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2日半『飲んで食わず』
<私のファスティング体験>
今回は、いつもとは全く違う意味でのファスティングとなった。4〜5年前から不定期のファスティングは経験していた。
いいと言われるものは、すぐに試したくなる人間なので赤色のコールドプレスジューサーも張り切って買った。
やがて、置く場所に困りメルカリ行きとなる運命だったのだけど。
今回、なんとも中途半端な2日半というファスティングを行った。
3日を目指していたけど、単に「食欲」にころっと負けただけなのでカッコ悪い。
いっそ3日と書いてしまおうかと思ったけど嘘は、いけない。(ちょいちょいバレない嘘ついて鼻が長くなってるけど)
2日と書くとあと半日頑張った分が評価されてない残念感がいつまでも残るのでやはり2日半と書くことにした。(どうでもいい話ですね)
私は、仕事のある日は、朝は、食べない習慣なので1食や2食抜くのは割と平気。でも、いちばん悪いパターンなのだけど夜遅くに食べて、食べて、これでもかと食べまくる生活。一番あかんやつやん。
<今回、2日半食べなかった理由>
今回のファスティングは、今までのようなデトックスや健康な体を目指した理由とは少し違っていた。
がんで余命わずかと言われているアラフィフDさん(男性)の感覚に少しだけ近づいてみたい!と思った。
思ったら、もう実行していた。
Dさんは、氷を食べたり少量の水分がやっとだった。終末期には、倦怠感の緩和や一時的な食欲増進の為にステロイドを内服することがある。このステロイドを内服することで菓子パンがようやく1個食べれるようになっていた。
今回、食べるのを制限した目的は、Dさんの感覚を体験してみて、わずかしか入ることのない貴重な水分や食べ物について何かヒントがないかなと思った。
こんな飲み物がいいですよーなんて、ありきたりのアドバイスをしてしまうことで、緩和ケアに小慣れた看護師と化してしまうのが、自分で癪にさわったし、Dさんに対して敬意がないと感じてしまったから。
どこかでDさんは食べれないのに私だけ食べれて申し訳ない気持ちにもなってしまったのかもしれない。
ただ、Dさんは、食べたくないのだけど、私は、食べたくないわけではないので、そもそもそこは根本的に違うから、近づけないのはわかっている。でも近づいて辛さもわかりたかったのだと思う。
さらに、がんは、「悪疫質(あくえきしつ)」という状態になる。
悪疫質
「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、進行性の機能障害に至る。骨格筋量の持続的な減少を特徴とする多因子性の症候群」と定義されている。
*がん細胞が作り出すサイトカインという物質により食欲低下が起こり食べられなくなる。サイトカインにより代謝異常が起こる。
とにかく私とは、ベースが全く違う状態ではあるのだけど、せめて、食べないことで、口の中だけの感覚でも感じてみたいと思った。共通の体験をして話したかった。
〈食べない生活を2日半してみて〉
2日目くらいになると少しずつ体の感覚のセンサーが、丁寧に感じられるようになってくる。2日目の夜には、このまま何も食べなくても生きていけるような感覚にも一瞬なった。一瞬だけね。
もちろん、飲まず食わずではなく、『飲んで食わず』。コールドプレスジューサーをメルカリに売り飛ばした私は、オーソドックスな果実の絞り機で柑橘系のものを絞って潤した。
ある時は、天然だし・昆布・ワカメ・梅干しなどを入れて薄味の出し汁を飲んだ。
舌の感覚が細かく感じられるようになっているので小さな味も見逃さない感じになっている。偉そうに書いているけど、きっと見逃している味の方が多い。
Dさんが体験していることの1%くらいかもしれないけど体験できた気になった。食べ物が入ってこないってこんな感じなのかぁと。
以前、私は、ファスティングで水分が足りずに膀胱炎になりかけたことがあるので水分量はいつもよりは多めに摂った。(とはいえ飲水量は人と比べると少ないと思う)
私が、体験してみて味覚は・・・
❶天然だし汁もかなりの薄味でちょうどいいと感じたこと
❷グレープフルーツの絞り汁を飲んだ時に通常なら単純にそれでいいのにグレープフルーツで、行きのスキ〜っとした上がり調子の味覚だけでなく、帰り道は少量の天然の塩でくるんと中和して欲しいと感じたこと
終末期の方に意外と人気の「ICE BOX」というザクザク噛み砕けるタイプのかち割り氷。DさんもICE BOXは食べれると言われていた。
なぜこれが人気なのだろうと成分を見てみるとやはり塩分も少し入っていた。
なるほど、私たちの体液の中には、0.9%の塩分が含まれているわけで、体がその塩分が恋しくなるのかなぁと思った。(ちなみに鼻うがいをする時の水も0.9%の塩分ににしないとめちゃくちゃ鼻がツーンになる)
私の実験結果をDさんに伝えた。
結果は、Dさんも同じように「薄い味がちょうどいい」と言われた。
「でも塩分はそれほど欲しいと思わないけどね」と言われた。
あ。。。
そうすか・・・私が塩分について力説した時間はどこかに吹っ飛んでしまった瞬間だった。
でも
Dさんは、実験結果より私が2日半食べなかった実験をしたということにウケてくれた。その2日「半」って何?と突っ込まれたり。そうです、そこは突っ込む場所です!笑ってくれたのなら実験した甲斐は充分あった。
<私のからだの変化はこんなのでした>
タイトルに期待された方もあったかも知れないので、申し訳ないから一応、体の変化についても付け加えておこうと思う。たった2日半でも以下の感想。
☆きっと間違いなく体重は減った。お腹の贅肉がどこかに消えたから。(あ、すぐに「ただいまー」と言ってあっという間に帰ってくるんだけど)
いつもファステイングする時には体重は計るけど今回は、結構贅肉つけ放題になっていたので現実を直視しないでスタートした。
☆排泄良好
☆お肌も若干改善。最近、ほとんど何も塗っていない割にはマシ。
☆体が軽くなっている。これは結構な実感。
☆味覚が正しくなっている感じ
<おわりに>
というわけで、実験にはちょっと失敗したけど、やった甲斐はあったぜ〜というお話でした。なんの参考にもならないと思ったけど、一応投稿します。
訪問看護師という仕事を知らない人が、私の色々な記事を読んだら、「え?訪問看護師ってこんな??」となると思う。けど、誤解が生まれないようにと他の人の名誉のために・・・多くの方はこんな感じではないはず。
またDさんについてまたいつか記事が書けたらいいなぁ。
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