【起業ノウハウ】一戸建て賃貸業⑾自前施工
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10月、入居予定者に現地へ来てもらったところ、施工中の私を見てヒロミみたいだと言われました。褒められたみたいで、ちょっと嬉しかったです。
さて、そのような「自前施工」の実際を取り上げてみようかと思いましたが、リメンド(reMend)は情報量が膨大となってしまい、あいにく1回の記事では収まりません。
自前施工の装備紹介(長文注意)
そこで、自前施工において、私がどのような工具・器具・備品を携行しているのかに絞り、かかる装備で工事していますというメッセージをお伝えしたいと存じます。
マキタのソフトツールバッグに、ひと通りの道具を入れてあります。
道具は、使い終わったら元のポケットに戻すようにしており、いざ現場ではテキトーに戻しがちですが、ひと手間かけることで、次に使う時に探さなくて済みます。
では、私のバッグの中身を見ていきましょう。
ドライバーはいろんなタイプがあり、本通しタイプはハンマーで叩くこともあります。
上から、マイナスドライバは柄の長いものはペンキの缶を開け、電工用のマイナスは5.5ミリですが共用、細いマイナスは古い金具を外します。
プラスドライバ2号はJIS規格でないとネジがなめりやすい。同ロングタイプは建具、同なめりネジ用は叩いて回し、1号は解体に使います。
錐とポンチは大きいものと小さいものを揃えていますが、ネジ穴の予備穿孔は鋭い千枚通しが木材に便利です。
ミニバールは巾木や建具に、ヤスリはバリに気がついたらサッと取り出します。単純な道具ほど幅広い使い道があるのではないでしょうか。
ほぼ毎日使うのが一番下のネジザウルス。私は握力が弱いので、ウォーターポンププライヤーのような握りやすいタイプが好きですが、ちょっと帯磁しているところが使いずらいため、メーカー(エンジニア)にレビューしましたものの無視されました。
SK11製品が好きなので、ひとつでもダメにしたらとても悲しくなります。上記の金切ハサミは高硬度鋼なのですが、自転車タイヤのワイヤーを切ったら刃が欠けた。私の誤りで、ワイヤーはボルトクリッパーで切るべきでした。
モンキースパナは本来2本1組ですが、管工事用のツール箱にまとめて置いていますので、携行は小型1本でいいのではと思っています。
ノミは中古に限る。カツラ落としと呼ばれる細工をしてあるためで、新品を私が調整すると冠が外れておかしくなります。
ほか、よくホームセンターに置いてあるカツラのないノミは使い物にならず、金づちで打つ時に滑るので左手が危険に晒される(何度も痛めた)し、モリブテンバナジウム鋼を使っていると強調してありますが、そんなの当たり前です。
ハイス鋼のノミも持っていますが、今度はHRCが高すぎてセラミック砥石で磨きづらい。
ハンマーは、あえて軽いタイプにしています。もし左手に当たった時にダメージを少なくするためです。物置などの重量物に釘を打つ時は、ことさら重い金槌を用意します。
写真にはありませんが、二徳釘〆も携行しています。
差し金は奥深い道具だと氏家誠悟さんのホームページにありましたが、私には何を書いてあるのかさっぱりでした。なまら難しいアイテム!
鉛筆は普通に書き込み、色鉛筆は濡れた木材等に使用します。
実は、コンベックスが大嫌い。先端のフックが動くので毎回誤差が出て、精度の高い加工ができないからです。私の父はお前の使い方が悪いと断言しましたが、私は自分に全く合わないものと思いました。
いまや「自分に合わない道具が幾つもある」と割り切っています。くはっ!
