6年目、初日
お久しぶりです。
今週の日曜日に「文壇バーゴヰチカ」のvol2
今回は今一生さんをお呼びしてあれこれ考えていきたいと思います。
てかそもそもゴヰチカってなにって人もいると思うんですけど、これに関しては長くなるので店で聞いてください。
表題、分かる人は多分、寒!って思うかもしれないんですけど、アンドロイドは電気羊の夢を見るかのパロディです。
昔読んだ本でなんとなく頭に残っていて、今の世の中とリンクする部分があったから引っ張り出して使ってみました。
以下、関係ないようである話。
俺ですら忘れてたけど丁度今日、10月1日は茶茶の5周年の日なんです。
平素、皆様におかれましては格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。茶茶は来月引っ越します。詳しくは店頭にて
6年目の初日
今日来たお客さんは偶然きた多少の常連さんと、新規の1人の人。
その新規の方は入店早々に「僕、客じゃないんです」と言った。
8月以降何度かあった。バイトを探している。曰く、コロナで仕事がなくなったと。
ご覧の通りで、俺も人を雇うような余裕はない。
けどどうしても何とか力になりたくて、知り合いに電話をかけて探してみたけれどなかなか条件に合う仕事は見つからなかった。
体が元気なら日払いの現場仕事を斡旋できる仲間はいる。
でも彼は、何年前かの交通事故で足腰が不自由らしい。
見た感じは本当に普通の青年で、受け答えもっしっかりしているし、勿論、目に生気は感じないけどその状況ならみんなそうなるだろう。
こんなに悔しい気持ちになったのは何年振りか。
俺は彼一人雇うことができないのか。
連絡先は聞いた。もしいい仕事が他に見つからなかったらまた来てほしいと言った。でも彼に今日の仕事を今日提供できなかった。
彼は、まぎれもなくこの店の大切な客である。
飲む、飲まない。お金が有る無しは関係ない。
こんな変な店の扉を開けるのにどれだけ勇気がいっただろうか。
そんな彼に仕事を提供できなかった。情報ならいくらでも提供できるし、紹介だって選ばなければできるかもしれない。
でも彼が求めていたのは恐らく、安心できる場所と仕事。そして仲間
安心を与えられない悔しさ。
皮肉にも一生忘れない日になった。
生活保護の申請を一刻も早く受けてほしいとも思ったが、聡明そうな彼は恐らくすでにそうしているはずだし、そしてそれが足枷となって役所に突っぱねられるだろう。
俺のやりたいことは何か。ずっと考えてきたけれど、心動かされる出来事は久々だったから、一度冷静にならないといけないのかも知れない。
ただ、明らかに、生きづらい社会のシステムに異議がある。
7年目の今日がこんな社会でいいはずがない。けど、さらに悪くなってたっておかしくない。
俺は目の前のことをやるだけ、やるだけなんだけども、そのスピードと幅の問題。
将来の事は、わからないけども少なくとも次に進むべき場所は見えた。
生きづらい社会で生きるには仲間がいる。
どうか、彼には俺たちの仲間になってほしい。
俺はそういう場所を作る。ずっと作ってる、怒られるけど。ずっとやるしかないのよ。
7年目の今日は多分新しい場所で、新しい匂いがするだろうけど、本質は何も変わっちゃいないはずなので安心してね。
久しぶりで取り留めのない文章になってしまったけど残さずにはいられなかった。
さあ、やる。近いうちにまた来てくれ。
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