かつて林業地はどんな姿だったのか?青森ヒバを識る。
このシリーズをようやく再開していく。前回の記事はこちら。
青森ヒバは天然3大美林にも数えられる林業地だ。50年前の状況を都道府県別林業総覧から知っていく。
一言で青森ヒバといっても、純正林と混合林の2種類がある。それは津軽と南部でちがい、藩政時代の林政の方針の違いであった。
そもそもヒバとはどんなものなのか
ヒバ材は、腐りにくいため、建築用材、土木用材として重宝されてきた。また現在ではヒバオイルなどは殺菌効果がとても高い。その特徴は、ヒバ林の土壌にも影響を与え、葉が残りやすいため、酸性の強い土壌が出来上がる。
なぜ林相が違うのか
藩政時代に津軽は青森ヒバのみを保護し、広葉樹の伐採を認めたので純正林となった。南部は適度な更新を認めたため混合林となった。このちがいは明治、昭和までつづいた。
純正林は時がたつにつれ林齢が高くなり、一斉に皆伐する。一方後者は混合林であったため、択伐施業することになった。
江戸時代の林政の方向性の違いがこのように形にでる。つまり林業をやっていくうえで土地の記憶が重要になることに改めて気づかされた。
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