11年前のGWに私は妊娠をした。
私達夫婦は、不妊治療を経験している。あの時もとんでもなく辛かった。
好きな人と結婚して幸せな生活を送っていて、どんなに恵まれていても、子どもだけが授からない。
寝ても覚めても、いつだって忘れる事ができないくらい…
早く欲しくて欲しくてたまらなかった。
子どもさえ授かれば、他は何にもいらない!それくらい欲しかったのだ。
これがいい!と言われることは何だってしてきた。これ妊娠にいいよと言われると、何だって飛びついた。
あの時、もう子どもはいらない…という結論が出ていたら、苦しまなくてすんだんだろう。そこで、悩みがなくなるし、今あるもの全てに感謝して生活ができるのに…。
それくらい辛かったんだけど、どう頑張っても私には諦められなかった。とことん納得するまでやってやろうじゃないか!うぉりゃー!といつもエンジン全開で、リセットしては大泣きの日々。
あの時代は、お金の負担も凄くって、めっちゃくちゃキツかった。
不妊治療で有名な病院を予約して、だいぶ待って、高いお金を払い、体外受精に挑戦もした。
もうね、治療も結構辛いのよね。確か卵をいっぱい作るために、自分で自分のお腹に注射したりしたんだけどね。怖かったけど、気合いでやってたよね。
必死こいて頑張って、いざ採卵の日の当日がこれまた全然うまいこといかなくってね。
もう、なんなん!って、この怒りどこにぶつけたらええねん!言う感じ。
まぁ、ぶつける先は当たり前の夫なんだけどね。
愚痴る先はあの宇宙人だけだった。もちろんあの時から気の利いた言葉なんてないんだけど、聞き流し上手だったのが、ほんと救いだった。ワーキャー泣き叫んでも、壁打ちみたいな存在でいてくれた。
不妊治療の辛さの1つに、できない原因がなんなのかわからないというのがあると思う。
これやったから、絶対大丈夫!てのがないのも辛いんだと思う。
これ、ほんっと今の苦しみとおんなじなんだわ。
不登校だって、これって言う原因がわからないことが多いし、追求はあまりしない方がいいと言われている。
これやったら、絶対大丈夫!てのもないと思う。
私は昨日久しぶりにあの不妊治療時代に書いた日記を読み返した。
11年前の私はあの苦しい時期になんて書いていたのか、めちゃめちゃ気になってしまったからだ。
この日記を書いた直後の11年前のGW。
私は、エコーで息子の胎嚢を見ることができたのだった。
奇跡が起きた瞬間だ。
あんな幸せなGWは初めてだった。鯉のぼりがとても輝いて見えた。
私は今、不登校で引きこもる息子と生活をしている。
どうしたらいいのか?必死でがむしゃらに頑張ってきた1年だった。息子の状態がよくなればポジティブになり、悪くなればネガティブにもなった。
今の私はまだ、どんな悪い状態の息子を見ても大丈夫!と思える所まで強くはなれていない。
今の息子の状態から、明るい未来を信じられるほど、ポジティブな私になれているわけでもない。
でも、私はあの時と同じように一生懸命今を楽しんでいる。夫ともあの時と同じくらい仲良くなっている。息子に対しても、今できる精一杯を逃げずに戦っているつもりだ。
きっといつか笑える日がくるだろう。日記を読み返したら、なんだかそう思えてきた。