風邪をひくことが極端に怖くなったのは
ただの風邪だから。気軽に使っていたこの言葉。だが、今は、風邪をひくことが極端に怖くなっている。
ただの風邪だからという表現は、いろいろな意味を持って使われていた。
風邪だからたいしたことではない。そういうニュアンスを持たせて使うことがあった。あるいは、ただの風邪だから休む必要はないという意図で使ったこともある。
いずれにせよ「ただの風邪」という表現は、風邪を甘く見ていたから口にできた言葉だったのだ。
今、コロナ禍にあって、風邪の症状が出ることが怖いと感じている。「新型コロナなのでは?」と自分が不安に感じると同時に、「風邪の症状があること自体、周りから嫌な顔をされるのでは?」という危惧でもある。
だから私は、風邪をひくことが極端に怖くなってしまった。
むしろ、これまでも、同じくらい風邪を怖いと感じるべきだったのかもしれないとさえ思う。
けれども日常的に見かけるからなのか、風邪を軽く見積もってしまっていた。
今私には風邪のひきかけのような症状が出ている。手洗いうがいを念入りにしていたのだが、寒暖の差が激しいからか、余計なストレスを抱え込んでいるからか、風邪をひきそうな具合の悪さがあるのだ。
そして、そのことは私に恐怖を抱かせる。
あまりにも極端ではないかと自分でも滑稽ではあるが。恐れすぎるに越したことはない。おそらく今は、まだそれくらいでもよいのだ。
怖いという感情は身を守りたいという証。怖いのは、とどのつまり、まだ死にたくないという気持ちの表れ。
だから、その感情を素直に受け止めよう。
この一見ネガティブな印象の「怖い」という感情は、とても大事な意味を持つモノだから。