西野さん舞台挨拶付きの『えんとつ町のプペル』を観たら、後悔が3つ生まれました(ネタバレほぼなし)
「ヤッバイ!
1年半ぶりに映画を劇場で観たけど、メッチャ感動するじゃん!!」
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書いている人は映画をほとんど観てません
1年半ぶりに映画館に足を運びました。本当に久しぶりの映画でした。わたしはあまり映画を観ていないのです。小さい頃は和歌山のおばあちゃんにいったときに家族と観るくらいでした。大きくなってごくまれに友人に誘われていったくらいで、人生で行った回数はたぶん両手両足で足りるくらいです。一人で観たことは本当に全く無かったのです。別に一人で映画館に行くぐらいだったら、ネットカフェでワンピースとかのマンガを読んでいました。そっちのほうが一人で足を運びやすかったです。
なんとなく他人の目を意識して、一人で映画を観に行くのは恥ずかしいものだと思っていました。たまに観に行った映画館でみるお客さんは、家族や友人、カップルなどでいつも二人以上に観ている人たちしか知りませんでした。一人で観に行くのは恥ずかしいことだと思い込んでいました。
劇場に足を運ばないわたしがそれでも観たかった理由
けど、今回は“独り”でもいいから観に行きたかったのです。
映画『えんとつ町のプペル』。芸能人キングコングの西野亮廣さんが原作・制作総監督を務めた作品です。
超真っ直ぐのエンターテインメント。SNSでみていた表現は誇張でもなんでもなくて、そのまんまでした。いやーマジで参りました。だってアレはド真ん中くるってわかっていても心が揺さぶられちゃいます。
わたしが今回独りでも映画『えんとつ町のプペル』を見ようとした理由は単純で、西野さんのfacebookでの投稿やvoicy、You Tubeなどの配信を見ていたからです。西野さんのクリエイターとしての日々の発信はとても勉強になっていて、だから西野さんが太陽のようなエネルギーを吹き込んだ作品をどうしても観たかったのです。
しかも1月4日、MOVIXさいたまで上映された16:40の回は、なんと西野さんが舞台挨拶をするというではないですか!!
家から1時間で“生”西野さんに会える!!
もうこれは観に行くしかないと思いました。チャンスの女神が横切る前に捕まえられました。
まぁなんともミーハー精神を丸出しで電車に乗って映画館に向かいました。自分の意外な一面に驚きつつ、午前中になんとか仕事を仕上げて映画のチケットを取りました(笑)。
そして舞台挨拶ではなく講演会が始まる
3分ぐらいの劇場スタッフからの注意事項の案内が終わり、西野さんがスクリーン前に出てきてきました。ちょっぴりワクワクしているのがわかります。ごめんなさい嘘です。心臓の鼓動はいつもよりたぶん1.5倍になっていてかなり興奮していました。
「西野さんだ~!!」と劇場スタッフからの注意がなかったら大声を上げていたかもしれません。いやきっとそうしていたでしょう。間違いない。
そして西野さんは「上映後の舞台挨拶は裏話をはなせばいいのでやりやすいからいいですけど、上映前の舞台挨拶はネタバレしてはいけないので難しい」と言っていました。そして「上映前に話す舞台挨拶は、舞台挨拶ではなくて講演会です」と続けていました(あまりに映画が面白かったので、若干言い回しが違うかもしれません。がニュアンスは合っていると思います)。内容は映画『えんとつ町のプペル』が生まれるまでの歴史のお話が聞けました。8割ぐらいは西野さんの発信で一度は聞いたことがある内容でした。
しかし西野さんは生粋のエンターテイナー。
これは皆さん知らないでしょうけど、といって高校時代の話をしてくれます。確かにわたしは一度も聞いたことがありません。もちろん、西野さんのオンラインサロンに入っている人などは聞いたことがある話なのかもしれませんが、わたしのような“にわか西野さんファン(?)”は初めて聞きました。しかもそのエピソードは子猫のような可愛さがあるのです。普段の投稿を見ていると、ライオンのような力強さでチームを引っ張って、クオリティの高い作品をつくっているのが伝わるのですけど、「ウソでしょ!?」と思うようなエピソードだったのです。ありていにいえばギャップにやられたのです。あれですごい親近感がわきました。トドメですね。なんとも人を楽しませる人なんだなぁと思いました。
そして「とても目がいい人なんだなぁ」とも思いました。
講演会中に西野さんが「(西野さんのことを)叩いたことあるでしょう」と会場に投げかけていたのですが、そのとき壊れた機械のように首を横に振っている方や手を横にブンブン振っている人を見ると、すぐに「そうではない人もいますよね」ってフォローしていたのです。となりで首を振っている人を見ていたわたしは、びっくりしました。たぶん、フォローするまで1秒もかかっていないです。西野さんはフクロウのように上から見通す目でも持っているのですか? そして反射神経は、『アイシールド21』の阿含のように人間の限界にせまっていませんか?
