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実戦将棋問題#7

問題ストック消費のお時間です。作る以上に溜まっていくという点には目を瞑りましょう。それよりも見てくださる方々の実力向上に少しでも寄与できれば十分なので。ということで出題。

第19問

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第20問

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第21問

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ヒント

第19問
端を突破してきた後手の攻めに乗っかるのは先手としても面白くないところ。ここは一度カウンターを入れておきたい。

第20問
後手陣の囲いと飛車が近接していて、非常に狭く、現状では左辺から飛車を展開することも難しいのが見て取れる。でもこの玉と竜の位置関係はちょっと何かが狙えないだろうか?

第21問
最終盤である。出題図の △6六歩 は後手玉を詰められるものなら詰ませてみよ、との挑戦状である。しっかり決めて行きたいが、さてどこから手をつけて行こうか?


答えと解説

第19問

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▲2四歩

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この歩のカウンター突きが香車への利きを遮断する手筋の一手。△同歩 は前述のように角の利き筋が止まるので、▲1五香 と逆に端を突破できる。△同角▲同角 △同歩 ▲1五香 で角が手持ちになった状態になっただけで上述した同じ盤面を迎える。

そこで ▲2四歩 に対しては後手も強く △1九香成 と香車を取りながら飛車に当てる。しかしここは冷静に ▲同飛 と取り、以下 △2四角 ▲同角 △同歩 ▲1一飛成 と進む。

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この結果は後手の攻めをカウンターとして先手が逆に飛車先を突破できる。後手は飛車を逃げるしかないので、△6二飛 と動くが ▲2一竜 と桂馬を取っておいて十分であろう。

第20問

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△7五桂打

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歩の頭に王手と銀の両取りを主張しながら桂馬を打つ。後手の持ち駒に角や金があるので、玉を逃げる手はまず考えられないから ▲同歩 と取る。そこで後手から △6六歩 と銀取りにさらに歩を突く。この銀を取られつつ「と金」という一大拠点を作られると先手玉も一気に寄りかねないので、 ▲同銀直 と上がるのだが、そこで後手は待望の △4三角打 を決める。

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この王手竜取りには ▲7六角打 で耐えるのだが、後手から △同角 ▲同銀 △4三角打 と精算後にもう一度おかわりを放つ。

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今度は王手でないことから、先手はいったん ▲1一竜 といった感じで避けるのだが、そこで力強く△7六角 と突っ込み、▲同玉 △6四金 と守りにあった金まで前線に活用する。

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こうして強引に飛車先をこじ開けていくスタイルで攻めていけば、先手陣の守りの駒がバラバラかつ薄いのもあるので、後手としてはかなり楽に攻め続けていけるだろう。先手の持ち駒も多いが、すぐ後手玉に手がつかないのも大きい点である。

第21問

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▲7二と

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後手は差し違える覚悟で歩をついてきたからこそ、こちらは決めにかかっていく。その第一歩がこの手である。この手に対し △同玉 ▲6一竜 △8二玉 ▲7二飛 △9三玉 ▲8二銀 △8四玉 ▲7三飛成 までで詰む。

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そこで ▲7二と に対しては △同金 と取るのだが、下から ▲8一飛打 △9三玉 ▲9一飛成 △9二合(桂) ▲同竜 △同玉 ▲8一銀打 △9三玉 ▲9二金打 △8四玉 ▲9三銀打 と手数はやや長いが一直線に詰みまで持っていける。

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されここまで見えていたであろうか?実戦では出題図段階で見えていなくとも、このように迫って行く筋は有力であるし、その中で詰みの形が見えてくることも多いだろう。是非とも本番では決めていただきたい。

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