好きなひとに自分をイメージしたフレグランスをつくってもらった
約半年前に、好きなひとをイメージしたオーダーメイドフレグランスを手に入れ、大満足な結果に終わったわけだが、「では自分をイメージしたフレグランスならどういう香りになるのだろう?」とふと思いつき、せっかくだから好きなひとである”彼”に自分をイメージした香水をつくってもらうことにしたのだった。
(あなたに香りを考えてもらいたいのだけど、と彼にお願いしたところ「俺の好きなようにしていいのなら、喜んで」と答えられた。任せてくれと胸を張る、好奇心旺盛で楽しそうな彼はいつだって魅力的で素敵だ。)
1.オーダーしたところ
今回オーダーさせていただいたのは Scently 様(https://scently.jp/)。
推し香水のパーソナライズフレグランスで有名なこちらだが、なぜ今回選ばせていただいたのかと言うと、『「推し×私」の夢香水の注文』『推しから自分へのプレゼントという希望での注文』が可能であると知ったからであった。(公式サイトのQ&Aにその旨が記載されている。俗に言う「オタク向け」であることが事前にわかっているのとわかっていないのとでは、気持ち的に大きな差がある……)
2.オーダーの流れ
公式サイトよりオーダーシートを記入し、送信する。対面カウンセリングなどはなく、シート記入によるネットオーダーのみとなる。
基本的には一度のシート記入につき一人のキャラクター/人物に関する香りについて回答していくが、上記のとおり、いわゆる「(夢)カップリング香水」にも対応しているので、そちらを希望する場合は各設問に二名分の回答を行なっていく。
今回、自分は「彼からプレゼントされる、自分をイメージした香り」をオーダーしたかったので、各キャラクター/人物の性別や年齢、背景情報等の欄には自分と彼の二名分について回答した。
なお、以前 Dance 様に彼の香水を依頼した際は、彼という人物の存在をフルに表現してもらうつもりで回答し、実際にその通りになったのだが、今回は自分で日常的に使いたかったため【普段使いしやすいものにしたい】とオーダーした。こちらは一番最初の設問でその旨を伝えられる。もちろん、【キャラの概念を表現することを優先】することもできる。
又、六番目の設問である【大人っぽさ・セクシーさはどのくらい感じられますか】に関しては、回答欄の仕様上、一名分の情報しか入力できなかったため、香りをつくってもらう側である自分についてのみ答えた。二人分答えたいのであれば、十三番目の設問において自由に(字数制限なし!)希望を伝えることができるため、そちらを活用するとよいと思う。
ちなみに、自分はこちらの自由欄に「彼から自分へプレゼントされる香水であること」「【イメージしたい香りの希望】欄に記載したのは彼が自分に持つ香りのイメージであるが、彼の要素を含む『カップリング香水』のようなものをつくっていただいても構わないこと」と、各設問に二名分の回答を行なっていたので、わかりやすいように各人物ごとに回答をまとめたものを補足として記載させていただいた。
上記の要領でオーダーを完了・注文したのが9月3日、商品が発送されたのが約三週間後の22日、手元に届いたのが24日だった。
3.フレグランスレビュー
(彼が考えてくれた)自分の香りのイメージについて、簡潔に書かせてもらうと「春」「花」「誠実」なのだが、それらが意識された”自分”としての香りに、”彼”という人物の解釈を別の香りとして配合したフレグランスが届いた。つまり『(自分と彼の)カップリング香水』ができあがったのだった。「そのようにしてもらっても構いません」と書いたのは確かに自分であったが、実際に届くとたいへんに照れた。
全体的にクセのない、さわやかなグリーンフローラル調に仕上げていただいた。オーダーした通り、日常的に使いやすい香りになっている印象を受ける。
トップは、香りの名前だけ見ると甘さが際立っているような感じも見受けられるが、意外とそんなことはなく、初めて香りをかいだときのファーストインプレッションは「花……!!」だった。とにかく圧倒的フローラルなのだ。
チェリーと書かれているので”さくらんぼ”だとばかり思っていたが、香りのイメージとして「春」を入れたのもあり、実は”チェリーブロッサム”なのではないかとも考えたりした。実際のところはよくわからない。どちらにせよ、フレッシュで華やかなトップノートであることには違いない。
