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骨髄を移植したよ
先日、骨髄を移植しました
その思い出を紹介します
骨髄バンクに登録しようか悩んでいる人・骨髄移植を控えているドナーの方はぜひ参考にしてみて下さい
はじめに
私が受けたのは、骨髄バンクを介した非血縁者間の骨髄採取手術です
要するに、見知らぬ他人に骨髄を移植する手術です
もう一つの移植法である、末梢血幹細胞採取については割愛します
そもそも
骨髄バンクとは、白血球の型を載せる、白血球の名簿のようなものです
骨髄移植を必要とするのは、健康な血液を作れない患者(白血病患者など)です
白血球の型が患者と一致する人に、ドナーになりませんか、という通知が届きます
手術の概要
![](https://assets.st-note.com/img/1696252102784-WfShBBqCVY.jpg?width=1200)
骨髄採取は、腸骨に注射針を刺して行われます
骨髄採取の話をすると、ほとんどの人が「背骨から採るの?」と訊いてきます(おそらく脊髄とごっちゃになっている)
背骨ではなく、腰のあたりから採るということは知っておいてほしいです
傷跡は腰に小さな注射の痕が残るだけで、これも一週間程度で消えてしまいました
手術は全身麻酔をした状態で、2〜3時間ほどかけて行われます
短い手術なので、尿道カテーテルを通さないことが多いそうです(私も通しませんでした)
入院は通常、手術前日からの3泊4日です
入院
実際に私が入院した際の思い出です
「明日から入院だ〜」と緊張しているドナーさんはぜひ参考にしてください
1日目(手術前日)
朝10時に入院の手続きを行います
この日は、採血など健康状態の確認があるものの、ほぼ自由行動です
この時間がかなり暇です
10時に入院して、そこからその日いっぱいを潰さなければなりません
22時に寝るとしても12時間の暇です
持て余します
残念ながら私が入院した病棟にはWi-Fiが通っていなかった上、私のスマホは通信制限で使い物になりませんでした
そんな私が持ってきた娯楽はこちら
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
①ネットフリックスでダウンロードした映画
家を出る直前に、慌ててダウンロードした映画
![](https://assets.st-note.com/img/1695801299289-07HDTEB8lm.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1695801348111-AHxQxjQawO.png)
この二つだけ
合わせて4時間にも満たないですが、大事に見ていきましょう
貴重な娯楽です
②ピカチュウ
![](https://assets.st-note.com/img/1695801470483-ofPhsd8TCT.jpg?width=1200)
後輩が買ってくれたピカチュウのぬいぐるみ
かわいい
![](https://assets.st-note.com/img/1695876320399-9VOaYRr4AE.png?width=1200)
③リロアンドスティッチ ザ・シリーズ マハロBOX
![](https://assets.st-note.com/img/1695877698276-Ruu9BGdXh1.jpg?width=1200)
④X-MEN三部作
![](https://assets.st-note.com/img/1695877769892-pBGGSEvgiu.jpg?width=1200)
以上4点です
これらで何時間持たせられるか……
結論から申し上げますと、初日でジュラシックパークとスタンドバイミーを見終えてしまいました
この日は、21時以降の食事が禁止されます
手術中に、胃の内容物が逆流するのを防止するためです
21時までは何を食べてもいいということで、そこまできつい制限だとは感じませんでした
2日目(手術当日)
6時半に起床
採血や健康チェックを行ないます
この日は7時から何も飲んではいけないと指示されました
食事の禁止と同じ理由です
ソワソワしながら部屋の片付けをしているとあっという間に、手術室に向かう時間になりました
手術は9時から行われました
手術は12時前に終わりました
あまりに呆気ないですが、こう書くしかないんです
全身麻酔で手術を受ける以上、主観的にはこれくらい呆気なかったです
