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フォトマスターEX(その3)

作品提出で、どのような作品を出したか?
規定の
『芸術的な作品制作力ではなく、各種技法を用いた指導に役立つ作例制作力を見ます』
とあったことで、少々悩みました。

まず、鉄道写真での各種技法で頭に浮かんだのは、
「車両形式写真」「走行写真(走行形式)」「流し撮り写真」「バルブ写真」と、ここまでは浮かんだのですが、五つ目がなかなか浮かびません。
暫く悩んだ末、
『いつまでも悩んでいても仕方がない』
とりあえず作品をプリントし、後で考えることにしました。

最初にご覧頂くのは「車両形式写真」です。
ここで、「車両形式写真」の定義を記しておきます。

(以下、『形式写真を撮ろう』より引用)

○定義
「1枚の写真でその車両の特徴を出来るだけ多く明確に記録したもの」
「車両全体を写すことが主目的で、車両全体が見えるように撮影された写真」
○構図
撮影機材にもよるが、標準レンズ車両から斜め30度から45度程度に15m~20mほど下がった位置より撮影。
○撮影条件
電車の撮影で特に気になるのが架線などの影が車体にかかること。
撮影はできるだけ影が出にくい曇天を選ぶ方が良いとされている。
晴天時は、床下と車体とのコントラスト差が激しいので、床下が見えなかったり車体が露出オーバーで飛んでしまったりするので、気を付けなければいけない。
○カメラとレンズ
車両の細部まできっちりと写すためには解像力の高いカメラとレンズが必要。
そんな事から、コンパクトカメラではなく一眼レフが適している。
一眼レフもピンからキリまであるが、高いカメラだから形式写真に適しているというわけではないので、ボディが2万の一眼レフでも十分だと思う。
ただ、ピントを車両の奥までシャープに回すには絞り込んで撮影する必要があるため、できれば「絞り優先AE」のついているカメラを選ぶ方が良い。
レンズは、手前2線あけて撮影するには、40ミリ~70ミリ程度のレンズが必要。
標準レンズとして50ミリが付いてくるケースが多いが、50ミリで十分だと思われる。
35ミリ~70ミリクラスのズームレンズなどがついていれば、画角の自由度が増す。
ただし、安価なレンズだと標準レンズと比べて解像力が落ちる場合があり、その場合はピントが奥まであっていないような感じに仕上がったりするので、カメラボディと違いレンズの選定は慎重にする方が良い。
○露出
露出は、シャッタースピードと絞りによって決定するが、形式写真の場合はピントの合う範囲が広い方が良いので、絞りはF8~F11が良いと思われる。
フィルム感度を先に書いたようにISO50~100とすると、曇天では概ね1/15~1/30程度のシャッタースピードとなる。低速度なので手ぶれを起こさないように練習をする必要がある。
測光方式は画面に車両が半分以上入る写し方をしているわけだから、中央重点測光であれば問題無いが、曇天以外で車体と床下のコントラスト差が激しいときは床下部分に中央部を合わせてAEロックなどをする必要もあるだろう。
また、そういうのが面倒な場合は、最初から+0.3EV~1EV程度の露出補正をかける方法もある。
○ピント
とりあえず全体にピントを回す必要があるので、できるだけ車両の中心部分にピントを合わせる。
先頭車の場合、手前2線開けても画面中央は2つ目のドアくらいになるが、一応車番にピントを合わせてAFロックをしてから構図を決めるという方法が良いと思う。
露出の項でも書いたが、ピントの合う範囲を広げるために絞りはF8~F11をお薦めします。

(以上、『形式写真を撮ろう』より引用)
http://www.kokuden.com/club103/sec7/keishiki-index.htm

別の資料によると、撮影条件(定義)には、
・窓が全て閉まっている。
・表示は、スグに運用に就ける状態の表示であること。
・ライト等が点灯していること。
と、いう条件もあるようです。

引用が少々長くなりましたが、定義通りの形式写真は、プロでない限り撮れる機会がなかなかありません。
(自分の写真ストックの中でも、あまりありません。)
手っ取り早いのは、鉄道友の会に入会して、撮影会に参加することですが、色々と制約があるので、必ずしも定義通りの撮影が出来るとは限りません。

そこで、なるべく定義に近い写真を選びました。
選んだのは、JR東日本から北条鉄道に譲渡されたキハ40です。
タイトルは「試運転を前に」としました。
北条鉄道に運ばれてスグの頃で、五能線を走っていた頃のままの状態です。

「試運転を前に」

撮影データ
カメラ機種名 Canon EOS 7D Mark II
レンズ TS-E24mm f/3.5L II
焦点距離 24.0mm
撮影モード マニュアル露出
Tv(シャッター速度) 1/400
Av(絞り数値) 8.0
測光方式 中央部重点平均測光
露出補正 0
ISO感度 200
ストロボ 非発光
ホワイトバランス オート
AFモード マニュアルフォーカス

特筆すべきは、シフトレンズを使ったところで、車両全てにピントが来るようにしました。
この日は、側面に陽が回るまで待ったのですが、残念ながら若干車体に影が掛かってしまいました。(まあ、これぐらいなら許容範囲でしょうか?)

別候補の作品として、遠鉄の機関車写真もあったのですが、パンタグラフが上がっていなかったのと、
右後ろの建物が目障りだったのでボツとしました。

遠鉄「ED28 2」

かなり長くなりましたが、今回はここまでとします。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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