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「僕は無力だ。」

 カンザキイオリの「君の神様になりたい。」を聞いていると、悲しい気持ちになる。なのに聞いてしまう。私の中の何かを揺らしていることだけはわかる。ただ、それが悲しみなのか癒しの過程なのか分からない。

 前向きな効果のあるヒーリングミュージックではなく、切なさを織り交ぜることで悲しみに訴えかけるような。「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」で出てくる、いやしの歌に近い。

 悲しみを理解されたいと願っているときに、悲しみを受け取ってくれる歌詞は少ない。

「元気出せよ!」と言ってくれる曲はあるのだけど、人間は感情があるがゆえに単純に気持ちを受け取れないときがある。シンプルに受け取れないって時点でもう結構きついんだな、と思う。

「元気出せよ=こいつ元気ねえなって思われてるんだ…」がワンセットじゃないでしょうか。追い打ちは「考えすぎだよ」と笑われること。元気でいなきゃいけないと思い詰めているので考えすぎはある意味では正解なんだ。正解という不正義なんだ…。

 昔、「あなたは悩むのが好きなんでしょう」って指さされたこともあるけど、そこじゃなくて、ただ悩んでいるときに「つらかったね」「大変だったね」って言ってほしかったから、そういう”スタンス”を取っていただけ。

 神様にもなれなくていいし、無力でもよかったと本当は誰よりも自分に言ってあげたかった。悩みすぎでも考えすぎでもいいし、元気がなくても、悲しみにくれてもいい。

 揺れている、ずっと揺れている。悲しみなのか癒しの過程なのか分からないまま、身を任せている。

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加納ちひろ
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