【自著紹介】「後宮の舞妃」
【あらすじ】
「――あのときも、そなたは言ってくれた。私に降りかかる厄災は自分が払ってみせる、と。そして、そなたが身代わりになるように死の運命に囚われてしまったのだ」
■舞手の一族に生まれた娘・リーシャは、皇帝であるユンロンに見初められ、妃として後宮入りすることになる。麗しく眉目秀麗なユンロンに見惚れてしまうリーシャ。しかし、求められ迎え入れられたはずなのに床入りしてもユンロンはリーシャに触れようとしない。心中にわだかまりを持ちながら過ごすリーシャだが、ある日を境にユンロンとの距離は一気に縮まっていく。
露わになった白い肌を滑る指先、とろけるように優しく触れられ、ときには激しく貪るように内側から揺さぶられる。誰も触れたことのない花弁を曝かれ、女性としての悦びを教え込まれるリーシャは身の内が震えてしまうほどに体が疼き、ユンロンの愛欲に濡れた瞳から目を離せない。互いに寄り添い、愛を育むように日々を過ごしていくが、リーシャには身の危険が迫っていた。そして、いままで抱えていたリーシャの疑問に答えを出したのは、追いつめられたユンロン自身が紡ぐ、衝撃の真実だった。禁じられた愛の連鎖は、ふたりを分かつのだろうか……。――憂いを帯びた若き王と可憐な舞姫が紡ぐ、後宮の秘められた夏恋譚。
4作目は中華風ファンタジー第二弾です。中華モノはあまり売れないと言われる中、よく出させていただけたな…と今思えば感慨深い作品です。
この作品について語ろうとすると肝心な部分のネタバレになってしまうので難しいのですが、かなり意欲的な内容となっています。TL小説の王道はうまい作家さんたちがやりつくしてしまっただろうから、何か変化球を…と思い、まだTL小説にはそのときそんなになかった○○○○○○要素を加えたものです。新人らしい野心を抱いていたのですが、あまりに変化球になりすぎて、合わない人にはとことん合わない作品になってしまったのかなという感じです。
でもそのぶん、ハマる人はとことんハマるものになっていますので、好きな方に届いてほしい〜!というのが願いです。
この作品はとにかく秘密とか謎が多いのです。
皇帝ユンロンは舞姫リーシャを見初めて後宮に迎えたのに、すぐには触れようとしない。日々優しくしてくれるし、想いも通わせているはずなのに一線は超えない。そのことに不安と不満を覚えたリーシャが体当たりでぶつかっていくことでユンロンとの関係を進めていくのですが、それによって彼の抱える秘密を知ってしまうんです。愛する人の秘密と苦悩を知ったリーシャはそれに立ち向かっていくと決めたのですが、それによって命が脅かされるようになる…という物語です。
過酷な運命に立ち向かうヒロインが好き、怯えるイケメンが好き、タ○○○○プが好き、もしくは一越A区先生の描かれる美麗イラストが好き、という方にはオススメです。
「少女薬師と甘美な眠り」でお世話になった一越先生に再び表紙を担当していただけた、とても素敵な作品になっています。中華モノを書かせていただけた貴重な機会の2作とも一越先生に描いていただけるなんて、おそらく人生の運のかなりの割合をここで使ってしまったのではないかと本気で思っています。
苦難のあとのハッピーエンドはお約束しますので、ドキドキハラハラギリギリしても最後までお読みいただければと思います。
※ヴァニラ文庫うふには挿絵がありません。でも、そのぶん本編のボリュームに対してお値段お手頃になっておりますので!