なお、コンベックスは値段の高いものほどコシがしっかりしているので、3メートルぐらい計測する場合、5m級幅広を使うと折れなくなります。2個以上携行するのは、よく置きっぱなしにするため。
カッターは人によって考え方が異なるでしょう。
私は、職専カッターや特専ロングとかを使ってみても、柄はどうでもよくて、刃の切れ味が大事だと思いました。炭素鋼替刃でなく、刃ポキで気軽に折れれば良いと感じます。いずれも内装で壁紙を貼る時の話に過ぎず、屋外で乱暴に使う分には何でもいいのかなと考えました。
ハサミもこだわる人がいますが、私は屋外での使用は使い捨てタイプを推奨します。なるべく、小さめのキッチンハサミが使いやすい。
キャンプと同じで、いい道具を持ち込むと雰囲気は素敵になるものの、もしダメにしたり失くしたときの喪失感が甚だしいことから、屋外での使用に関しては使い捨て刃物がベストではないかと考えています。
ラジオペンチは帯磁していない、バネのあるタイプが使い勝手がよく、JIS規格でなくて結構です。古いものほどカドがなくて使いやすくなります。
刃ポキがない時代は、カッターの刃をいちいち折るのが面倒でした。
いまでは刃ポキ据え置き型をVU50の切れ端に乗せて使っています。
のこぎりは使い捨てタイプが好きで、ゼットソーⅢ265がイチ押し。柄が長いものの方がブレが少なくなります。
しかし、どうやっても手作業では垂直に切れません。その誤差の修正に難儀して作業時間が無駄に多い時期がありました。いまではタカギの卓上丸鋸を使用して垂直誤差はありませんし、同製品は軽くて小さいので取り回しがいいです。マキタやハイコーキの卓上丸鋸は素晴らしいと思いますが大型で重く、私は可搬性に不自由します。
Zライフソークラフト145は、氏家誠悟さんのホームページを見て欲しくなりました。私は建具が苦手なのでダボ切りしませんが薄刃なので、ちょっと切り欠けをしたり、Fモールを切る時に重宝しています。
なお、のこぎりは水に激しく反応してダメになります。木の水分が残って錆びないよう、使い終わったら556などでお手入れしましょう。
水準器は、デジタルタイプを強く推奨。
土木工事はアナログタイプでもいいのですが、建築工事では少しの誤差が、何度もやり直しを強いるためです。
懐中電灯も現場では欠かせません。屋根裏や排水口の目視点検はよくあることで、高輝度LEDタイプを採用し、軽量なプラスチック製品を選んでいます。
書きずらいのですが、マグライトのような柄が長いタイプやギアデザインが尖ったタイプは持ち歩かない方が無難だと思います。不用意なバンカケに耐えられません。
スクレーパーはプラスチックもカーボンも使い物にならず、肉厚なステンレス製にとどめをさし、たまに砥石で研いで面直ししています。
自前施工では、独りで作業するため、仮張りを頻繁にやります。失敗を防ぐためにも、テープは惜しむところではないと思います。
アルミテープもよく使いますが、白タイプが欲しいと思うので、メーカーに期待しています。
ネジすべり止め液は粘度が低くて使いづらい。解体作業では、プラスドライバーを地面に刺すことの方が多いです。
養生テープは少しお高くなりますが、24ミリ以上の幅広タイプが仕上がりの良さに貢献するでしょう。
創業時のなりゆきでこのヘルメットを使用しています。決して気にいっている訳ではなく、いまではツバが透明なタイプが欲しいところ。
ジェントス製ヘッドライトを、ヘルメットにネジ止めしています。自前施工において、床下に潜ったり、夜間作業を行うこともよくあるため、ヘッドライトはとても有用なアイテムとなります。
ジスクグラインダーを使う時は、ツバに防御バイザーも装着できます。
なお、ヘルメットは必ず顎紐を締めましょう。
高所作業にはベルトを着用します。
私は164センチ59キロと小柄なので、既製品は大きいです。肩ベルトに余りあり、見た目おかしくも縮めて使っています。
左には差し金用の土牛製金具、左ポケットは深めの道具入れ。
右はカッター入れ、そして革製の道具入れを纏っています。
ツールベルトを装着する機会は、高所作業に限定しているので内装もしくは解体となります。
内装では、カッターの刃折と専用器具の収納が重要となります。右のベルトに刃折ポキを装着し、作業効率を高めてます。
解体では、左ポケットに大型磁石と釘等を入れることで、釘ポロリをふせぎます。
まとめ
およそ工具・器具・備品は種類があるうえに、各人の好みもあるため、本稿では私の事情を書き綴ったに過ぎません。
ただし、お伝えしたいポイントは、お金をあまりかけなくとも「自前施工において慣れと工夫で修理は全うできる」ことにあります。
そこそこの道具や機材で、居住者が喜んでくれるならば、リメンド(reMend)が満たされ、チャッチャッと修理を終わらせることが大事となるでょう。
また、現場で代用できるものを充てて済ませることは、慣れと工夫の真骨頂ですが、私は頻繁に失敗していることを告白する次第であります。
中古部材の転用は、想像以上に時間と手間を要するためです。
ならば最初から新品を用意した方が早く施工できる、という考え方に賛成です。少しお高くなっても、何度もやり直しは避けたいところ。
なお、電動工具については、リメンド(reMend)編で取り上げることとし、どういう場面で活用するのか、都度取り上げることといたします。
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