lishogi更新情報など(12月20日夜時点)

更新点

棋譜の表記方法が拡充しました。初期の西洋式表記から、Kawasakiと日本式が増えました。ということで日本人的にはすごく見栄えが良くなりました。あえて注意しておくべき点は、駒台から「打つ」や「右左引直」と言った書き方には対応していないので、その場合はチェス的に「元いた座標」から行き先を表記している。コンピュータ将棋に強い人であれば、CSA形式と組み合わされているといえばわかりやすいだろうか。

ただ、そこまで要求するのは現状において筋違いであるというものであろう。ここまで進んでいる点で十分である。

そろそろ追加されそうな機能

・秒読み(本当に苦労されている。辛抱強く待って欲しい)

・棋譜のインポート/エクスポート

切実な願望と個人的な話

マッチメイキングが厳しいんだよねえ。毎晩のように居座って、レート戦が見つかればできる範囲で参加するようにしてるんだけど、なかなか対局そのものが作成されていない。日本時間夜にlishogiトップページを見ながらこの記事を書いているけれど、リアルタイムで進行中の対局が10局以下であり、そこにbotも含まれていると、見ていて悲しさや寂しさと言った感情が出てくる。

lichessベースで骨組みとしては十分な機能があり、デザイン的にも十分、というか他のサイトよりも拡充しているところがある。だけど、人が少ない。

ただここで付け加えておかなければいけないのは、僕は開発側ともつながりがあるので、どれだけの時間を割いて機能実装やデバッグにボランティアで働いているかを知っている。そして開発経験があるからこそ「ユーザーを失望させたくない」気持ちが先行するのも痛いほどわかる。ただ、いくら素晴らしいソフトを開発しようとも、使ってくれる人がいなければどうにもならないのである。

個人的な話になるし、知っている読者もいるだろうが、僕はDiscordでbot開発と運用を少しばかり行なっている。その内容はというと、自分の対局を用いたチェスや将棋の問題、第三者から提供されたものだけど詰将棋出題の機能もある。また一部のYouTube配信者向けには、コメントの高機能版(DeepL使用の)自動翻訳機能プログラムも作成した。その運用に、実はわずかばかりだが私費を投じている。翻訳+API利用料と最低限のサーバー運営費用である。ではその費用対効果はどうだろうか?個人の趣味に費用対効果もへったくれもないのだが、お金をかけているのに眠ったままの機能はもったいないとしかいえないが、同時になくては困る程度には役立っている。こういう状況はまさにジレンマである。

こういう言い方は本来避けるべきなことは承知しているが、買い切りアプリにもかかわらず、その内容に疑問や不満を感じざるを得ない物もあったりする。その中でlishogiは完全無料ながら、多くの機能を提供している。その点だけでも本当は驚きである。でも運営開発陣はまだまだ満足していない。もっと上の機能を見て、この記事を書いている現在も開発を続けているのだろう。頭が上がらないばかりである。

だけど、それら機能を使いこなせるほど人がいないのもまた事実になってしまっている。確かに、「秒読み」が実装されていない点に不満を持っているがためにlishogiを使わない人もいるであろう。実装も大変だと聞いているし、その通りだと思う。それゆえに他の人に勧めにくい気持ちもよくわかる。それでもlishogiに来るユーザーが求めていることは何か?対局したい欲求であろう。自分の気持ちを表す例え話はこうであろう:買い物にスーパーマーケットへ来たけれど、商品が全くない!

流石に一つのテーマを長く書いてしまった。だけど、この記事を通してでも伝えたかったことは一通り書いたと思う。僕は81道場も使うし、最近は将棋倶楽部24にもいる。配信企画ではウォーズだって使う。だけど、どこか満足できない自分がいる。自由に時間を設定でき、機能も十分で変則将棋すらできるlishogiがどこか頭から離れられないのである。

人の感情には波がある。ブームも波がある。一度落ち着いた頃のlishogiだからこそ、もう一度ピラミッドの裾野を横へ広げていいと思う。不満の声のない機能など世の中にはないのだから、開発の方々にはできる範囲で着実に開発を進めていただければいいと思う。我々は支える限りである。

最後に少しばかりの聞いたエピソードなど。トヨタ自動車と聞いて、この会社を知らない人は少ない、というか日本ではまずないであろう。その中でもよく知られた運営方針が「トヨタ式カイゼン」である。この改善提案はどの立場、細かい点であれ、有益ならば採用される:工場の部品一つの置き場所すら、効率が良くなるならば採用されることもあるらしい。

そして上下関係の垣根を無くし、情報を素早く共有する方法にホワイトボードを使うそうであり、役員はそのボードの内容を知っている前提で動いている:知らなかったでは済まされない厳しい世界である。だがこう言った情報共有が素早く行えるからこそ、的確かつ危機にも強い会社の体制ができるそうである。

つまりどういうことか。現在のlishogiグループには強力な道具がある。そしてDiscordや掲示板など意見交換をする場所も十分に備わっている:初心者向け何でも質問チャンネル、などこの際に追加して良いかもしれない。日本人もいるので、新規の日本人ユーザーが来ても誰かが対応できる。

今こそ大海原に航海へ行く時ではなかろうか?船に不安があれば途中で直せば良い。そして運営開発の方々に過度な負担を与えないようにサポートするユーザーがもう揃っているように思う。

今、僕自身がもっとも恐れていることは次の点であろう。

−−−そして誰もいなくなった(And Then There Were None)

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