![](https://assets.st-note.com/img/1695879223768-eMp3YdcffF.jpg?width=1200)
手術直後の私です
前日の21時から禁食していたため、点滴で栄養と水分を補給しています
また、抗生剤の点滴をしていたらしいです
手術した箇所の痛みはほぼなく、喉の違和感(麻酔の際に通すチューブによるもの)が少しある程度でした
また、少し熱が出たり頭痛がしたり、それらが引っ込んではまたやってきたり、というのを何度か繰り返しましたが、そこまで重い症状でもありませんでした
熱と頭痛については、罪悪感なくドタキャンの言い訳にできるギリギリの風邪を想像していただければおおよそ間違いありません
この日は寝返りをうってはならず、1日安静でした
![](https://assets.st-note.com/img/1695879374992-n33w37uZ94.jpg?width=1200)
手術そのものよりも、この安静時間の退屈の方がしんどかったです
手術痕はほとんど痛くなく(押すとジワッと痛くなる、打撲程度の痛み)、単純にじっとすることの退屈さや、寝返りもうてない窮屈さがとても苦痛でした
もっと多くの娯楽を持ち込んでいたら、この安静にする時間を楽に過ごせたかもしれません
ちなみにこの日の夕飯から食事を普通にとります
大盛りにしてもらいました
動くなと言われている以外は健康そのものでした
3日目(手術翌日)
朝6時に起こされ、採血をしました
9時になると担当医が来て、歩行できることを確認しました
あとは自由に過ごしていいよと言われました
もっとも12時に外すまでは点滴と一緒でしたが
![](https://assets.st-note.com/img/1695880070139-Hs9C4T4gkm.jpg?width=1200)
ここでマハロBOXを堪能しました
リロアンドスティッチ ザ・シリーズはやはり名作です
そして、暇になる
もう娯楽は尽きました
みなさんは必ず、大量の娯楽を持ってくるようにしましょう
私に残された唯一の楽しみは、院内のコンビニで買い物をするくらいでした
四日目(退院日)
朝イチで採血をして9時過ぎには退院しました
そして今……
めちゃ元気です
感想
ドナーになって、強く思ったことは「大したことないな」です
健康な私がこの程度の手術を受けることで助かる命があるのなら、やらない理由はなかったな、と思います
このnoteを読んだ人が少しでも骨髄バンクに興味を持ってくれたら、このnoteを書いた意義があったなと思えます
登録の注意
献血ルームなどで2mlの採血をするだけで簡単に登録できる骨髄バンクですが、いくつかの条件が存在します
まず、健康でなければドナーにはなれず、骨髄バンクにもその条件は詳細に書かれています
こちらで紹介されているもの以外の、実質的に必要な条件を、実際にドナーになった私から二つ紹介します
・家族の同意が得られる
手術はドナーの安全に細心の注意を払って行われますが、当然、全くリスクがないわけではありません
そのため、手術に進む前に最終同意面談が開かれます
ここではドナー候補者本人と、その家族が同意をする必要があります
家族からの同意を得られない人は提供に進むことができません
・数日間の拘束が耐えられる
三泊四日の入院だけでなく、事前の準備や検査などで、2〜3ヶ月の間に都合10日ほどを確保する必要があります
人によってはかなりの負担でしょう
大学生ならば比較的融通が効くでしょうが、「そんなに仕事を休めないよ」という人も少なからずいるはずです
替えがまったく効かない仕事をしている人は登録しない方が無難です
一応、ドナーになると補助金が降りる自治体もあります
経済的な理由から仕事やアルバイトを休めない、という場合はある程度解消されるかもしれません
1日2万円で合計14万円という自治体もあれば、一度の提供で10万円という自治体もあります
もちろん補助金制度がない自治体もあるのでご確認ください
安易な気持ちで登録をして、いざ適合の通知が届いたらやっぱりドナーになれません、となっては意味がありません
候補者一人一人に封筒などで通知するため、最初から提供するつもりがない人に連絡を取る時間が無駄になってしまいます
患者さんのためにはその時間さえも惜しいというのに
無責任な登録はやめましょう
そして十分に理解した上で、骨髄バンクにぜひ登録しませんか
余談
手術の「腸骨に注射針を刺し、中の骨髄を取り出す」という部分、ジュラシックパークの蚊みたいだなって思いました