C23スペイン語しか話せないイギリス人
朝からちょうどお弁当箱の大きさにぴったりのピクルスのプラスチックケースがあったので、昨晩のマッシュルームご飯を詰めて昼ごはんにしました。朝食も嬉しいことに和食です。アルミ製の水筒には熱い紅茶を入れました。昨日、全粒のビスケットも買っていたので、ティータイムのサイドメニューは問題ありません。それに職員特典のフルーツもリンゴと西洋ナシがあって、なんとまあ贅沢なラインナップです。サブバッグはすでにパンパンです。ショルダーバッグの紐が肩に食い込むのを感じながら農場の事務所に向かいました。
事務所に到着すると、おぉ、いるわいるわ…。まったく学校の朝礼前の校庭といった雰囲気です。若さと騒々しさが溢れる中庭で朝の挨拶と今日の作業段取りが指示されました。完了すると、その他大勢のアルバイト生はトラックに積み込まれて、昨日まで私が作業していたリンゴの幼木が植えてある畑に向かいました。きっと昨日会った野うさぎは今日の騒々しさに驚くに違いありません。ちょっとお気の毒だなぁ~とぼんやり考えていると、ボスが私に来いと手招きしました。
ボスの横には、私と同じくらいの背格好の若者がいました。ははぁー、こいつが例の大使館員の英語が下手なイギリス人だなとピンときました。「イキオ、彼が今日からあの家に一緒に住むことになるジェームスだ。」と紹介されました。私は、第一印象でなめられてはいかんと思って、ジェームスのつま先から頭のてっぺんまでゆっくり舐めるように見てやりました。自分のことを「なんとなく尻の穴の小さい奴だなぁー」と感じながらも、最初が肝心と気合を入れて目を合わせました。
すると「ボク、ジェームスです。仲良くしてね。」と馴れ馴れしく話しかけてきました。私はちょっとツッパリの感じで「あぁ、俺はイクオだ、よろしくな!」と相手の目を見つめながら言葉を返しました。「きっと、いい友達になれるね。」などと無邪気に語りかけてくるのでちょっと気を削がれる感じではありましたが、まあこれでなめられることもないだろうと自己満足していました。なんとまぁ心の狭い自分がいました。
とにかくあいさつが終わるとボスは、私たちに「じゃあ、今日の作業エリアに連れて行くよ。」ということで、私はミニトラックの助手席に乗り込み、ジェームスは荷台に乗って、ボスの運転で今日の作業場に連れて行かれました。
補足情報:外国人との同居でコミュニケーションを潤滑にするための心得
文化の違いを尊重する:
同居人がどのような文化背景を持っているのかを理解し、尊重する姿勢が重要です。文化や習慣の違いを受け入れ、相手の生活スタイルに対して寛容であることが求められます。
コミュニケーションを大切にする:
こまめにコミュニケーションを取り、疑問や不満を溜め込まずに話し合うことが大切です。言語の壁があっても、誠実に向き合い、相手の意見や感情を尊重することが関係を円滑に保つ鍵です。
共通のルールを設定する:
生活する上での基本的なルールや取り決めを同居人と話し合い、共通の理解を持つことが重要です。例えば、掃除やゴミ出しの分担、共有スペースの使い方などを事前に決めておくとトラブルを防ぐことができます。
互いのプライバシーを尊重する:
同居しているとはいえ、お互いのプライバシーを尊重することが必要です。個々のスペースや時間を大切にし、過干渉にならないように注意しましょう。
問題解決に前向きに取り組む:
何か問題が起きた場合には、冷静に話し合い、建設的な解決策を見つける努力をすることが大切です。感情的にならず、相手の立場や視点を理解しながら協力して解決する姿勢が重要です。
外国人との同居は、新しい文化や価値観を学ぶ良い機会でもあります。互いに理解し合い、助け合うことで、充実した同居生活を築くことができるでしょう。
続く…
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