もう本当にびっくりです。
それと同時に寒気がしました。
だって西野さんは人間なんですもん。ライオンのように日々狩りをしている動物ではないのです。同じ人間ということは、生まれついた遺伝によるものはしょうがないですが、西野さんの視界や反射速度は生まれ持った才能ではなく、劇場でお客さんの前で漫才していて努力で身につけたものなのは簡単に想像がつきます。
わたしにはできる気がしません。「それが一流の場で磨かれた技術というのですか……」内心、北岳を見るような気分でした。遠くからみると高さはそこまで感じないですが、麓のキャンプ場から見るとその高さと険しさが実感しました。そして険しさが見えるからこそ、どうしようもない気分になりました。けど逆に言えば、初めて西野さんがまとっている空気を見れて、しっかり自分の技術を磨こうと改めて思います。
西野さんはずっと挑戦してきたのだと思います。それこそ芸能界に入る前からきっと小さな挑戦からはじめて、今回の映画『えんとつ町のプペル』という大きな挑戦まで様々なことをしてきたのだと思います。
その挑戦の歴史が『えんとつ町のプペル』だというのです。だから『えんとつ町のプペル』には、カワイイ女の子が出てくる愛の物語ではないのです。ハリウッド映画は最後に愛がでてくることが多いです。愛はそれだけ人類共通で感動するものでしょうし、売れる作品になりやすいと思います。だけど『えんとつ町のプペル』には愛はいっさいありません。1ミリたりともでてきません。
いよいよ”挑戦”の物語が幕をあげる
正真正銘、“挑戦”の物語なのです。豪腕ピッチャーが投げるストレートの球なのです。真っすぐハートに刺さるのです。
冒頭のつかみでスクリーンに釘付けにして、そのあとの日常のコミカルシーンでほっこりとさせ、そこからクライマックスまでボルテージを上げながら持っていく。そしてエンドロールまで感動の余韻を残す。もう感情のジェットコースターです。アップダウンが来るとわかっていても、もうスクリーンの前に座って、『えんとつ町のプペル』というレーンに乗ったら、もう最後まで笑って、手を握りしめるほど緊張して、涙を流す。そしてエンドロールが終わったら拍手する。この一連の流れは避けようがないのです。
「あぁ面白かった~」エンドロールが終わって拍手して、そうひとりでつぶやきました。
3つの後悔が生まれる
そして後悔が3つ、自分の心のなかで生まれました。
1つ目の後悔(買わなければよかったチュロス)
1つ目はせっかく映画館に来たのだから、映画館ならではの注文していました。具体的にはシナモンチュロスとロイヤルミルクティー。チュロスは映画館や遊園地ぐらいでしか頼んだことはありません。
ポップコーンみたいに多くないから食べ切れるだろうと思っていました。けれど見通しは甘かったのです。グラニュー糖を煮詰めたベッコウ飴のように甘々だったのです。講演会も映画もあまりに面白すぎて、一口分しか口にしていないチュロスとロイヤルミルクティーが体の目の前に残っていたのです。せっかくアツアツのチュロスを食べようと思っていたのに!!
しょうがないので、劇場をでた通路の端っこで急いで食べましたし、飲みました。あぁこんなことなら注文しなければよかったです。明日のお昼ごはんを豪華にできるか、お土産を買うことができたかもしれません。
もうそれだけ面白かったのです。
2つ目の後悔(一人映画に行かなかった過去)
2つ目の後悔、これまで一人で映画を観に行かなかったことです。
だってそうでしょう。いつも映画を観に行くのは誰かに連れられて、自分の意思で映画館に足を運んだことがありませんでした。いつも観たい映画があってもDVDになってツタヤで借りられるようになったり、金曜ロードショーで放映されるのを待っていました。けれど映画館で見る映画は全く別物で、もうテレビでみたり、スマフォで観るものとは全く迫力が違うのですね。それはそうですよね。
映画は劇場で観るように設計されていて、一流のアニメーターや声優、歌手、音響などの人たちが本気で観客を感動させようとしてつくっているのですもの。デカいスクリーンで観る映像と立体的に聞こえる音。視覚と聴覚に大波かと思うほどの情報を訴えかけて、わたしの心をわしづかみにするんですもの。もうなんで、一人で良いからもっと早くに観に行かなかったのか、マジでタイムマシンを開発して、過去に戻って行きたいぐらいです。勝手に恥ずかしがっていたわたしは大バカ者です。
あの大好きな作品たちをもっとダイナミックな劇場で観たかったのです。これからは観たい作品は一人でもいく、そう決意しました。なんならいまは未熟ですけれど、こうして文章も少し書けますから、感想のシェアできますもんね。
3つ目の後悔(”挑戦”を諦めた事実。また”挑戦”する)
3つめの後悔は、なんでもっと挑戦しなかったのか、一歩勇気を踏み出して挑戦していたらいまとは違った人生になっていたかもしれません。
この『えんとつ町のプペル』という映画は徹頭徹尾、最後まで“挑戦”の物語なのです。混ざりっ気のなく純粋に“挑戦”を描ききっているのです。それは挑戦する人だけの物語ではないのです。挑戦を応援する人、挑戦する人の足を直接引っ張る人、挑戦する人とは直接関係ないけれど叩く人。そして挑戦を支える家族の様子が現実よりリアルでした。
わたしも大学時代1年間休学して日本中の山村を旅するという挑戦したことがありました。なんとか意地でやり通しましたが、あのとき感じた空気を昨日のことのように思い出します。さらにその挑戦を活かした挑戦をしたのですが、実力が足らずに、諦めました。そこにあった悩みは、クライマックスで飛行船が飛び立つ前に、クサビを取り外していた彼の葛藤そのものでした。
あのとき諦めたわたしをぶん殴りたい気持ちとなる同時に、また挑戦しようと心が奮い立ちました。
つぎは諦めない。誰に何を言われても、自分が観たい景色は自分でつくる。だってまだそれは見たことがあるわけじゃないから。
信じて“挑戦”を諦めない。
今から頑張って生きていきます。
ありがとうございます
西野さんはじめ、映画をつくられた方々、こんなに素敵な作品を世に出してくれて本当にありがとうございます!!
またここまでの長文をお読みいただき誠にありがとうございます!
『えんとつ町のプペルHP』
会場のサイン付きポスター。