終遠ヴィルシュ感想(ネタバレ有り)

皆様こんにちは、薫風です。終遠のヴィルシュとかいうやべぇゲームをやったので話させてくれ。

※ここでは-error：salvation-の感想までしか書いてません、またネタバレしかないのと作者がただぐだぐだ言っているだけの場所です。

まず終遠のヴィルシュの概要から。

西ヨーロッパの小国アルぺシェール、この国は国民は23歳までしか生きられない死神に魅入られたの国であった。
この23の壁を越えるため、ある天才科学者はリライバー技術を確立させた。リライバー技術とは死ぬ前にその人の記憶を保存し、新たな体にその記憶ダウンロードする。この技術によって記憶を持ったまま永続的に生きることが可能になり人々は死に対抗する術を手に入れた。

そのような国で主人公セレスも生まれた。しかし彼女はそこにいるだけで人々を不幸にしてしまう「死神」と呼ばれる少女だった。
そんな彼女の前に「死の番人」と名乗る男が現れてー

から始まるクソ面白い乙女ゲームです。発売は皆様お馴染みオトメイト。シナリオはアンシャンテなどを手掛けた中山智美さん。イラストレーターはめっちゃ麗しいイラストを生み出す読さん。

※ここからネタバレ有り

○ストーリーについて
　このゲームの最大の特徴は全員のバッドエンドを見ないとハッピーエンドが見れない展開なのですが、これがまあやばい。バッドエンドがキツイ、救いとは…？みたいな展開しかない。このバトエン浴びると生半可なバトエンじゃ満足できなくなる。心折るのが上手すぎる。いうてハピエンも半分は"それってホントに救いですか"なやつだから、いやハピエンは本人達が幸せなら成立する物なのであれはハピエンなんです。いわゆる乙女ゲームのハピエンではない。
　でも納得ができるんです大量殺人犯が末長く幸せに生きましたでは、じゃあ殺された人々の思いはどうなるんだよって話だし。問題のあったホムンクルスが何ともなく主人公と結ばれましたもちょっとどうなんとなるし。攻略対象全員なんらかの罪や業を背負っていて、しっかり罪には罰ををやってるのがヴィルシュなんです。因果応報。
　てかヴィルシュの恋愛って少女漫画的な恋愛じゃない気がする。もちろんそういう風に描写してる部分もあるんだけど、この信頼関係？に名前をつけるなら恋愛だったかなみたいな。親愛、友愛、恋愛、憎悪、嫌悪、独占欲などの所謂他者に向ける重いじっとりとした感情を育む過程をひとことで表すなら恋愛だったってだけな気がする。相手を許す、許さない、の選択の中でお互い理解が深まり生まれた情を名付けるなら恋、愛だったんかな。相互理解って人と関わっていく上で重要なんだよな。すみません、あんまりまとまってないです。言葉にするのむずい。
あと倫理観の問題をまざまざと見せつけてくる。リライバー技術という理論的には不老不死になってしまったがゆえに、人が死と言う概念を希薄に感じるようになってしまったらどうなるのか。そんな人々を外界から見た時の異常性、閉ざされた世界だから歪んでいく思考、集団心理の怖さ。人から死という概念を取ってはいけない。人は地上から離れては生きられないんです。ヴィルシュの死はラピュタの地上だと思ってる。歪んだ倫理観は直せるのか、大衆の意識は変えられるのか？
ヴィルシュの根底には「人は変われるのか？」があると思います。(ここで言う人は個人と大衆どっちも含みます。)

○世界観について
　因習村を国にして外界から切り離したらこうなるんだ。最初ファンタジー味溢れる設定だなと思ってたらゴリゴリに科学やってた。その第一印象でそこまでリアルな設定作ってるとは思わないやん。リコリスにそんな効果あるとは知らんかった、よく設定に上手く練り込んだな。世界線の移動とかその衣装のゲームであると思わないやん。オタクが好きな設定全部盛りしてる。

○イラストについて
　読さん‼️読さんの絵麗しすぎるよ！共通ルート開始して30分ぐらいずっと「うわっ、顔がいいてか手のポーズ美味すぎではいや反射光の色使いめちゃ綺麗服の質感良〜髪の流れ流水みたいヤバ」がずっと頭の中駆け巡ってたよ。なんなら新たなスチル出るたびに「絵ウマ」って叫んでた。お気に入りのスチルはシアンの絶望エンドのとマティスの救済エンド、それからやっぱダハト黒幕バレのとこです。いや全部好きだから順位つけるの難しい。
　読さんのイラストのすごいところは状況説明と絵の映えが両立してるとこなんです。マティスくんの絶望エンドのスチルちゃんとカミーユの人格が入ったマティスって一枚絵でわかるのやばい。構図云々とか色合いがじゃなくて状況を描きだす能力が高い。その人の目つきだけで感情、人柄を描き分けるのって並大抵な事じゃない。でも普通に構図もかっこいい、あとライティングも。読さんが一番力発揮するのってSMSに上げるようなキャラのビジュを全面に押し出す絵じゃなくて、ゲームのスチルや小説の挿絵とか物語の盛り上げand状況説明の絵なんじゃないかと思う。てかたぶんそっちが本業だし。

○主人公(セレス)について
セレスさん！！最初幸薄気弱主人公だと思ってた。違います、後半の彼女は覚悟ガンギマリつよつよ女です。なんだあの意思の強さ、マティスルートのセレスさんがたぶん一番強い。どんなに傷つけられ罵られても告白を引き出すセレスやばい女です。強くなる過程も良い。傷つけあって傷を舐め合ってセレスの精神は洗練されました。やっぱそれぞれのルートでちょっとづつマインドが違うんで詳しくはルート別感想の方に書きます。

全体の感想はこんな感じです。各ルート別の記事で感想書くんで今回はここまで。とりあえずやばいゲームです、人の生死の倫理観についてめっちゃ考えられる。私は恋をしにきたのに？

話を終わろう、ではまた数日後に会いましょう。
またね。