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自分にしかできない仕事の作り方【市役所版】
私が市役所での仕事をする上で、気をつけていることに、誰にでもできるような仕組みを作るというものがあります。
市役所では人事異動が間違いなくあり、自分がやっている仕事は必ず後任者に引き継がなくてはいけない時が来ます。
しかしながら、人事異動は市役所内部のことなので、市役所という組織で仕事をしている以上は、担当が変わったからと言って業務の質が下がるのは基本的にあってはいけないと考えています。
そのために、自分が出来ることとして、自分がいなくなっても一定の質が保たれるような仕事をしようと心がけています。
そんなかんじで日々を過ごしていたのですが、最近この考えが揺らぐことがありました。
ある部署で、精神疾患で長期療養に入る職員が出てしまいました。
その代替として、白羽の矢が立ったのは前任の職員でした。それも、今すぐにでも来てくれというような状況で、なんだか物々しさまで感じました。
よくよく事情を聞いてみると、この前任の職員は自分の業務を抱え込んで、本人でしか分からないようなブラックボックスと化した状態で、後任に引き継いだそうで、そのブラックボックスを解き明かそうとした後任があまりにも不可解過ぎた結果、思い詰めてしまい、長期療養に入ってしまったそうです。そして、また前任の職員は同じ仕事をやることとなりました。
この話を聞いたときに、「そんな仕事ぶりアリなの?」と思ったものの、仕事を抱え込み、同じ職場の誰にも分からないようにすることで、自分にしかできないという仕事を作り上げることとなり、結果的にその職員個人の市場価値は爆上がりになっていることに気がつきました。
そうすると、私の誰にでも出来る仕組みづくりというのは個人の価値を下げるものなのかなとも思いました。
正直自分がこれまでやってきた市役所での仕事のやり方を見直さないといけないのかなと悩みますし、自分の価値を上げるためにはそうした仕事術も学ばないとダメなのかなとも思います。
いい仕事ってなんだろう?
ちょっと自信がなくなってきてはいますが、この問いに答えられるようにこれからも考え続けていきたいと思います。