのではないかと思います。

 ここで「身を清める行為」とは具体的にどんなことをするのだろう?と思いました。神社にお参りするときは本殿に行く前の手水鉢で手を洗います。叔父はきっと手を洗ってからしめ飾りを作ったのだろうなと思います。

 厳格な人ならば、身体を洗ってからしめ飾りを作ったのかもしれません。

いつもとは違う縄ない

 しめ縄は「左ない」に縄をなうのだそうです。ふだんの縄は右ないです。

 縄ない未経験の私にはふだんと逆に作るのだろうとしか想像できません。

 いつもと逆に手を動かすのは、始めは難しいでしょう。

 今さらですが、叔父に作るときの苦労話でも聞いておけばよかったと思います。

大きなしめ縄

 神社に飾るしめ縄はとても大きいですね。最も大きいのは出雲大社でしょうか。

 何人もの神職の方たちが白装束で大きな縄を作っている様子が映ると、これは力仕事だし作業着で作れればいいのにと思ってしまいます。

 でもこれも大切な神事。そうはいきませんよね。

しめ飾りのかたち

 しめ飾りのかたちはその土地で独特なかたちになっていました。

 先日、しめ飾りの講習会の様子がローカルニュースで取り上げられていました。しめ飾りの作り手が減っているので、土地のしめ飾りを多くの人に作ってもらえるように、地元の方が主催して開いた講習会。

 集まった顔ぶれは女性が多く、平日の昼間は男性が集まらないのは、この土地も会社勤めの人が多いからなのだろう、農家が減ったのだろうと想像して見ていました。

 そこで作られたしめ飾りはシンプルなものでした。しめ縄にワラ束をいくつか挟んだもの。簡潔なかたちだからこそ清々しい印象です。みんな一生懸命に作っていました。感想は「難しかったけど、満足です」というものでした。

 参加者たちの年末年始はそれだけでもとても充実していますね。

しめ縄・しめ飾りの意味

 しめ縄やしめ飾りは「清浄な空間」を表すものです。「家は掃除したから、神様来てください」とか「今年は亡くなった家族がいませんから、神様来てね」とかそんなことをしめ縄やしめ飾りが表現しているのです。

 だから、我が家でもしめ飾りを飾ります。スーパーで買ったものですが。

 神様、我が家にも顔をだしてね。できれば福の神様がいいんですけど。

 皆さまどうぞ良いお年をお迎えください。

 

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