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妻を看る人たち

最近のお看取りは、たまたまなのだけど・・・
奥様がお亡くなりになるというお看取りが続いていた。

お亡くなりにはなっていないけど現在進行形で奥様の介護をされている方も何人かいらっしゃる。

たまたまなのだけどそのご主人たちは共通してとっても優しい方が多い。
そして、奥様の方は、サバサバっとしていて潔さのようなものも感じられる方々で
「先にいってあっちで待っとくね」サバサバ!みたいな感じだった。

これまた、たまたまなのだけど、
ご主人が若い頃、奥様にぞっこんだった方々でもあった。

私は、馴れ初めなども伺うのだけど
「かぁちゃんのミニスカートが本当にかわいかったんだよね」と若い頃のミニスカートの奥様の写真を見せてくれるかた。
そのお写真を拝見してご主人の高まった感情と共にその時の映像が見えるようだった。

「お母さん(奥様)の親にすごく反対されたんだけどどうしても一緒になりたくて東京まで連れてきたんだよねー。もう駆け落ちみたいだったよね」と奥様に笑いながら話されるかた。

再婚して一緒になられた方もあった。

きっとご主人たちの心の中は、きっと若い頃の奥様のままなんだろうなぁと思う。

そのご主人たちが奥様の遺品整理をして新品の下着やオムツを持ってきてくれる。誰かにお役立てして欲しいと。
お一人で遺品整理するの辛かっただろうなぁ・・・。
早々と生前から整理される方もあったけど。

遺品整理は、悲しすぎて手付かずの方も多いと思う。


スピリチュアル的には、
遺品を整理することはとても大切で、亡くなってからご自分のものがまだ家に沢山残っていると未練が残って上に上がれないのだそうだ。
(寂しいからという理由で、納骨ができていないお宅も結構あるけどあれも本当は納骨してあげたほうがいいようだ。まだそばにいて欲しいというお気持ちもわかるけど・・・)
特に紙類や布類はエネルギーを吸い込んで溜めてしまうようだ。人生の中での悲しみも吸い込んでいる。そういうエネルギーを手放していくことが亡くなった人にとっても大切であり、遺されたご家族にとっても大切な儀式となっていく。
眼に見える体も無くなった上にその方が生活で使っていた痕跡まで無くしてしまうのはかなり辛い作業だと思う。
でも、もっともっと大切なものは遺されたご家族から消えることはない。
眼には見えなくても。
“いちばん大切なことは目には見えないんだよ“と『星の王子さま』の中でも言ってた。


お看取りのあとは、寂しいと言っていられないくらい事務作業が大変で悲しんでいる暇もないくらいだと思う。その事務作業が少しずつ片付いてからまたじわじわと悲しみや喪失感が襲ってくる。

お看取りの後、
①あるご主人は、ご自身も少し認知力低下があり、とてもサバサバされていた。

②あるご主人は、自分もがんが悪化して入院になると言われていた。

③あるご主人は、「これからは自分が参加できるサークルを探してたくさんの人と交流してみたい」と笑って言われた。

このお三方のご主人様の様子を垣間見て、その後の人生も色々だなぁと思った。
②のご主人様は、奥様が亡くなられてから何度も連絡があり、営業所にも何度も「にゃむさん居ない?」と訪ねて来られていたようだ。それで先日ばったりお会いしてがんが悪化したというお話をしてくださった。その方のご家族は、疎遠で、ご夫婦は仲が良かったのだけどご家族の中に深い傷があった。そのご家族の深い傷を最期に少しだけでも癒せないものか、連絡をとりましょうかとお伝えしてみたのだけど、ご主人様は「無理だからこのままでいいよ」と言われ、結局、子供様は最期にお母様に会われることはなかった。悲しみや不安で免疫が低下してしまわれたのかもしれない。

③のご主人様は、信仰をご夫婦で持たれていた。その一家は、ご家族のどなたもとても温和な方ばかりで笑いの中で冗談も交えながらお看取りをされた。お母様のお好きだったカーペンターズの音楽をかけながら。私が「感謝」のお話をした時に隣の部屋にいたご主人を呼んで「お父さん、いい話をにゃむさんがしてくれたから一緒に聞こう」と言ってくれていた。このご家族からは優しさに溢れた言葉しか出て来なかった。いつも笑顔があった。