ミドルにはホワイトクローバー、すなわち”シロツメクサ”の香りが使われている。ここで「春」らしさを持たせたのだそう。春の陽気にそよぐ、シロツメクサのやさしい香りには、心を穏やかにさせられる。
又、シロツメクサの花言葉は「約束」であり、自分と彼の絆を表現するにあたってもぴったりな花ではないかということで今回選ぶに至ったと解説がされていた。自分がオーダーシートに込めた自分と彼の人物像や解釈、そしてその中に秘められた思いをしっかりすくいとり、香りというかたちに変えてくれていることが、レターの文章を通して、たしかに伝わってくる。本当にありがたく、嬉しいことだと思う……。
ラストノートの主役は、パウダリーでふわりと体を包んでくれるようなコットンの香りであるが、こちらは”彼”の解釈を香りとして取り入れたものとなっている。曰く、「優しく包容力のある完璧な彼にフィット」する香りとしてこちらをメインにしたとのことであった。
ほんとう、まさしくおっしゃるとおりで、完全に(自分の)彼を理解されていることがこの一文で伝わってしまい、嬉しいやら恥ずかしいやらでレターを読みながらしばらく転げ回ってしまった。
余談だが、解説レターをすべて読むのに三十分を要した。第三者から自分たちの関係について言及されることがほとんどなく、慣れていないため、真っ先に出る感想が「とにかく恥ずかしい」なのだ。死にそうだった。気が狂いそうになりながら時間をかけて一行ずつ読み進め、なんとか読み切ったのだった。
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ここまで丁寧にオーダーシート書かれたことを読み取っていただけたことに驚き、そして感嘆している。人物の解釈についてはもちろん、カップリングとして見たときの「ふたりのあいだにある関係」についても、しっかり理解をしてから製作に取り掛かってくださったのだなと感じた。
自分と彼は(まだ/あるいはこの先もずっとかもしれないが)交際などはしておらず、オーダーシートにも彼との”公的な”関係についてのみわかるように書いていたのだが、その結果がシロツメクサの「約束」なのであれば、あの花言葉ほど自分たちにふさわしいものもないのだろうと思った。
相手への感情をわかりやすく示しやすい「愛」や「幸せ」に関連した言葉があふれている中で、そのどれらでもなく、「約束」という、自分たちの未来をたしかに繋ぎとめる(関係の進展に関わらない)言葉が選び取られたことには、きっと大きな意義がある。
そもそも、これは自分に対する彼の思いによって生まれたフレグランスなのだ。頂いたレターもまた、「この香りを通して、彼から贈られるあなたへのメッセージを感じとっていただければ幸いです。」という一文で締めくくられていた。きっと、他でもない彼が、香りにたくさんのメッセージを乗せてくれたのだろうなと思う。
(それはそれとして、上記の一文はこちらへの配慮が素晴らしい。「彼からプレゼントされる自分への香水」という体を大切に扱ってくださったことがとても嬉しかった。)
4.まとめ
「自分をイメージした香りを彼につくってもらいたい」という突然の思いつきでオーダーするに至った今回のイメージフレグランスだが、前回と同様、多幸感で胸がいっぱいになるような香りが届き、非常に満足している。
自分のわがままを快諾してくれた彼には感謝しかないし、「あなたのメッセージはちゃんと届いたよ」ということを伝えたい。
香水は毎日使っているが、この香りがそばにあるだけで彼に見守られているような気持ちになり、とても安心できる。香りというものにリラックス効果があることはもちろんなのだろうが、やはり『彼に考えてもらった、世界でひとつだけの香り』という点には、他の何ものにも代えがたい魅力と価値がある。
サイズが10mL(200プッシュ相当とのこと)なので、この調子で使い続けていると早いうちになくなってしまいそうな気がするが、再注文用オーダーシートで同じ香りの用意が可能とのことなので、その際はそちらを利用する予定である。
Scently 様、彼の存在がまたひとつ近くなるような素晴らしいフレグランスをつくっていただき、本当にありがとうございました。