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るみなちゃんはお祭り行かないのかい?

セミの鳴き声VTuber ナナコ コス衣装が落ち着き出した頃、ド田舎は騒がしくなってくる。道ゆく人々はハッピや浴衣を身に纏い下駄をカラコロ鳴らせている。少し離れた広場では祭囃子(まつりばやし)が暑い空気に乗って耳に届く。日本家屋の良き縁側で足を水の張った桶に突っ込みながらアイスを齧っていると少し背の低い縁石から顔が生えた。栗色の髪と大きな黄色い瞳、そして頭部から生える犬耳を揺らす顔は近所に住む輝度るみなちゃんだった。「飼主さーんなにしてるのー」「やーるみなちゃんこんな猛暑に元気だね、おじさんには厳しいからこうして足を冷やしながらダラダラしてたとこだよ」「へー…そーいえば飼主さんはお祭り行かないの?」「お祭り?あーもうそんな時期か。あとで行くよ」「ふーん…」るみなちゃんは田舎よろしく勝手にうちの敷地に入りボクの横に座る。その姿はいつものヘソ出しセーラー風の服で水桶を見ながら足をパタパタさせている。「るみなちゃんはお祭り行かないのかい?」「るみな飼主さんと行くって言って出てきたから」「そっかー、じゃあ準備しないとな。るみなちゃんにいいものあげようかな」「え?いいもの?」水桶から足を出し軽くタオルで拭いて中へ手招きをする。嬉々として尻尾を振るるみなちゃんの手を引き母に声をかける。そのまま母についていくように言うと不思議そうな顔をしながら奥へ連れて行かれる。あとはボクの方が簡単に浴衣を着たり準備をして待つこと1時間。満足した顔の母と恥ずかしげに手を引かれてくるるみなちゃんの姿があった。白を基調とした布地にいろんな金魚の柄の入った浴衣を涼しげな青の帯で締め、髪もいつものツーサイドアップではなく後ろにまとめた姿に思わず呆然としてしまい食べかけVTuber 黛灰 コスプレ衣装のアイスを地面に落としてしまった。「飼主さん…どう?変じゃない?」不安そうな表情に言葉が出ない代わりに両手でサムズアップをすると照れながらも笑顔を向けてくれた。「じゃあ行こうか」

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