旅人が eTREE TALK に参加してみた02
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最近急激に気温が上がったせいか、マスクをつけないで出歩く人が多くなった印象をうける都心部。そのなかでも額に汗を浮かべながら、ランチの配達をする Uber eats の配達員。一気に熱くなり、マスクをつけるのが億劫になった。それでもコロナとの共存を目指すため、マスクをつける。
そんな中、首都圏8都道府県を除く地域で緊急事態宣言が解除される会見が18時から始まった。それと同時刻に木材コーディネーター企業㈱森未来が開催する eTREE TALK がはじまった。160名の参加があり、一部の参加者が zoom に入れないというトラブルがありつつも、2時間とても勉強になった時間であった。
ちなみに前回の記事はこちら。
さて本日の講演で印象的だったところと感想を書いていきたいと思う。前半は移動中に聞いていたので、メモをとれておらず不正確な部分があるが、勘弁してほしい。
今回の登壇者は、アトリエフルカワ代表の古川泰司氏(左上)と金子製材㈱(埼玉県秩父市)の代表取締役の金子真治氏(下)、㈱森未来の浅野純平氏(右上)。
お二人は埼玉県熊谷市にあるわらしべの里という保育園を手掛け、3月末には東松山でも「桑の木保育園」を開園した。
お二人がお会いしたのは、約13年前に始まったNPO法人家づくりの会での活動らしい。建築士側から山のことを知る取り組みだ。
今回の話は JAS (日本農林規格)材が中心に進む。
この JAS 材というのは理解するのが私にとって難しい。私が理解している範囲でいえば、 JAS とは木材の品質を担保するものであり、そのために含水率、強度を明確化するものだ。つまりこの製品は JAS 規格に準じている品質表示なのだ。
木材品質の明確化が求められようになったのは、両氏によると阪神淡路大震災とプレカット普及によるものだ。阪神淡路大震災の際に強度が足らず、木造住宅が崩壊されたことで、木材強度がより求めらるようになり、プレカットの普及で木材の加工精度を求められるようになった。
今回の議論では、木材の品質管理、この部分が最も大事であるといえる。
以前、グリーン材が流通していても問題が無かったのは、その品質管理を大工が担っていたからであり、木材の乾燥期間が長期間であったからだ。グリーン材であっても建築期間が半年以上かかっていた時は、その期間が木材の乾燥期間でもあったが、現在の建築期間が短期的になった時代は、その乾燥スパンでは乾燥が出来なくなった。また、大工の減少により、木材の品質を見れる大工が減少したことが大きいと話す。
古川氏は金子氏のことを「金子さんは木材の品質を見定める目を持っており、その部分を責任をもって実行する」と話す。
金子氏は「山側今までそういった責任を下流域の人に任せていた、これからはそういった部分も引き受けることで、山側は儲かる努力が必要」と返し、製材所でありながら自身も200 ㏊ 程度山林所有者の金子氏の言葉は重みがあった。
以上が内容であり、ここからは私の質問と感想になる。
私の質問は金子氏に対し、 JAS 認定を維持する製材所の最低条件はどれくらいの事業規模の事業体かというものになる。
お答えいただいた内容は、製材所、乾燥機、グレーディングマシン合わせて4000~5000万円のイニシャルコストがかかり、年間数十万円のランニングコストがペイできる事業体だという。参考までに金子製材の年間製材量は18,000㎥になる。(金子製材HPより参照)現在はこれより、減少しているらしいが、その時ボトルネックなるのは製材機以外の性能になるとのこと。
今回の話は木材の品質管理が重要であることが分かった。
ただ気になったのは、古川氏の「ムク材(製材)の建築をたてる際は、その分野のスペシャリストとあうことが重要だ(スペシャリストとは地域で木材調達を行うネットワークを持つもの、または防火基準の専門家などを指す)」という言葉は、 JAS とは仕組みであるはずなのに、とても属人的な印象をもった。また、金子氏は「 JAS は取得しても流通量が少ないため、その先が厳しい、しかし取得しなければ非住宅などに活路を見出すことが厳しい。」と評した。
浅野氏が木材の品質向上が重要であると総括し、その辺りを木材コーディネーター企業の森未来がどう仕掛けていくのが、ますます目が離せない。
本日も読んでくださりありがとうございました。
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