困難に向き合える人ばかりではないから
新型ウイルスは脅威である。
もやは個人レベルではどうこうできない、人類共通の敵といっても過言ではないだろう。
日常的に、みな大なり小なり困難を抱えて生きている。それに対しての態度は千差万別だ。
困難を抱えても笑顔で前向きに生きる人。
不満を口にすることで鬱憤を晴らしながら、困難に立ち向かう人。
困難の原因を探り出し、誰かを犯人にして怒りをあらわにする人。
それぞれの向き合い方で、人々は常に困難とともに生きているのだ。
けれども、誰もが困難を受け止め、向き合えるわけではない。逃げることで精いっぱいの人もいる。
そういう人にとっては、逃避すること、すなわち、現実から目を背けることが困難への対処法なのだ。
逃避を常としている人にとっては、脅威を現実のものとして受け止めること自体が苦しいのだろう。逃避思考の人というのは、自粛できないのではないかと思う。
たとえ、そうだとしても、自粛という行動を自律的にできない人を擁護することはできない。
けれども、自粛できない人の胸の内を推し量ることはできるのではないだろうか。
誰もが困難を受け止めて向き合えるわけではない。
そのことを理解し、受け止められない人の存在を認めること。
弱さに対して理解を示さず、自粛要請に従わないことを非難しても何も解決しないのだ。
「脅威と戦うのはあなたひとりではない。」と。
何らかのカタチで不安を和らげる言葉を伝えられたと思う。