それぞれの形でそれぞれの家族が存在していてご家族の死を通して変化・進化していくご家族の形。

今も尚、認知症の奥様の介護が続いているご主人のリョウさん。
90歳で介護をされている。先日、奥様が2週間程度の入院になった時にリョウさんは、自分がいないと奥様は夜中に探し回るからと入院中の付き添いをご自分から申し出られた。今も夜中に奥様が起きる度に付き添われていて寝不足の日もあるようだ。それでもずっとずっと笑顔でいらっしゃるのだ。しかもめちゃくちゃ癒される笑顔!!本当にすごいと思う。
「こんなことに家内がなるとは思いませんでしたねー」と言いながらも奥様に優しく接していらっしゃる。お子様たちも同居はされていないけど頻回に様子を見にこられており、お母さん以上に介護をしているリョウさんの体調を心配されている。丁寧に洗濯物は畳まれており、いつも私たちが来たらちゃんとお着替えのセットがベッドに丁寧に置かれている。
お食事も沢山タッパーに準備されており品数豊富なご飯を提供されている。
奥様は、目の前のリョウさんではなく、ご自分のお父様がとても偉い人だったことを何度も繰り返し話される。きっと誇りだったのだろう。
リョウさんもとてもお仕事ができる方で二足の草鞋をはいてご家族を守って来られた方であったのだけど…。奥様が凄い!ってリョウさんに言わない分、私は、リョウさんを褒めまくっているけど。


今、お一人終末期の方(男性)がいらっっしゃる。
その方は、奥様とお元気なころに約束をされていたそうだ。
「自分がお母さん(妻)を看取ってから逝く」と。
ご主人様がとてもしっかりされており、家のこともご主人様じゃないとわからないことが多いようで、このような約束をされたようだ。
それでも日増しにどんどん健康状態が悪化していき、救急車で搬送される時に「約束が守れず申し訳ない」とかすれた声で漸く一言話されたのだとお子様から伺った。
この方は、今、間近に迫る死を受け入れながらも比較的穏やかな時間を過ごされている。

・・・・・
みんな今回の人生でいろんなドラマの中で体験しているのだなぁと思う。
自分も含めて。

奥様を看る人って
当たり前なのかもしれないけど
奥様を看れる人が看ていらっしゃるのだなぁとも思う。

そして逝く側の奥様も申し訳なさはありながらも安心しきっていらっしゃるようにも見えた。

ソウルメイトは、一人が逝くとそんなに遠くない将来もう一人もあちら側に逝くという話を聞いたことがある。
ずっと一緒にいた魂だからすぐに会いたくなってしまうのかもしれない。
どちらが先になったとしても。

ちなみによく言われることではあるけど
ご主人様が先に逝かれる場合、もちろんしばらくは奥様も寂しさや喪失感の中に身を置かれるのだけど長年のお世話から解放されるタイミングでもあるため、結構、活き活きと第二の人生を楽しまれる方も沢山お見かけした。
やはりこう思うと女性の方が一般的には強いなぁと感じる。


・・・・・
まだまだ暑いけど、少ーしずつ秋の気配も感じながらの日曜日。
秋祭りでのお神輿のエネルギーはいろんなものをカラッと新しいものに変換してくれているパワフルな肌感がある。
街の中の空気が違う。
昨日は、ついついあちこちのお神輿についてまわってしまった(笑)
わっしょい!!て大きな声を出したいのをぐぐっとこらえながら。
こんな場面でもつい理性が勝ってしまうのね。まだまだやな。

世界の中には
映画「リメンバー・ミー」のようにメキシコの「死者に捧げる先住民の祭礼行事」のようなものもある。
「死」はそれで終わりなら悲しいけど、終わってまた新しく始まるのならお祝いという捉え方もわからなくない。

ちょうどまた元気な太鼓の音と共にお神輿の賑やかな声が聞こえてきた♪









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にゃむ
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